mission 22:The Gates of Hell ~天使と堕天使と悪魔~
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それからすぐのこと。
「くっ…コイツ、マジで固ぇ……!」
三氷棍ケルベロスの鎖の音をジャラジャラ響かせ、ダンテはヒット&アウェイを続ける。
いつものダンテは攻撃には攻撃を更に与える戦闘スタイルだ。
このように守りに入ることなどありえないのだが、今は攻撃と防御を交互に行って悪魔の相手をしていた。
ダンテが今、唯一持っている武器、ケルベロスが全く通用しない。
分厚い毛皮が炎で出来た鎧で守られ、肌で触れれば熱く、炎なのに固い。
「うおおおおお!!」
ガィイン!
力任せに攻撃を仕掛けても大したダメージは与えられず、ダンテはいかにして目の前のワンちゃんを地面に這いつくばらせるか考えていた。
実を言うと今日の依頼、最初は合言葉付きの依頼ではなかった。
スラム街のとある一画に現れるという猛犬をどうにかすること。
それが今回の仕事。
人探しや浮気調査のような、いわゆる表の仕事と、なんらかわりないものだったのだ。
猛犬といっても、何件か追い回される被害が出ているだけで噛みつかれたという報告は出ていない。
だが、目撃証言によると噛みつかれでもしたら間違いなく肉がごっそり持っていかれそうな牙を生やしているとのこと。
ダンテにとっては相手がただ猛犬なだけならば、おそるるに足らない。
依頼を受けたダンテは、犬が相手だからこそというよくわからない理由で、念のためにとケルベロスをつれてきたのである。
しかし、蓋を開けてビックリ!
ただの害獣駆除に近い依頼だと思っていたのだが、犬の正体は悪魔。
ダンテの本領発揮だが、いかんせんリベリオンも、エボニーアイボリーさえ家に置いてきた始末。
あるのはヌンチャク型の武器、ケルベロスに、あとは鍛えられた己の肉体くらいか。
1人と一匹は、コクリと頷き合うだけで、何も言わずただ、悪魔へと立ち向かった。
第一形態とでも名付けておこう、噛みつきやひっかきなどの体を張った攻撃が止めば、途端に口から炎を吐き出すようになってきた悪魔。
今やその体毛は最初よりも、一層濃い暗闇色であり、毛並みもゴワゴワと固そうだ。
黒い体毛に、火を吹き、炎と瞳だけが不気味なくらい赤い犬…まるでヘルハウンドだ。
ケルベロスが氷の魔犬と呼ぶならば、さしずめこちらは炎の魔犬と呼ぶべきか。
炎は攻撃と防御、どちらにも使えるようで、ダンテが攻撃すれば自ら炎を纏い、それがそのまま防御壁と化す。
氷への耐性がかなり高いのか、とてつもなく、固い。
自在に動く炎がそのまま攻撃を弾き返すため、まるで炎の形をした金属だ。
しかし、代わりに生身で触れようものなら、ダンテすら火傷どころじゃなく、炭化しそうな勢い。
「あっちいなんてもんじゃねえ!この炎、摂氏何度だよ!…オレじゃなかったら消し炭確定だな」
シュウシュウ音をたてながら急速に治りつつあるダンテの皮膚。
見れば、ケロイドと化した表皮が、真新しい肌に変わっているところだった。
そして冒頭に戻る。
こんな理由もあり、ダンテは生身で触れられず、唯一の武器、ケルベロスを使うしかない。
それにケルベロスも、『相手が苦手な属性だろうと、同じような姿形の悪魔に負けたくない』とプライドがあるようだった。
何度目かの攻防。
ゆっくりと、しかし着実に相手は疲弊しているが、まだまだ元気だ。
しかしこちらはかなりギリギリで、長引けば、……負ける。
「ガゥウッ!!」
炎を纏ったまま突進してきた奴の鼻面にケルベロスを叩き込む。
氷によるダメージこそなくとも、打撃による攻撃は効いているはずだ。
ケルベロスがミシミシ言っていて限界が近い。
そしてとうとう、ピシッとケルベロスの身に嫌な音とヒビが入った。
…完全に押し負けた。
『うぁぁぁぁあっ!!』
「ちょ、ケル!?」
そしてダンテの目の前で、ケルベロスがパキンと割れ、欠片が地面に落ちた。
「クソッ!よくも…」
ディーヴァも大事だが、ケルベロスも共に戦いを共にしてきた大事な『戦友』だ。
それをやられた以上、ただではすまさない。
こうなれば炭化覚悟でいくしかないか。
ケルベロスをそっと腰に戻し、ダンテは身構えた。
「くっ…コイツ、マジで固ぇ……!」
三氷棍ケルベロスの鎖の音をジャラジャラ響かせ、ダンテはヒット&アウェイを続ける。
いつものダンテは攻撃には攻撃を更に与える戦闘スタイルだ。
このように守りに入ることなどありえないのだが、今は攻撃と防御を交互に行って悪魔の相手をしていた。
ダンテが今、唯一持っている武器、ケルベロスが全く通用しない。
分厚い毛皮が炎で出来た鎧で守られ、肌で触れれば熱く、炎なのに固い。
「うおおおおお!!」
ガィイン!
力任せに攻撃を仕掛けても大したダメージは与えられず、ダンテはいかにして目の前のワンちゃんを地面に這いつくばらせるか考えていた。
実を言うと今日の依頼、最初は合言葉付きの依頼ではなかった。
スラム街のとある一画に現れるという猛犬をどうにかすること。
それが今回の仕事。
人探しや浮気調査のような、いわゆる表の仕事と、なんらかわりないものだったのだ。
猛犬といっても、何件か追い回される被害が出ているだけで噛みつかれたという報告は出ていない。
だが、目撃証言によると噛みつかれでもしたら間違いなく肉がごっそり持っていかれそうな牙を生やしているとのこと。
ダンテにとっては相手がただ猛犬なだけならば、おそるるに足らない。
依頼を受けたダンテは、犬が相手だからこそというよくわからない理由で、念のためにとケルベロスをつれてきたのである。
しかし、蓋を開けてビックリ!
ただの害獣駆除に近い依頼だと思っていたのだが、犬の正体は悪魔。
ダンテの本領発揮だが、いかんせんリベリオンも、エボニーアイボリーさえ家に置いてきた始末。
あるのはヌンチャク型の武器、ケルベロスに、あとは鍛えられた己の肉体くらいか。
1人と一匹は、コクリと頷き合うだけで、何も言わずただ、悪魔へと立ち向かった。
第一形態とでも名付けておこう、噛みつきやひっかきなどの体を張った攻撃が止めば、途端に口から炎を吐き出すようになってきた悪魔。
今やその体毛は最初よりも、一層濃い暗闇色であり、毛並みもゴワゴワと固そうだ。
黒い体毛に、火を吹き、炎と瞳だけが不気味なくらい赤い犬…まるでヘルハウンドだ。
ケルベロスが氷の魔犬と呼ぶならば、さしずめこちらは炎の魔犬と呼ぶべきか。
炎は攻撃と防御、どちらにも使えるようで、ダンテが攻撃すれば自ら炎を纏い、それがそのまま防御壁と化す。
氷への耐性がかなり高いのか、とてつもなく、固い。
自在に動く炎がそのまま攻撃を弾き返すため、まるで炎の形をした金属だ。
しかし、代わりに生身で触れようものなら、ダンテすら火傷どころじゃなく、炭化しそうな勢い。
「あっちいなんてもんじゃねえ!この炎、摂氏何度だよ!…オレじゃなかったら消し炭確定だな」
シュウシュウ音をたてながら急速に治りつつあるダンテの皮膚。
見れば、ケロイドと化した表皮が、真新しい肌に変わっているところだった。
そして冒頭に戻る。
こんな理由もあり、ダンテは生身で触れられず、唯一の武器、ケルベロスを使うしかない。
それにケルベロスも、『相手が苦手な属性だろうと、同じような姿形の悪魔に負けたくない』とプライドがあるようだった。
何度目かの攻防。
ゆっくりと、しかし着実に相手は疲弊しているが、まだまだ元気だ。
しかしこちらはかなりギリギリで、長引けば、……負ける。
「ガゥウッ!!」
炎を纏ったまま突進してきた奴の鼻面にケルベロスを叩き込む。
氷によるダメージこそなくとも、打撃による攻撃は効いているはずだ。
ケルベロスがミシミシ言っていて限界が近い。
そしてとうとう、ピシッとケルベロスの身に嫌な音とヒビが入った。
…完全に押し負けた。
『うぁぁぁぁあっ!!』
「ちょ、ケル!?」
そしてダンテの目の前で、ケルベロスがパキンと割れ、欠片が地面に落ちた。
「クソッ!よくも…」
ディーヴァも大事だが、ケルベロスも共に戦いを共にしてきた大事な『戦友』だ。
それをやられた以上、ただではすまさない。
こうなれば炭化覚悟でいくしかないか。
ケルベロスをそっと腰に戻し、ダンテは身構えた。