mission 22:The Gates of Hell ~天使と堕天使と悪魔~
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ゲイツ・オブ・ヘルに行こうと決めていた時間の頃には、雨は止み、すっかり晴れていた。
「え、ここ?…廃墟じゃん!」
「…に、見えるだろ?だけどな……」
手に魔力をこめて、扉を押し開ける。
これがダンテが来店する際の、通行手形のような物らしい。
「!?」
中に広がっていたのは、独特の雰囲気のあるバー。
ほの暗さを感じるほどの、最低限の証明と、中に流れる空気が少しおどろおどろしく感じる。
そして…。
おかしい。
明らかに外側からの見た目と、内側から見た構造がおかしい。
窓の位置が違うし、中の広さと外の狭さ…まったく比例していない。
「どーなってんの!なにこれ!」
扉の境目を行ったり来たりして、外と内とを確認するディーヴァ。
そんなディーヴァをケラケラ笑って、ダンテは答えた。
「ここ自体が別の空間で、比較的魔界に近い場所なんだとさ。オレも初めて来たときは驚いた」
そう言ってディーヴァの肩をぐいと店内へ押す。
「ほら、そんなとこで入り口を塞いでないで、早く行くぞー」
「あ、…うん」
恥ずかしい行動をしていたかもしれない。
ディーヴァはほんのり頬を赤く染めて、ダンテに従った。
店内側から窓の外をふと見ると、どこまでも暗い常闇のような、冷たい魔の空気が渦を巻いているのが見える。
魔界に近いというのは間違いなさそうだ。
カウンターにはサングラスをかけた黒い肌の人物がおり、こちらの到着をどっしり構えて待っている。
その背後の、普通ならば酒類が並べられているであろう棚には網がかけられずらりと武器ばかりがかけられていた。
ダンテの魔具は見当たらないが、他の珍しい魔具もきっとあるだろう。
「よぉ、ロダン。オレのかわいい恋人を紹介するぜ。ディーヴァ、この男がロダンだ」
「よ、よろしくお願いいたします、ロダンさん。…ディーヴァです」
前に立つとダンテより身長も高く恰幅もよく、見下ろされるような感じがして威圧感があった。
「ようこそゲイツ・オブ・ヘルへ、オーギュスト・ロダンだ。なるほどなるほど…掃き溜めにゃ似合わん、可愛らしいお嬢さんだな」
差し出された手のひらをそっと握る。
体と同じで大きな手のひらは、ダンテのそれより大きくて、自分の手がしっかり包まれてしまった。
ゆっくり手が離れるのを見計らって、ダンテがこっそり耳打ちする。
「怪しいバーだし、見た目は怖いし厳ついし…そんなだけど、これでもちゃんと元天使だ」
「聞こえてるぞ。怪しいのは余計だ、表では普通のバーを営んでいる」
見た目の話はいいのだろうか…思わずクスッと笑ってしまった。
「客を選ぶ時点で怪しいだろうが…あ、酒はいらねぇからな」
カクテルグラスを二脚用意しようとするロダンに気がついたダンテは、それをすっぱりと断る。
「なら何にする?」
「アイスコーヒーとアイスティーでよろしく」
「オーケー。ちょっと待ってな」
何やら取りに行くのか、ロダンは一度カウンターを出て奥に引っ込んだ。
「落ち着かないのか?」
「んー?うーん…」
隣に座るダンテが、優しくディーヴァの髪をすいてやりながら心配そうに聞く。
そんなに態度に出ていただろうか。
自分から来たいとはいったものの、そわそわとなんだか落ち着かないのは確かだ。
ディーヴァは魔界に近い空間だからだとダンテに教えた。
実際、ダンテとバージルが戦ったあの場所に近く感じてもいることだし。
そしてロダン本人。
握手した時に手に触れたから何となくわかる。
彼は悪い人ではない。
しかし、サングラスの奥で光る眼差しはなんだかディーヴァを落ち着かない気分にさせた。
戻ったロダンはとても美味しいアイスコーヒーとアイスティーを淹れてくれ、ダンテの大好きなピザや、キューブ型でディーヴァの好きなチーズを出してくれた。
食べ物をつまみながら、お互いミルクを入れたドリンクを飲んで会話していくと、ロダンは意外や意外、物腰柔らかく、涙もろいとわかった。
ディーヴァが初めて天使として覚醒した時から、順を追っての今までの経緯について話したのだ。
「大変だったんだなぁ…」
サングラスの奥から滝のように涙を流して号泣するロダン。
共感して泣いてくれるのはいいが、少し涙脆すぎやしないだろうか…。
元天使の御慈悲ということにしておこう。
その手には、可愛らしいハート柄のピンク色のハンカチが握られ、流れる涙をその都度拭き取っていた。
「す、素敵なハンカチですね」
「だろう?最近ちょっとはまっていてな」
プラプラとさせて全貌の明らかになるハンカチ。
よく見れば端の方に天使のわっかと翼を携えた、デフォルメのウサギが刺繍されていた。
「…かわいい」
「何でもいいがサングラスくらい外して拭け」
「おっと、これはダンテのコートと同じでチャームポイントなんだ。外すわけにはいかんな」
「おい。オレのコートはチャームポイントじゃないぞ。トレードマークと言え」
チャームポイントもトレードマークもそうそう変わらないような気がする。
ダンテとロダンのやり取りが面白くて、ディーヴァは危うく吹き出しかけてしまった。
「つーか、一番の趣味はレコード収集じゃなかったか?」
「ああ、それは変わらない。名盤を見つけたら迷わず俺のとこに頼んだぜ」
「へいへい」
「…いい選曲ですよね」
体は人間の物といえ、生粋の天使の力を持つディーヴァからすれば、異質とも言うべきこの悪魔の空間で、唯一落ち着ける物。
それがレコード盤から流れる美しいクラシックだった。
「え、ここ?…廃墟じゃん!」
「…に、見えるだろ?だけどな……」
手に魔力をこめて、扉を押し開ける。
これがダンテが来店する際の、通行手形のような物らしい。
「!?」
中に広がっていたのは、独特の雰囲気のあるバー。
ほの暗さを感じるほどの、最低限の証明と、中に流れる空気が少しおどろおどろしく感じる。
そして…。
おかしい。
明らかに外側からの見た目と、内側から見た構造がおかしい。
窓の位置が違うし、中の広さと外の狭さ…まったく比例していない。
「どーなってんの!なにこれ!」
扉の境目を行ったり来たりして、外と内とを確認するディーヴァ。
そんなディーヴァをケラケラ笑って、ダンテは答えた。
「ここ自体が別の空間で、比較的魔界に近い場所なんだとさ。オレも初めて来たときは驚いた」
そう言ってディーヴァの肩をぐいと店内へ押す。
「ほら、そんなとこで入り口を塞いでないで、早く行くぞー」
「あ、…うん」
恥ずかしい行動をしていたかもしれない。
ディーヴァはほんのり頬を赤く染めて、ダンテに従った。
店内側から窓の外をふと見ると、どこまでも暗い常闇のような、冷たい魔の空気が渦を巻いているのが見える。
魔界に近いというのは間違いなさそうだ。
カウンターにはサングラスをかけた黒い肌の人物がおり、こちらの到着をどっしり構えて待っている。
その背後の、普通ならば酒類が並べられているであろう棚には網がかけられずらりと武器ばかりがかけられていた。
ダンテの魔具は見当たらないが、他の珍しい魔具もきっとあるだろう。
「よぉ、ロダン。オレのかわいい恋人を紹介するぜ。ディーヴァ、この男がロダンだ」
「よ、よろしくお願いいたします、ロダンさん。…ディーヴァです」
前に立つとダンテより身長も高く恰幅もよく、見下ろされるような感じがして威圧感があった。
「ようこそゲイツ・オブ・ヘルへ、オーギュスト・ロダンだ。なるほどなるほど…掃き溜めにゃ似合わん、可愛らしいお嬢さんだな」
差し出された手のひらをそっと握る。
体と同じで大きな手のひらは、ダンテのそれより大きくて、自分の手がしっかり包まれてしまった。
ゆっくり手が離れるのを見計らって、ダンテがこっそり耳打ちする。
「怪しいバーだし、見た目は怖いし厳ついし…そんなだけど、これでもちゃんと元天使だ」
「聞こえてるぞ。怪しいのは余計だ、表では普通のバーを営んでいる」
見た目の話はいいのだろうか…思わずクスッと笑ってしまった。
「客を選ぶ時点で怪しいだろうが…あ、酒はいらねぇからな」
カクテルグラスを二脚用意しようとするロダンに気がついたダンテは、それをすっぱりと断る。
「なら何にする?」
「アイスコーヒーとアイスティーでよろしく」
「オーケー。ちょっと待ってな」
何やら取りに行くのか、ロダンは一度カウンターを出て奥に引っ込んだ。
「落ち着かないのか?」
「んー?うーん…」
隣に座るダンテが、優しくディーヴァの髪をすいてやりながら心配そうに聞く。
そんなに態度に出ていただろうか。
自分から来たいとはいったものの、そわそわとなんだか落ち着かないのは確かだ。
ディーヴァは魔界に近い空間だからだとダンテに教えた。
実際、ダンテとバージルが戦ったあの場所に近く感じてもいることだし。
そしてロダン本人。
握手した時に手に触れたから何となくわかる。
彼は悪い人ではない。
しかし、サングラスの奥で光る眼差しはなんだかディーヴァを落ち着かない気分にさせた。
戻ったロダンはとても美味しいアイスコーヒーとアイスティーを淹れてくれ、ダンテの大好きなピザや、キューブ型でディーヴァの好きなチーズを出してくれた。
食べ物をつまみながら、お互いミルクを入れたドリンクを飲んで会話していくと、ロダンは意外や意外、物腰柔らかく、涙もろいとわかった。
ディーヴァが初めて天使として覚醒した時から、順を追っての今までの経緯について話したのだ。
「大変だったんだなぁ…」
サングラスの奥から滝のように涙を流して号泣するロダン。
共感して泣いてくれるのはいいが、少し涙脆すぎやしないだろうか…。
元天使の御慈悲ということにしておこう。
その手には、可愛らしいハート柄のピンク色のハンカチが握られ、流れる涙をその都度拭き取っていた。
「す、素敵なハンカチですね」
「だろう?最近ちょっとはまっていてな」
プラプラとさせて全貌の明らかになるハンカチ。
よく見れば端の方に天使のわっかと翼を携えた、デフォルメのウサギが刺繍されていた。
「…かわいい」
「何でもいいがサングラスくらい外して拭け」
「おっと、これはダンテのコートと同じでチャームポイントなんだ。外すわけにはいかんな」
「おい。オレのコートはチャームポイントじゃないぞ。トレードマークと言え」
チャームポイントもトレードマークもそうそう変わらないような気がする。
ダンテとロダンのやり取りが面白くて、ディーヴァは危うく吹き出しかけてしまった。
「つーか、一番の趣味はレコード収集じゃなかったか?」
「ああ、それは変わらない。名盤を見つけたら迷わず俺のとこに頼んだぜ」
「へいへい」
「…いい選曲ですよね」
体は人間の物といえ、生粋の天使の力を持つディーヴァからすれば、異質とも言うべきこの悪魔の空間で、唯一落ち着ける物。
それがレコード盤から流れる美しいクラシックだった。
