mission 21:attend and instinct ~優しさの裏の欲求~
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夜…。
たくさんガールズトークを繰り広げたパジャマパーティーを終えて、ディーヴァは既に就寝している。
ディーヴァはそこまで夜遅く起きていることができないらしくすぅすぅと寝入っていた。
まあ、病み上がりでもあるのだし、無理されてぶり返されてはかなわない。
レディはじっとその寝顔を観察してみた。
寝顔はかわいく、しかしその体は成熟した大人の女性に限りなく近いという少女とも女性とも呼べぬ見るものが見れば魅惑の果実。
その小さく白い手がベッドの端の空を掴もうと伸びている。
「ん…ダンテ…」
しばらく帰らないようなことを言ってはいたが、やはり寂しいのだろう、その口はダンテの名前を呼んでいた。
「まったく、しょうがないカップルだこと。
ディーヴァ、次に泊まりに来る時は普通の時が来てちょうだいね。その方がうれしいわ」
この分なら、明日には帰らせても平気そうだ。
少しはだけている掛布団をしっかりかけてやると、レディは窓際に近寄った。
ダンテに連絡をしようと、窓際に置いてある受話器を持ち上げる。
「電話する必要はなさそうね」
窓の外に見えた赤色に、レディはすぐに受話器を戻し、笑った。
***
レディのベッドから起き上がると、ベッドサイドの小さなテーブルにリンゴの乗った皿が置かれていた。
この部屋の住人であるレディはもうとっくに起きて、コーヒーを片手に雑誌に目を通している。
「起きたのね、おはようディーヴァ」
「おはよう。…ねえレディ、これは何?」
「さあ?リンゴの好きなディーヴァが早くよくなるように、赤い服のサンタが来たのかもしれないわね。
もうすぐクリスマスだしねぇ…」
そんな馬鹿な。
クリスマス当日でもないのにサンタクロースがディーヴァの元にやってくるわけがない。
「せっかくだしいただいたら?」と、クスクス笑うレディに訝し気にしながらもディーヴァは1つ食べながらじっとウサギリンゴを見つめた。
口に含めば大好きなリンゴのフルーティーな味と、シャクシャク響く軽やかな咀嚼音。
そして、皿に乗っているのは歪な形のウサギリンゴのようなもの。
せっかく皮で作った耳は、そのほとんどがボロボロで今にも千切れてしまいそうだ。
こんなに下手な切り方をレディがするわけがない。
そういえば赤い服のサンタが…とか言っていなかっただろうか。
サンタクロースは元から赤い服だ。
赤い…服…。
「…あ」
これを作っただろう者のことを考えて食べると、この歪な形のウサギがとても愛しい存在に思えた。
リンゴを食べきったディーヴァは着替えを終えベッドメイキングもきっちり終えて、レディの元へ急いだ。
「レディ。泊めてくれてありがとう」
「…帰るのね?そうだと思って、ほら」
カーテンを開け、ディーヴァに地上を見せるレディ。
下には見慣れた赤い服がこっちを不安そうに見上げていた。
「ディーヴァのサンタが下で待ってるわ。昨日から、ね。愛の力とやらでここがわかったみたいよ」
「愛の力って…。ダンテらしいなぁ」
「行ってあげなさい。またいつでも泊まりに来てね、ディーヴァ」
「うん、本当にありがとう!」
軽くハグをかわし合うと、ディーヴァはいてもたってもいられない、という感じでレディの家を飛び出した。
エレベーターが来るのすら待てなかったか、息を切らして階段を駆け下りること数分。
「ダンテ!!」
そのまま勢いよくダンテの胸元へと吸い込まれるように、ディーヴァは飛び込んだ。
「おっと!!…ディーヴァ、オレ、」
「ううん、なんも言わないで……」
ダンテは何も悪くない。
謝罪をしてきそうなダンテの言葉を遮ってディーヴァはつづけた。
「ダンテにはいままでいっぱい我慢させちゃった、ごめんなさい。
あたし、もうちょっとダンテがしたいことについてお勉強する…」
ディーヴァはダンテがいままで我慢していることについて、少しずつ学び、譲歩していきたいと思ったのだ。
そういうことをするのは、まだとてもこわい。
だが、知らないのは時に罪だ。
こわいからこそ、少しずつ、少しずつ勉強するしかない。
「だから少しずつ、ダンテがあたしに教えて…」
「ディーヴァ…わかった、少しずつな」
ダンテはディーヴァの目線までしゃがむと、まるで壊れ物を扱うようにしてその体を抱きしめた。
「あ~…やっぱり落ち着く…」
「あたしもダンテが変なことしてこなければダンテの腕の中が一番落ち着くよ」
「おいおい、これからお勉強してくんだろ?ちょっとは慣れろって」
「それとこれとは別です~。
…さてと、せっかくレディのおかげで治った風邪がぶり返さないとも限らないし、帰ろっか」
「そうだな」
風邪から始まった今回のこの騒動…また風邪をひいて同じようなことが起こらないとも限らない。
早く帰った方がいいだろう。
「レディにたくさん迷惑かけちゃった。あとでお礼しないと」
「お前ら友人だろ?迷惑だとかは思ってないさ。でも…あとでレディには感謝しねぇとな」
ちらと、上の方に見えるレディの部屋を見上げてから、ダンテとディーヴァは固く手を繋いだ。
「あ、ねえダンテ。帰ったらリンゴ剥いて!」
「おお!アレ、初めてにしてはけっこう上手く出来てただろ?次も頑張ってウサギにしてやるな」
「えー…アレで上手くなの?ダンテ、無理にウサギさんにしなくてもいいよ?普通に剥いてよ」
「む。ぜってぇ完璧にウサギリンゴ作れるようにしてやるから待ってろ!」
「はいはいガンバッテ」
期待はしません、というようにディーヴァは軽く受け流す。
そして、握ったダンテの手を引き寄せると、きゅっと強く、強く腕を絡ませるのだった。
「……ダンテ、ただいま」
「おかえり、ディーヴァ」
ちなみにダンテがその後ウサギリンゴを作れるようになったかを知るのは、ダンテとディーヴァのみ。
●あとがき
ムダに長いよ!そしてよくわからないよ!!
しかし、変な行動中のダンテを書くのは楽しかった。
反省はしている、しかし後悔はしていな(ry
たくさんガールズトークを繰り広げたパジャマパーティーを終えて、ディーヴァは既に就寝している。
ディーヴァはそこまで夜遅く起きていることができないらしくすぅすぅと寝入っていた。
まあ、病み上がりでもあるのだし、無理されてぶり返されてはかなわない。
レディはじっとその寝顔を観察してみた。
寝顔はかわいく、しかしその体は成熟した大人の女性に限りなく近いという少女とも女性とも呼べぬ見るものが見れば魅惑の果実。
その小さく白い手がベッドの端の空を掴もうと伸びている。
「ん…ダンテ…」
しばらく帰らないようなことを言ってはいたが、やはり寂しいのだろう、その口はダンテの名前を呼んでいた。
「まったく、しょうがないカップルだこと。
ディーヴァ、次に泊まりに来る時は普通の時が来てちょうだいね。その方がうれしいわ」
この分なら、明日には帰らせても平気そうだ。
少しはだけている掛布団をしっかりかけてやると、レディは窓際に近寄った。
ダンテに連絡をしようと、窓際に置いてある受話器を持ち上げる。
「電話する必要はなさそうね」
窓の外に見えた赤色に、レディはすぐに受話器を戻し、笑った。
***
レディのベッドから起き上がると、ベッドサイドの小さなテーブルにリンゴの乗った皿が置かれていた。
この部屋の住人であるレディはもうとっくに起きて、コーヒーを片手に雑誌に目を通している。
「起きたのね、おはようディーヴァ」
「おはよう。…ねえレディ、これは何?」
「さあ?リンゴの好きなディーヴァが早くよくなるように、赤い服のサンタが来たのかもしれないわね。
もうすぐクリスマスだしねぇ…」
そんな馬鹿な。
クリスマス当日でもないのにサンタクロースがディーヴァの元にやってくるわけがない。
「せっかくだしいただいたら?」と、クスクス笑うレディに訝し気にしながらもディーヴァは1つ食べながらじっとウサギリンゴを見つめた。
口に含めば大好きなリンゴのフルーティーな味と、シャクシャク響く軽やかな咀嚼音。
そして、皿に乗っているのは歪な形のウサギリンゴのようなもの。
せっかく皮で作った耳は、そのほとんどがボロボロで今にも千切れてしまいそうだ。
こんなに下手な切り方をレディがするわけがない。
そういえば赤い服のサンタが…とか言っていなかっただろうか。
サンタクロースは元から赤い服だ。
赤い…服…。
「…あ」
これを作っただろう者のことを考えて食べると、この歪な形のウサギがとても愛しい存在に思えた。
リンゴを食べきったディーヴァは着替えを終えベッドメイキングもきっちり終えて、レディの元へ急いだ。
「レディ。泊めてくれてありがとう」
「…帰るのね?そうだと思って、ほら」
カーテンを開け、ディーヴァに地上を見せるレディ。
下には見慣れた赤い服がこっちを不安そうに見上げていた。
「ディーヴァのサンタが下で待ってるわ。昨日から、ね。愛の力とやらでここがわかったみたいよ」
「愛の力って…。ダンテらしいなぁ」
「行ってあげなさい。またいつでも泊まりに来てね、ディーヴァ」
「うん、本当にありがとう!」
軽くハグをかわし合うと、ディーヴァはいてもたってもいられない、という感じでレディの家を飛び出した。
エレベーターが来るのすら待てなかったか、息を切らして階段を駆け下りること数分。
「ダンテ!!」
そのまま勢いよくダンテの胸元へと吸い込まれるように、ディーヴァは飛び込んだ。
「おっと!!…ディーヴァ、オレ、」
「ううん、なんも言わないで……」
ダンテは何も悪くない。
謝罪をしてきそうなダンテの言葉を遮ってディーヴァはつづけた。
「ダンテにはいままでいっぱい我慢させちゃった、ごめんなさい。
あたし、もうちょっとダンテがしたいことについてお勉強する…」
ディーヴァはダンテがいままで我慢していることについて、少しずつ学び、譲歩していきたいと思ったのだ。
そういうことをするのは、まだとてもこわい。
だが、知らないのは時に罪だ。
こわいからこそ、少しずつ、少しずつ勉強するしかない。
「だから少しずつ、ダンテがあたしに教えて…」
「ディーヴァ…わかった、少しずつな」
ダンテはディーヴァの目線までしゃがむと、まるで壊れ物を扱うようにしてその体を抱きしめた。
「あ~…やっぱり落ち着く…」
「あたしもダンテが変なことしてこなければダンテの腕の中が一番落ち着くよ」
「おいおい、これからお勉強してくんだろ?ちょっとは慣れろって」
「それとこれとは別です~。
…さてと、せっかくレディのおかげで治った風邪がぶり返さないとも限らないし、帰ろっか」
「そうだな」
風邪から始まった今回のこの騒動…また風邪をひいて同じようなことが起こらないとも限らない。
早く帰った方がいいだろう。
「レディにたくさん迷惑かけちゃった。あとでお礼しないと」
「お前ら友人だろ?迷惑だとかは思ってないさ。でも…あとでレディには感謝しねぇとな」
ちらと、上の方に見えるレディの部屋を見上げてから、ダンテとディーヴァは固く手を繋いだ。
「あ、ねえダンテ。帰ったらリンゴ剥いて!」
「おお!アレ、初めてにしてはけっこう上手く出来てただろ?次も頑張ってウサギにしてやるな」
「えー…アレで上手くなの?ダンテ、無理にウサギさんにしなくてもいいよ?普通に剥いてよ」
「む。ぜってぇ完璧にウサギリンゴ作れるようにしてやるから待ってろ!」
「はいはいガンバッテ」
期待はしません、というようにディーヴァは軽く受け流す。
そして、握ったダンテの手を引き寄せると、きゅっと強く、強く腕を絡ませるのだった。
「……ダンテ、ただいま」
「おかえり、ディーヴァ」
ちなみにダンテがその後ウサギリンゴを作れるようになったかを知るのは、ダンテとディーヴァのみ。
●あとがき
ムダに長いよ!そしてよくわからないよ!!
しかし、変な行動中のダンテを書くのは楽しかった。
反省はしている、しかし後悔はしていな(ry