mission 20:a cold and spoiled child ~寝込んだ彼に優しくしよう~
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キィンッ!!
甲高い金属音があたりに響いた。
ダンテのリベリオンの銀に輝く刀身と激しくぶつかるのは、鋭く長い刃のような悪魔の爪だ。
相手は先にディーヴァが『コモドトカゲみたい』などと称した悪魔と同じ、ハ虫類型の悪魔である。
その群れを殲滅することこそ、今回の依頼だった。
「ケェェェェッ!」
砂塵を巻き上げながら肉薄する悪魔が振るう爪を、剣で受け止める度何度も火花が散る。
国立公園で相手にした個体よりも確実に強いとは思う。
最近悪魔の活動区域が広がり、またその力もより強力になってきている気がするのは気のせいだろうか。
とはいっても、未だダンテの強さの前には赤子同然なレベルの悪魔である。
それより…。
ダンテは思った。
山の中で戦闘を繰り広げ、より戦いやすそうなひらけた場所を探し誘導しつつ、だ。
「はぁ…どうやったらこいつらをビッグフットと間違えるのか聞いてみてぇな」
依頼者である木こりは、これをビッグフットと間違えたのだという。
これがどでかい狼や熊の姿をした悪魔ならばわかるが、この悪魔は毛むくじゃらでもないし、ハ虫類特有の滑らかで気色の悪い緑の鱗に覆われているのだ。
と、考え事をしていたら悪魔の攻撃がコートの端を薙いだ。
「ぅおっと!一張羅を傷つけさせるわけにはいかねぇ」
度重なる悪魔との戦闘でダンテが無茶をするため、すぐにボロボロになる。
だが、ダンテのトレードマークたる赤いコートは同じものを多数所持させるというディーヴァの徹底ぶりのためか、あまり心配しないで戦いに専念できる。
できる、のだが…。
こういったコートはとにかく値が張る。
最近はなるべく傷をつけないように心がけていたのだ。
わずかながら千切れるそれを視界の端にとらえ、ダンテは凶悪な笑みを浮かべて悪魔を見据えた。
「…やるな。近ごろ歯応えのある奴がいなかったんだ。てめぇらにはたっぷり遊びに付き合ってもらうぜ」
そこそこの強さを持つだけではない。
その群れは次から次に数を為し、相手にはことかかない。
そして逃げ足も速いのか、ちょこまかとこちらの弾丸は避けまくる始末。
…しばらく退屈はしなさそうだ。
戦いながら山を駆け抜けると、突如まわりに乱立する木々が終わり、開けた場所にでた。
そこは氷の張った美しい湖。
「ふぅん?綺麗なレイクビューだな。ディーヴァが喜びそうだな…っと!」
氷の張る湖に嬉々として飛び出すダンテ。
ツルツル滑る湖面が楽しい。
「ふっ…天然のスケート会場だな」
スケートブーツもなし、整備されてもいないただのボコボコの氷だが、ダンテにかかればなんのその。
スィー……ギュルギュルギュルンッッ!…スタッ!!
見事に滑り、ジャンプして三回転半は回ったろう…トリプルアクセルということか。
さすがは半分悪魔、オリンピック優勝間違いなし。
だが、ダンテはそのような名誉にも興味がなく、あるとすればディーヴァと滑りたい、という思いだけ。
ディーヴァもフィギュアスケートは出来るだろうか。
出来るのならば、共にシンクロしたり、ディーヴァをリフトして滑りたいものである。
悪魔達は氷に覆われた湖に一瞬だけ躊躇し、一匹がダンテを追うために飛び出す。
一匹が来ればあとは流れるように続くだけ。
最初はつるつる滑り転んで情けない姿を晒していたが、足の爪にスパイクシューズの役割をさせるという頭の良さを身につけた。
たちまちダンテは取り囲まれた。
「やれやれ、せっかく遊んでたってのに」
悪魔の真似か、ダンテ自身もリベリオンからベオウルフに装備をかえ、具足の爪を氷の湖面に立ててみせた。
ダンテが指でクイクイッと手招きすると、威嚇状態にあった悪魔が大きな咆哮をあげ地を蹴る。
ダンテも同様に足もとを蹴った。
ピシ…。
小さな小さなヒビが湖面に走った。
「くらえっ!!」
「ギィィィィィッッ!」
激しいダンテの攻撃が悪魔をボコボコに伸しまくる。
パキパキパキ。
湖面に勢いよく落ちて、断末魔をあげてもがく悪魔が消えたそこにもヒビ。
最初のヒビにはいまや、大きな亀裂がいくつもはいっておりまるで針水晶のようだった。
その間にもダンテは悪魔を倒していく。
残り数匹、その頃にはかなりの亀裂が入っていたがダンテは戦いに夢中で気がつかなかった。
「トドメだ、くたばっちまぃな!」
光を手に収集し、一気に湖面へと叩きつける。
ヴォルケイノ、とよばれるその技の衝撃波は凄まじく残りの悪魔を跡形もなく吹き飛ばした。
しかし、ダンテが思いきり手を叩きつけたことによって、足場も無事では済まなかった。
バキィッ!
「おわ゙っ!?」
とびあがる暇もなく、魔人化を…などと考える暇もなく、ダンテは割れた氷の真下に落ちた。
上がる水飛沫。
まだ季節的に真冬とは言わなくても、ここは山奥であり湖に分厚い氷がはるほどの寒さ。
水…いや、氷水はものすごい冷たさであり、体をナイフで刺すようだった。
「い゙っっっでぇぇぇえ!!…つーか寒っ!?」
急いで上がったダンテはそう叫び、濡れた体に当たる風の冷たさに凍えた。
最後の最後にこれとは……まったく、今日はツイてない。
甲高い金属音があたりに響いた。
ダンテのリベリオンの銀に輝く刀身と激しくぶつかるのは、鋭く長い刃のような悪魔の爪だ。
相手は先にディーヴァが『コモドトカゲみたい』などと称した悪魔と同じ、ハ虫類型の悪魔である。
その群れを殲滅することこそ、今回の依頼だった。
「ケェェェェッ!」
砂塵を巻き上げながら肉薄する悪魔が振るう爪を、剣で受け止める度何度も火花が散る。
国立公園で相手にした個体よりも確実に強いとは思う。
最近悪魔の活動区域が広がり、またその力もより強力になってきている気がするのは気のせいだろうか。
とはいっても、未だダンテの強さの前には赤子同然なレベルの悪魔である。
それより…。
ダンテは思った。
山の中で戦闘を繰り広げ、より戦いやすそうなひらけた場所を探し誘導しつつ、だ。
「はぁ…どうやったらこいつらをビッグフットと間違えるのか聞いてみてぇな」
依頼者である木こりは、これをビッグフットと間違えたのだという。
これがどでかい狼や熊の姿をした悪魔ならばわかるが、この悪魔は毛むくじゃらでもないし、ハ虫類特有の滑らかで気色の悪い緑の鱗に覆われているのだ。
と、考え事をしていたら悪魔の攻撃がコートの端を薙いだ。
「ぅおっと!一張羅を傷つけさせるわけにはいかねぇ」
度重なる悪魔との戦闘でダンテが無茶をするため、すぐにボロボロになる。
だが、ダンテのトレードマークたる赤いコートは同じものを多数所持させるというディーヴァの徹底ぶりのためか、あまり心配しないで戦いに専念できる。
できる、のだが…。
こういったコートはとにかく値が張る。
最近はなるべく傷をつけないように心がけていたのだ。
わずかながら千切れるそれを視界の端にとらえ、ダンテは凶悪な笑みを浮かべて悪魔を見据えた。
「…やるな。近ごろ歯応えのある奴がいなかったんだ。てめぇらにはたっぷり遊びに付き合ってもらうぜ」
そこそこの強さを持つだけではない。
その群れは次から次に数を為し、相手にはことかかない。
そして逃げ足も速いのか、ちょこまかとこちらの弾丸は避けまくる始末。
…しばらく退屈はしなさそうだ。
戦いながら山を駆け抜けると、突如まわりに乱立する木々が終わり、開けた場所にでた。
そこは氷の張った美しい湖。
「ふぅん?綺麗なレイクビューだな。ディーヴァが喜びそうだな…っと!」
氷の張る湖に嬉々として飛び出すダンテ。
ツルツル滑る湖面が楽しい。
「ふっ…天然のスケート会場だな」
スケートブーツもなし、整備されてもいないただのボコボコの氷だが、ダンテにかかればなんのその。
スィー……ギュルギュルギュルンッッ!…スタッ!!
見事に滑り、ジャンプして三回転半は回ったろう…トリプルアクセルということか。
さすがは半分悪魔、オリンピック優勝間違いなし。
だが、ダンテはそのような名誉にも興味がなく、あるとすればディーヴァと滑りたい、という思いだけ。
ディーヴァもフィギュアスケートは出来るだろうか。
出来るのならば、共にシンクロしたり、ディーヴァをリフトして滑りたいものである。
悪魔達は氷に覆われた湖に一瞬だけ躊躇し、一匹がダンテを追うために飛び出す。
一匹が来ればあとは流れるように続くだけ。
最初はつるつる滑り転んで情けない姿を晒していたが、足の爪にスパイクシューズの役割をさせるという頭の良さを身につけた。
たちまちダンテは取り囲まれた。
「やれやれ、せっかく遊んでたってのに」
悪魔の真似か、ダンテ自身もリベリオンからベオウルフに装備をかえ、具足の爪を氷の湖面に立ててみせた。
ダンテが指でクイクイッと手招きすると、威嚇状態にあった悪魔が大きな咆哮をあげ地を蹴る。
ダンテも同様に足もとを蹴った。
ピシ…。
小さな小さなヒビが湖面に走った。
「くらえっ!!」
「ギィィィィィッッ!」
激しいダンテの攻撃が悪魔をボコボコに伸しまくる。
パキパキパキ。
湖面に勢いよく落ちて、断末魔をあげてもがく悪魔が消えたそこにもヒビ。
最初のヒビにはいまや、大きな亀裂がいくつもはいっておりまるで針水晶のようだった。
その間にもダンテは悪魔を倒していく。
残り数匹、その頃にはかなりの亀裂が入っていたがダンテは戦いに夢中で気がつかなかった。
「トドメだ、くたばっちまぃな!」
光を手に収集し、一気に湖面へと叩きつける。
ヴォルケイノ、とよばれるその技の衝撃波は凄まじく残りの悪魔を跡形もなく吹き飛ばした。
しかし、ダンテが思いきり手を叩きつけたことによって、足場も無事では済まなかった。
バキィッ!
「おわ゙っ!?」
とびあがる暇もなく、魔人化を…などと考える暇もなく、ダンテは割れた氷の真下に落ちた。
上がる水飛沫。
まだ季節的に真冬とは言わなくても、ここは山奥であり湖に分厚い氷がはるほどの寒さ。
水…いや、氷水はものすごい冷たさであり、体をナイフで刺すようだった。
「い゙っっっでぇぇぇえ!!…つーか寒っ!?」
急いで上がったダンテはそう叫び、濡れた体に当たる風の冷たさに凍えた。
最後の最後にこれとは……まったく、今日はツイてない。