mission 20:a cold and spoiled child ~寝込んだ彼に優しくしよう~
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「……美味い」
今回ばかりはたとえディーヴァが作ったものといえど何も食べたくないし、食べられないと思っていたが、一口食べて素直にそう思えた。
腹が空腹を訴え始めていたから、というのもあるかもしれないが。
「食べられるならよかった」
「何のスープだ?」
ディーヴァが作って来たのは、とても小さく角切りにされたジャガイモ、人参、玉ねぎ、何かの肉、そしてキャベツがゴロゴロと入ったスープだった。
いつもならば食べただけで何の肉がわかるハズなのに、風邪で鼻もおかしくなっているのか食べてもあまりわからない。
「チキンスープだよ。風邪をひいた時はいつもママがこれを作ってくれたの。ママは更にお雑炊にしてくれたけど」
「雑炊?ああ…リゾットってことか。お前のお袋、日本出身だったな」
「ママの味ほど美味しくできないのが悩みだよ。シンプルな味付けだからこそ、難しかったぁ…」
ダンテの具合が悪くならないよう、浮いてきた鶏肉の脂を丁寧に掬い取っているのかすっきりした滋養のある味わい。
一生懸命料理しているディーヴァの姿が目に浮かぶ。
「オレはディーヴァの作る、この味が好きだぜ。ごっそーさん」
「どういたしまして。さあ次はお薬だね」
綺麗に飲み干したダンテが皿を返すと、代わりに渡された錠剤とコップの水。
豆粒にも似た3錠ほどのそれ。
ダンテは少し嫌そうに見つめてディーヴァに返し、目を閉じて口をパカッと開けた。
「…開いたその口はなに?」
「決まってるだろ。口移しとは言わないから、せめて飲ませてくれ」
「ほーんと、ダンテったら甘えんぼさんになっちゃったよね。はい、あーん」
ダンテの口から覗く舌の上に、ぽん、と薬を乗せるディーヴァ。
ぱくり。
乗せた瞬間、その口が閉じた。
「ちょ、ダンテ…!?」
痛くない程度に指の第一関節を噛んで離さない。
ダンテはそのまま指を舐め回した。
いつも舌同士で感じているダンテの舌先が、指の腹を刺激していく。
風邪のせいでいつもより熱い舌が、指先から全身に広がり、甘美にとろけるような快感を生んだ。
指を舐められるだけで、どうしてこんなにも気持ちが昂るのかわからない。
甘く吐息が出てきてしまいそうだ。
感じているのがダンテにばれるのが、なぜだかとても恐ろしい気がするのだ。
「や、やめて、ダンテ!」
「んー、もうひょぃはへ(もうちょいだけ)」
「~~~~っ」
本当はこの快感をもっと感じていたいが、ここは心を強く保たなくてはいけない。
でないとダンテのいいように流されてしまう。
「ダ~ン~テ~?風邪ひいてるの忘れてるの~?」
「忘れてない。ただ、お前の指で少し遊びたくなったんだよ」
「遊んでると、お薬溶けて苦くなっちゃうよ?」
ディーヴァが注意しようとも、ぴちゃぴちゃと水音をたてて舐め続けるダンテ。
表情はとても楽しそうだ。
だがディーヴァの言う通りになった。
舌の上で溶けた錠剤の味により、ダンテは顔を思いきりしかめる。
「うへぇ、にが…」
「ほら言わんこっちゃない」
ダンテが口を開けたその隙に、ディーヴァはダンテの口から指を出すことが出来たようだ。
ダンテはコップ一杯の水でも苦味がとれず、嫌な思いをするはめになった。
「ふぁ…
んー!」
食器片しや、もう一度熱を測ったりと慌ただしく看病をすると、時計の針も一番上に限りなく近い時間になってしまった。
ディーヴァは小さくあくびをもらすと、上に向かって手を伸ばし体をほぐした。
「お薬飲んだし、ダンテは休んだほうがいいね。他にしてほしいことってある?」
「そうだな…特には思いつかない。今日はもう寝ろ」
ディーヴァの就寝時間は早い。
出会った頃から考えれば少し遅くなったかもしれないが、ダンテからすればとても早い。
わずかに船を漕ぐディーヴァの体。
「お前、すっごく眠そうだぞ」
「うん、眠いよ。
…でもダンテが心配なの。あたしが寝てる間に何かあったらとか、容態が急変しちゃったらとか…まだ何か出来ることがあるんじゃないかって思って……」
「それどんな重病人だよ。大丈夫に決まってるだろ?ほらほら、風邪がうつっから自分の部屋に行った行った!」
追い出すようにしてディーヴァの体をトンと叩く。
「う~…。何かあったら、大きな声を出すでも壁を叩くでも何でもいいから起こしてね?」
「わかってるって」
行くのを渋りながらダンテの部屋を後にするディーヴァの瞳は、最後まで不安そうに揺れていた。
今回ばかりはたとえディーヴァが作ったものといえど何も食べたくないし、食べられないと思っていたが、一口食べて素直にそう思えた。
腹が空腹を訴え始めていたから、というのもあるかもしれないが。
「食べられるならよかった」
「何のスープだ?」
ディーヴァが作って来たのは、とても小さく角切りにされたジャガイモ、人参、玉ねぎ、何かの肉、そしてキャベツがゴロゴロと入ったスープだった。
いつもならば食べただけで何の肉がわかるハズなのに、風邪で鼻もおかしくなっているのか食べてもあまりわからない。
「チキンスープだよ。風邪をひいた時はいつもママがこれを作ってくれたの。ママは更にお雑炊にしてくれたけど」
「雑炊?ああ…リゾットってことか。お前のお袋、日本出身だったな」
「ママの味ほど美味しくできないのが悩みだよ。シンプルな味付けだからこそ、難しかったぁ…」
ダンテの具合が悪くならないよう、浮いてきた鶏肉の脂を丁寧に掬い取っているのかすっきりした滋養のある味わい。
一生懸命料理しているディーヴァの姿が目に浮かぶ。
「オレはディーヴァの作る、この味が好きだぜ。ごっそーさん」
「どういたしまして。さあ次はお薬だね」
綺麗に飲み干したダンテが皿を返すと、代わりに渡された錠剤とコップの水。
豆粒にも似た3錠ほどのそれ。
ダンテは少し嫌そうに見つめてディーヴァに返し、目を閉じて口をパカッと開けた。
「…開いたその口はなに?」
「決まってるだろ。口移しとは言わないから、せめて飲ませてくれ」
「ほーんと、ダンテったら甘えんぼさんになっちゃったよね。はい、あーん」
ダンテの口から覗く舌の上に、ぽん、と薬を乗せるディーヴァ。
ぱくり。
乗せた瞬間、その口が閉じた。
「ちょ、ダンテ…!?」
痛くない程度に指の第一関節を噛んで離さない。
ダンテはそのまま指を舐め回した。
いつも舌同士で感じているダンテの舌先が、指の腹を刺激していく。
風邪のせいでいつもより熱い舌が、指先から全身に広がり、甘美にとろけるような快感を生んだ。
指を舐められるだけで、どうしてこんなにも気持ちが昂るのかわからない。
甘く吐息が出てきてしまいそうだ。
感じているのがダンテにばれるのが、なぜだかとても恐ろしい気がするのだ。
「や、やめて、ダンテ!」
「んー、もうひょぃはへ(もうちょいだけ)」
「~~~~っ」
本当はこの快感をもっと感じていたいが、ここは心を強く保たなくてはいけない。
でないとダンテのいいように流されてしまう。
「ダ~ン~テ~?風邪ひいてるの忘れてるの~?」
「忘れてない。ただ、お前の指で少し遊びたくなったんだよ」
「遊んでると、お薬溶けて苦くなっちゃうよ?」
ディーヴァが注意しようとも、ぴちゃぴちゃと水音をたてて舐め続けるダンテ。
表情はとても楽しそうだ。
だがディーヴァの言う通りになった。
舌の上で溶けた錠剤の味により、ダンテは顔を思いきりしかめる。
「うへぇ、にが…」
「ほら言わんこっちゃない」
ダンテが口を開けたその隙に、ディーヴァはダンテの口から指を出すことが出来たようだ。
ダンテはコップ一杯の水でも苦味がとれず、嫌な思いをするはめになった。
「ふぁ…
んー!」
食器片しや、もう一度熱を測ったりと慌ただしく看病をすると、時計の針も一番上に限りなく近い時間になってしまった。
ディーヴァは小さくあくびをもらすと、上に向かって手を伸ばし体をほぐした。
「お薬飲んだし、ダンテは休んだほうがいいね。他にしてほしいことってある?」
「そうだな…特には思いつかない。今日はもう寝ろ」
ディーヴァの就寝時間は早い。
出会った頃から考えれば少し遅くなったかもしれないが、ダンテからすればとても早い。
わずかに船を漕ぐディーヴァの体。
「お前、すっごく眠そうだぞ」
「うん、眠いよ。
…でもダンテが心配なの。あたしが寝てる間に何かあったらとか、容態が急変しちゃったらとか…まだ何か出来ることがあるんじゃないかって思って……」
「それどんな重病人だよ。大丈夫に決まってるだろ?ほらほら、風邪がうつっから自分の部屋に行った行った!」
追い出すようにしてディーヴァの体をトンと叩く。
「う~…。何かあったら、大きな声を出すでも壁を叩くでも何でもいいから起こしてね?」
「わかってるって」
行くのを渋りながらダンテの部屋を後にするディーヴァの瞳は、最後まで不安そうに揺れていた。