mission 22:The Gates of Hell ~天使と堕天使と悪魔~
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案内されたのは、ただの廃墟だとばかり思っていたビル。
その入り口を潜れば、いきなり目の前に広がる、明かりを極々小さく落としたショットバー。
「どうなってやがんだ…?」
不思議そうに呟くダンテ。
外側からはこんな内装になっていると、まったくわからなかった。
本来、アルコールやグラスが置かれているはずのカウンター後ろには、大小さまざまな武器がかかっている。
オブジェにしては多すぎるそれ。
表向きはバーのマスターといっているわりには、そこには裏の顔がかいま見えた。
開店前なのか客はまだおらず、いくつか存在しているテーブル席に椅子が上がっている状態。
カウンターの内側へ入ったロダンを追うように、ダンテはカウンター席へ腰かけた。
「よし、じゃあやるぞ」
「ああ」
カウンターテーブルにケルベロスとその欠けた一部を乗せる。
魔力を高めた大きな手のひらで、ロダンが暖めるように手をかざせば、ケルベロスは淡く輝き、欠けた部分同士がくっついた。
そのまま魔具化を解除し、犬の姿へと変化すると、どこも怪我しておらず五体満足だ。
欠けた状態で犬の姿へ戻っていたらどうなっていたことやら。
「おお、すげぇ。よかったな、ケル」
「今まで取れることのなかった謎の体のだる重さもなくなっている…助かった、ありがたいものだ」
謎の体のだる重さ…風邪でもひいていたのだろうか。
それを抜きにしたって、ケルベロスが負けるとは思いもしなかった。
「しっかし、お前が押し負けるなんてなぁ」
「む…すまぬ、不覚をとった」
「それについてだが…」
何か飲むか、と勧めながら話すロダン。
バーで飲むというと、酒。
家に帰るまでが仕事、つまり今は勤務中だし、次にアルコールに口をつける時はディーヴァと一緒に、と考えている。
ダンテは手の動きだけでその誘惑に断りを入れた。
「炎と氷…相性が悪かったのもあるが、ただ負けたという訳じゃあないぞ」
言われたケルベロス本人もわかっていなかったようで、ダンテと同様首を傾げている。
酒を出さぬ代わりにと差し出された、少し辛めに淹れたジンジャーエールとミックスナッツをダンテが口にする。
ロダン自身もその中のカシューナッツを一粒つまんで食べる。
「いわば魔力の暴走だ(もぐもぐ)」
「「暴走?」」
「飽和した魔力は使わないままでいれば、膨張し暴走の一途を辿る。まあ、暴走というよりは風船に空気を入れすぎて爆発したようなものだ」
ロダンの話を聞きながら、ダンテもナッツをつまむ。
カシューナッツも美味いが、ピスタチオがこれまた美味い。
絶妙な塩加減とロースト具合が最高だ。
「ははぁ、なるほどな。飽和…ってことは、どっかから配給されてたんだよな(もぐもぐ)」
「先の冬に、魔具として持ち出されたわけでもないのにそんなことあろうものか(もぐもぐ)」
氷の魔犬・ケルベロスは氷から魔力を作り出すことができる。
だが、冬の時期に氷に触れたならいざ知らず、そうでもないのに膨大な魔力を得られるようなことがあっただろうか。
量が一番多いからと、ダンテが時おり投げて寄越すピーナッツを口でキャッチしながら、ケルベロスは記憶をたどった。
その入り口を潜れば、いきなり目の前に広がる、明かりを極々小さく落としたショットバー。
「どうなってやがんだ…?」
不思議そうに呟くダンテ。
外側からはこんな内装になっていると、まったくわからなかった。
本来、アルコールやグラスが置かれているはずのカウンター後ろには、大小さまざまな武器がかかっている。
オブジェにしては多すぎるそれ。
表向きはバーのマスターといっているわりには、そこには裏の顔がかいま見えた。
開店前なのか客はまだおらず、いくつか存在しているテーブル席に椅子が上がっている状態。
カウンターの内側へ入ったロダンを追うように、ダンテはカウンター席へ腰かけた。
「よし、じゃあやるぞ」
「ああ」
カウンターテーブルにケルベロスとその欠けた一部を乗せる。
魔力を高めた大きな手のひらで、ロダンが暖めるように手をかざせば、ケルベロスは淡く輝き、欠けた部分同士がくっついた。
そのまま魔具化を解除し、犬の姿へと変化すると、どこも怪我しておらず五体満足だ。
欠けた状態で犬の姿へ戻っていたらどうなっていたことやら。
「おお、すげぇ。よかったな、ケル」
「今まで取れることのなかった謎の体のだる重さもなくなっている…助かった、ありがたいものだ」
謎の体のだる重さ…風邪でもひいていたのだろうか。
それを抜きにしたって、ケルベロスが負けるとは思いもしなかった。
「しっかし、お前が押し負けるなんてなぁ」
「む…すまぬ、不覚をとった」
「それについてだが…」
何か飲むか、と勧めながら話すロダン。
バーで飲むというと、酒。
家に帰るまでが仕事、つまり今は勤務中だし、次にアルコールに口をつける時はディーヴァと一緒に、と考えている。
ダンテは手の動きだけでその誘惑に断りを入れた。
「炎と氷…相性が悪かったのもあるが、ただ負けたという訳じゃあないぞ」
言われたケルベロス本人もわかっていなかったようで、ダンテと同様首を傾げている。
酒を出さぬ代わりにと差し出された、少し辛めに淹れたジンジャーエールとミックスナッツをダンテが口にする。
ロダン自身もその中のカシューナッツを一粒つまんで食べる。
「いわば魔力の暴走だ(もぐもぐ)」
「「暴走?」」
「飽和した魔力は使わないままでいれば、膨張し暴走の一途を辿る。まあ、暴走というよりは風船に空気を入れすぎて爆発したようなものだ」
ロダンの話を聞きながら、ダンテもナッツをつまむ。
カシューナッツも美味いが、ピスタチオがこれまた美味い。
絶妙な塩加減とロースト具合が最高だ。
「ははぁ、なるほどな。飽和…ってことは、どっかから配給されてたんだよな(もぐもぐ)」
「先の冬に、魔具として持ち出されたわけでもないのにそんなことあろうものか(もぐもぐ)」
氷の魔犬・ケルベロスは氷から魔力を作り出すことができる。
だが、冬の時期に氷に触れたならいざ知らず、そうでもないのに膨大な魔力を得られるようなことがあっただろうか。
量が一番多いからと、ダンテが時おり投げて寄越すピーナッツを口でキャッチしながら、ケルベロスは記憶をたどった。