mission 20:a cold and spoiled child ~寝込んだ彼に優しくしよう~
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暖炉の火がパチパチと火の粉を撒き上げ爆ぜる。
暖炉前のカーペットに座り込むディーヴァは、傍らに控えるケルベロスをゆっくりと撫で、その火を瞳に映していた。
「ダンテ遅い…大丈夫かなぁ」
「そう心配するな、ダンテを信じてやれ」
「うーん、そうなんだけどさぁ~…」
と、ブロロロロというダンテのバイクの音が、寒く暗い夜の空気を切り裂いて響き、近づいてきた。
「そぅら、帰ってきた」
「そうみたいだね、よかったぁ…」
ほっと胸を撫で下ろし、外へ迎えに出る。
そのあとにはケルベロスも続いた。
バイクを停めてこちらに向かってゆっくりと歩いてくるダンテ。
駐車スペースには街灯がなく、暗くてよく見えないがダンテが帰ってきたというのは一目瞭然。
ディーヴァは嬉しくてたまらないのか、笑顔でダンテを迎えた。
「ダンテお帰り!」
「ああ、ただいま…ディーヴァ」
声音がひどく震えているように聞こえた。
「…ダンテ?」
どうしたの?
そう聞こうとした瞬間だった。
ぐらり、ダンテの体がディーヴァの方へ覆い被さるように傾いてきた。
「え?ダンテ、ちょ、ちょちょちょっ!!」
「ダンテ!帰って早々にいきなりディーヴァを襲うとは何事か!」
受け止めるも何もする間もなく、下敷きになるディーヴァ。
だがケルベロスが急いで間に入ったことで、なんとか潰されずにすんだようだった。
「ひゃっ冷たっ…!」
ポタリ…。
顔に雫が落ちてきて初めてディーヴァはダンテが全身濡れ鼠状態だと気がついた。
「びしょ濡れじゃない!…って!なにこれ!?」
それだけではない。
触れたダンテの体は、まるで氷のように冷えきっていた。
いつもの熱いくらいにあたたかいダンテの体温が、今は微塵も感じられなかった。
「と、とにかく早く拭いてあたためないと…!ケル、何か拭くものもってきて!」
「承知!」
ダンテの体がブルブル震えているのもわかった。
ディーヴァはケルベロスにタオル類をまかせ、ダンテに手を貸して急いで歩かせた。
「悪いな、ディーヴァ…」
「いいのよ。それより、ダンテしっかり!」
あたたかい暖炉の前に座らせると、本当に全身がずぶ濡れだとわかる。
カーペットもびしょびしょになってしまうほどで、今なら軽く摘まんだだけで水が搾れそうだ。
「ディーヴァ、タオルを持ってきたぞ」
「ありがと、ケル」
ケルからたくさんのタオルを受け取り、ダンテの様子をチラと見る。
顔色が真っ白…いや真っ青で、唇が紫色に変色してしまっており、鼻水も垂れていた。
まずはびしょ濡れの服を脱がせた方が良さそうだ。
幸いここでよく昼寝をしたりもするため、体をすっぽり覆える毛布がある。
「ダンテ、手伝うからお洋服脱いで」
「珍しくディーヴァからイイことしてくれるのか。積極的な女は嫌いじゃねぇぜ?」
ガタガタ震えながらも、軽口は忘れないダンテ。
「はあ…冗談言ってる場合じゃないでしょ」
軽く睨みつけると、ダンテはいそいそと脱ぎ始めた。
肌に張り付いて脱ぎづらそうになった衣服については手伝ってやりながら聞く。
「一体何があったの?悪魔の技?」
「戦闘の最に氷の張った水ン中に落ちちまってな」
ズビー、と鼻を啜りながらダンテは乾いた笑いを溢してみせた。
「ハハハ、体にナイフを刺すような冷たさだったぜ」
「うわぁ…」
濡れた体や髪にタオルを当ててよく拭き取ってやるディーヴァは、顔をひきつらせることしかできなかった。
「ハ、ハ、ハ……ハーーーックッッション!!」
「あらら…」
ブルッと震えたダンテが大きなくしゃみをした。
体や髪の水分を取り乾かしたディーヴァは、急いでその体を暖めるべく傍らの毛布をダンテに巻き付けた。
「うぅ…風邪ひいたかもな」
落ち込んだ様子でダンテが漏らす。
その声はひどく掠れていた。
「半魔でも風邪ひくんだな」
ケルが珍しいものでも見るようにそう呟いている。
「そりゃあ、半分は人間だもの。当たり前だと思う」
「滅多にひかねぇけどな」
ディーヴァは苦笑を漏らすと「あ、」と何か思い立ったようで腕をダンテに差し出した。
「ダンテ、あたしの血いる?」
「いい。今はキスで力を貰おうが、血で回復させて貰おうが治らなそうだ…」
「そう…わかった」
風邪は天使の力や血では治らないだろうとのこと。
ディーヴァは残念そうに腕を下ろした。
「まぁ、どうせ微熱くらいだろ。
風邪ひくっていってもだいたいはいつも微熱程度だからな、すぐ治すから心配するなって」
「…そう?まぁ、ダンテの体だしね、ダンテが言うならそうなのかも」
「ああ、それより何かあったかいもの淹れてきてくれるか?喉が渇いちまってな」
「うん、ちょっと待ってね」
体のことは他人より本人のがわかるだろう。
ディーヴァはダンテご所望のあたたかい飲み物の準備のため、一度ダンテから離れた。
暖炉前のカーペットに座り込むディーヴァは、傍らに控えるケルベロスをゆっくりと撫で、その火を瞳に映していた。
「ダンテ遅い…大丈夫かなぁ」
「そう心配するな、ダンテを信じてやれ」
「うーん、そうなんだけどさぁ~…」
と、ブロロロロというダンテのバイクの音が、寒く暗い夜の空気を切り裂いて響き、近づいてきた。
「そぅら、帰ってきた」
「そうみたいだね、よかったぁ…」
ほっと胸を撫で下ろし、外へ迎えに出る。
そのあとにはケルベロスも続いた。
バイクを停めてこちらに向かってゆっくりと歩いてくるダンテ。
駐車スペースには街灯がなく、暗くてよく見えないがダンテが帰ってきたというのは一目瞭然。
ディーヴァは嬉しくてたまらないのか、笑顔でダンテを迎えた。
「ダンテお帰り!」
「ああ、ただいま…ディーヴァ」
声音がひどく震えているように聞こえた。
「…ダンテ?」
どうしたの?
そう聞こうとした瞬間だった。
ぐらり、ダンテの体がディーヴァの方へ覆い被さるように傾いてきた。
「え?ダンテ、ちょ、ちょちょちょっ!!」
「ダンテ!帰って早々にいきなりディーヴァを襲うとは何事か!」
受け止めるも何もする間もなく、下敷きになるディーヴァ。
だがケルベロスが急いで間に入ったことで、なんとか潰されずにすんだようだった。
「ひゃっ冷たっ…!」
ポタリ…。
顔に雫が落ちてきて初めてディーヴァはダンテが全身濡れ鼠状態だと気がついた。
「びしょ濡れじゃない!…って!なにこれ!?」
それだけではない。
触れたダンテの体は、まるで氷のように冷えきっていた。
いつもの熱いくらいにあたたかいダンテの体温が、今は微塵も感じられなかった。
「と、とにかく早く拭いてあたためないと…!ケル、何か拭くものもってきて!」
「承知!」
ダンテの体がブルブル震えているのもわかった。
ディーヴァはケルベロスにタオル類をまかせ、ダンテに手を貸して急いで歩かせた。
「悪いな、ディーヴァ…」
「いいのよ。それより、ダンテしっかり!」
あたたかい暖炉の前に座らせると、本当に全身がずぶ濡れだとわかる。
カーペットもびしょびしょになってしまうほどで、今なら軽く摘まんだだけで水が搾れそうだ。
「ディーヴァ、タオルを持ってきたぞ」
「ありがと、ケル」
ケルからたくさんのタオルを受け取り、ダンテの様子をチラと見る。
顔色が真っ白…いや真っ青で、唇が紫色に変色してしまっており、鼻水も垂れていた。
まずはびしょ濡れの服を脱がせた方が良さそうだ。
幸いここでよく昼寝をしたりもするため、体をすっぽり覆える毛布がある。
「ダンテ、手伝うからお洋服脱いで」
「珍しくディーヴァからイイことしてくれるのか。積極的な女は嫌いじゃねぇぜ?」
ガタガタ震えながらも、軽口は忘れないダンテ。
「はあ…冗談言ってる場合じゃないでしょ」
軽く睨みつけると、ダンテはいそいそと脱ぎ始めた。
肌に張り付いて脱ぎづらそうになった衣服については手伝ってやりながら聞く。
「一体何があったの?悪魔の技?」
「戦闘の最に氷の張った水ン中に落ちちまってな」
ズビー、と鼻を啜りながらダンテは乾いた笑いを溢してみせた。
「ハハハ、体にナイフを刺すような冷たさだったぜ」
「うわぁ…」
濡れた体や髪にタオルを当ててよく拭き取ってやるディーヴァは、顔をひきつらせることしかできなかった。
「ハ、ハ、ハ……ハーーーックッッション!!」
「あらら…」
ブルッと震えたダンテが大きなくしゃみをした。
体や髪の水分を取り乾かしたディーヴァは、急いでその体を暖めるべく傍らの毛布をダンテに巻き付けた。
「うぅ…風邪ひいたかもな」
落ち込んだ様子でダンテが漏らす。
その声はひどく掠れていた。
「半魔でも風邪ひくんだな」
ケルが珍しいものでも見るようにそう呟いている。
「そりゃあ、半分は人間だもの。当たり前だと思う」
「滅多にひかねぇけどな」
ディーヴァは苦笑を漏らすと「あ、」と何か思い立ったようで腕をダンテに差し出した。
「ダンテ、あたしの血いる?」
「いい。今はキスで力を貰おうが、血で回復させて貰おうが治らなそうだ…」
「そう…わかった」
風邪は天使の力や血では治らないだろうとのこと。
ディーヴァは残念そうに腕を下ろした。
「まぁ、どうせ微熱くらいだろ。
風邪ひくっていってもだいたいはいつも微熱程度だからな、すぐ治すから心配するなって」
「…そう?まぁ、ダンテの体だしね、ダンテが言うならそうなのかも」
「ああ、それより何かあったかいもの淹れてきてくれるか?喉が渇いちまってな」
「うん、ちょっと待ってね」
体のことは他人より本人のがわかるだろう。
ディーヴァはダンテご所望のあたたかい飲み物の準備のため、一度ダンテから離れた。