mission 22:The Gates of Hell ~天使と堕天使と悪魔~
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しばし堪能したディーヴァだったが、何を思ったかそのまま次のステップへ進み、ダンテのコートに袖を通した。
だが、ダンテがそろそろ戻ってくることを忘れていないだろうか?
「おっきい…ぶかぶか」
ダンテの高い身長に合わせた丈は、ディーヴァの低い身長にはとても長い。
完全に裾が地につき、たぐまっている。
袖を捲っても、指の先が見えてこないため、指先がちょんと見えている状態……いわゆる萌え袖にもならない。
ディーヴァ入口近くに置いた姿見まで、裾を引きずらないよう注意しながら歩いた。
鏡に映る姿は完全に服に着られているというか、なんというか…ひどく不恰好だ。
ダンテと自分の体格の違いについてを改めて認識させられる。
まるで大人と子供。
しかも、今後自分が成長するというのは、滅多なことでは起こらないのだからこの差は開くことはあれど、縮まることはない。
それを思い出すとどこか心がちくんと痛むが、今はこの幸せを感じていたい。
「落ち着くなあ…」
コートごと自身をだきしめ、うっとり夢みる乙女のような顔で幸せに浸り、感嘆の吐息を漏らす。
好きな相手だとどうしてこんなにも香りすら愛しく思えるのだろう。
…実はたまにだが、こっそりとダンテのうかがい知らぬところでこんなことをしていたディーヴァ。
彼女は俗に言う『匂いフェチ』だ。
この夢主…ダンテに負けず劣らず、けっこうな変態。
いや、この場合は変態な思考を持つダンテにどんどん影響を受けてこうなってしまったと言うべきか。
ガチャ。
突如開いた扉。
「変な場所にあったが、持ってき…た、ぞ……」
「あ」
そうこうしている間に、とうとうダンテが戻ってきてしまった。
消臭剤のスプレー缶は、ストック食材や瓶詰め食材の置かれる部屋にあったはずなのに…それを見つけるとはさすがダンテだ。
だてに迷子やら探し物の依頼を受けていない!
そして、ダンテのコートを着込んでいるところは、現在進行形でばっちり目撃され言い逃れはできない。
「オレのコートなんか着て、なにしてんだ」
シーン…しばしの静寂。
そののちディーヴァはそれを着たまま、両頬に人差し指をあてて首をかしげた。
「エヘ?」
かわいらしい仕草とポージングだが、これはディーヴァが誤魔化そうとするときにするリアクションの一部といっていい。
「エヘってなあ、お前…」
「だって、ダンテの匂いってすっごく落ち着くんだもん」
ディーヴァの返答に呆れ半分嬉しさ半分。
そして、ダンテは悟った。
ああ、ディーヴァって…匂いフェチだったんだな、と。
「オレの匂いが落ち着くならコートなんかじゃなく、オレ自身に抱きつけばいいだろ」
「んー、ダンテ本人に抱きつくのも落ちつくけど、これはまた別問題なの。好きな人がいつも使用している『物』だからこそ得られる幸せがあるんだよ」
「…さいですか」
熱弁されても正直よくわからない世界が、そこに存在していた。
ダンテはディーヴァが使う物にも愛を感じる暇がないほどディーヴァを愛しているし、愛でるならいつだってディーヴァ本人の方がいい。
それはともかく、コートめ、ずるいぞ。
ディーヴァの愛はオレだけのもの!
見ていると自分のコートにすら嫉妬心と独占欲を感じてしまう。
なんとなくムカついたダンテは、幸せそうに微笑むディーヴァから自身のコートを剥ぎ取った。
「あーん、返してよー」
「ダーメ、これはオレのだよ」
「けち」
けち、じゃない、オレを構えっての。
つーか、なんだそのむくれた顔は…、かわいすぎるだろ。
ディーヴァの届かぬ高さにコートを持ち上げ、その代替品にスプレー缶を握らせるダンテ。
「ほら、代わりに消臭スプレーやるから」
「比べ物にならないんだけど…。まあ、いっか」
虫の残り香が気になっていたのも本当のことだ。
やつらがいた痕跡すら残さない、とでも言うように、ディーヴァはスプレーを大量に振りまき、フローラルの香りで場を満たした。
だが、ダンテがそろそろ戻ってくることを忘れていないだろうか?
「おっきい…ぶかぶか」
ダンテの高い身長に合わせた丈は、ディーヴァの低い身長にはとても長い。
完全に裾が地につき、たぐまっている。
袖を捲っても、指の先が見えてこないため、指先がちょんと見えている状態……いわゆる萌え袖にもならない。
ディーヴァ入口近くに置いた姿見まで、裾を引きずらないよう注意しながら歩いた。
鏡に映る姿は完全に服に着られているというか、なんというか…ひどく不恰好だ。
ダンテと自分の体格の違いについてを改めて認識させられる。
まるで大人と子供。
しかも、今後自分が成長するというのは、滅多なことでは起こらないのだからこの差は開くことはあれど、縮まることはない。
それを思い出すとどこか心がちくんと痛むが、今はこの幸せを感じていたい。
「落ち着くなあ…」
コートごと自身をだきしめ、うっとり夢みる乙女のような顔で幸せに浸り、感嘆の吐息を漏らす。
好きな相手だとどうしてこんなにも香りすら愛しく思えるのだろう。
…実はたまにだが、こっそりとダンテのうかがい知らぬところでこんなことをしていたディーヴァ。
彼女は俗に言う『匂いフェチ』だ。
この夢主…ダンテに負けず劣らず、けっこうな変態。
いや、この場合は変態な思考を持つダンテにどんどん影響を受けてこうなってしまったと言うべきか。
ガチャ。
突如開いた扉。
「変な場所にあったが、持ってき…た、ぞ……」
「あ」
そうこうしている間に、とうとうダンテが戻ってきてしまった。
消臭剤のスプレー缶は、ストック食材や瓶詰め食材の置かれる部屋にあったはずなのに…それを見つけるとはさすがダンテだ。
だてに迷子やら探し物の依頼を受けていない!
そして、ダンテのコートを着込んでいるところは、現在進行形でばっちり目撃され言い逃れはできない。
「オレのコートなんか着て、なにしてんだ」
シーン…しばしの静寂。
そののちディーヴァはそれを着たまま、両頬に人差し指をあてて首をかしげた。
「エヘ?」
かわいらしい仕草とポージングだが、これはディーヴァが誤魔化そうとするときにするリアクションの一部といっていい。
「エヘってなあ、お前…」
「だって、ダンテの匂いってすっごく落ち着くんだもん」
ディーヴァの返答に呆れ半分嬉しさ半分。
そして、ダンテは悟った。
ああ、ディーヴァって…匂いフェチだったんだな、と。
「オレの匂いが落ち着くならコートなんかじゃなく、オレ自身に抱きつけばいいだろ」
「んー、ダンテ本人に抱きつくのも落ちつくけど、これはまた別問題なの。好きな人がいつも使用している『物』だからこそ得られる幸せがあるんだよ」
「…さいですか」
熱弁されても正直よくわからない世界が、そこに存在していた。
ダンテはディーヴァが使う物にも愛を感じる暇がないほどディーヴァを愛しているし、愛でるならいつだってディーヴァ本人の方がいい。
それはともかく、コートめ、ずるいぞ。
ディーヴァの愛はオレだけのもの!
見ていると自分のコートにすら嫉妬心と独占欲を感じてしまう。
なんとなくムカついたダンテは、幸せそうに微笑むディーヴァから自身のコートを剥ぎ取った。
「あーん、返してよー」
「ダーメ、これはオレのだよ」
「けち」
けち、じゃない、オレを構えっての。
つーか、なんだそのむくれた顔は…、かわいすぎるだろ。
ディーヴァの届かぬ高さにコートを持ち上げ、その代替品にスプレー缶を握らせるダンテ。
「ほら、代わりに消臭スプレーやるから」
「比べ物にならないんだけど…。まあ、いっか」
虫の残り香が気になっていたのも本当のことだ。
やつらがいた痕跡すら残さない、とでも言うように、ディーヴァはスプレーを大量に振りまき、フローラルの香りで場を満たした。