mission 20:a cold and spoiled child ~寝込んだ彼に優しくしよう~
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冬の乾いた凩が吹く中、バイクのエンジンを噴かす音とガソリンを燃やす独特の香りが立ち込める。
次の日の朝、ディーヴァは依頼に出掛けるダンテを心配そうに見送っていた。
「無茶なことは控えてね」
「わかってるさ」
「あと、もっとあったかい格好しないと!ほら、マフラーと手袋も」
「はあ…いらねぇよ。オレが悪魔なのは知ってるだろ?」
「半分だけでしょ!せめてマフラーくらいはしていってよ」
その様子は恋人というより母親である。
「…しかたねぇな」
ディーヴァがバイクに跨がるダンテに近付き、その首にマフラーを巻いていく。
ダンテは巻き終わりにディーヴァに行ってきますのキス…にしては少々濃厚なものをしてみせた。
「~~~!?」
「…ん、はぁ…」
ちゅくちゅくと卑猥な音が耳に響く。
後頭部をしっかり押さえつけ舌を無理矢理捩じ込まれ、ダンテの舌の熱を移された。
気持ちよくなってきて溶けてしまいそうだ。
「ん、ふぁ、…」
「サンキュ、ディーヴァ」
腰が砕けそうになり、ようやく離れたダンテの唇。
…少しだけ名残惜しいという思いがディーヴァの頭をよぎる。
しかし、いくらスラム街と隣接しているとはいえここは往来の真ん中である。
ディーヴァはよぎった思いを隠しながら、非難じみた瞳をダンテに向けた。
「しやすそうな位置に顔があったもんでついな」
「はぁ…まあいいけどね」
ダンテは子どもにするように低い位置にあるディーヴァの頭をぐりぐりと撫でる。
「夜には帰れるはずだ、行ってくる」
「ん、行ってらっしゃい。気を付けて…」
「ディーヴァもな」
ブロロ…。
ダンテが乗るバイクがゆっくりと遠退いていく。
ディーヴァはダンテが最後の角を曲がるまで、しっかりと見送った。
***
ダンテが「ディーヴァもな」と言ったのはディーヴァには本日も仕事があるからだ。
昼前から夕方までのシフトであり、ランチタイムは混雑を極める。
ディーヴァはその忙しさに明け暮れ、ダンテのことを考える暇さえなかったのだが…。
ガチャン!!
「あっ!!」
客の入りがまばらになった昼下がり。
ディーヴァはお勤めを開始して、この日初めて食器を割った。
割ったことで店内に響きわたる音。
「失礼しました、申し訳ありません…!」
客はゼロなわけではないし、いくら厨房近くでの粗相で客に被害はなくとも、耳障りな音はその耳に入るだろう。
ディーヴァは客に一言謝罪の言葉を入れると、いそいそと片付けだした。
その後ろから、一組の会計をちょうどし終えたマスターが心配そうに声をかける。
「大丈夫かい?」
「はい。割ってしまってごめんなさい!」
「なーに、誰にでもあることさ」
「うぅぅ…ありがとうございます…」
マスターからしてもディーヴァはまだまだ子どものようなもの。
頭を数回撫で、一緒に片付けてくれた。
割れた食器はストロベリーサンデーを作るときによく使うパフェグラス。
つまり、パフェ関係のメニューがいまだに浸透していないこの店では、ダンテに使うことが圧倒的に多い。
ダンテに何かあったのじゃなかろうか。
「ダンテ…?」
なんだか胸騒ぎがした。
次の日の朝、ディーヴァは依頼に出掛けるダンテを心配そうに見送っていた。
「無茶なことは控えてね」
「わかってるさ」
「あと、もっとあったかい格好しないと!ほら、マフラーと手袋も」
「はあ…いらねぇよ。オレが悪魔なのは知ってるだろ?」
「半分だけでしょ!せめてマフラーくらいはしていってよ」
その様子は恋人というより母親である。
「…しかたねぇな」
ディーヴァがバイクに跨がるダンテに近付き、その首にマフラーを巻いていく。
ダンテは巻き終わりにディーヴァに行ってきますのキス…にしては少々濃厚なものをしてみせた。
「~~~!?」
「…ん、はぁ…」
ちゅくちゅくと卑猥な音が耳に響く。
後頭部をしっかり押さえつけ舌を無理矢理捩じ込まれ、ダンテの舌の熱を移された。
気持ちよくなってきて溶けてしまいそうだ。
「ん、ふぁ、…」
「サンキュ、ディーヴァ」
腰が砕けそうになり、ようやく離れたダンテの唇。
…少しだけ名残惜しいという思いがディーヴァの頭をよぎる。
しかし、いくらスラム街と隣接しているとはいえここは往来の真ん中である。
ディーヴァはよぎった思いを隠しながら、非難じみた瞳をダンテに向けた。
「しやすそうな位置に顔があったもんでついな」
「はぁ…まあいいけどね」
ダンテは子どもにするように低い位置にあるディーヴァの頭をぐりぐりと撫でる。
「夜には帰れるはずだ、行ってくる」
「ん、行ってらっしゃい。気を付けて…」
「ディーヴァもな」
ブロロ…。
ダンテが乗るバイクがゆっくりと遠退いていく。
ディーヴァはダンテが最後の角を曲がるまで、しっかりと見送った。
***
ダンテが「ディーヴァもな」と言ったのはディーヴァには本日も仕事があるからだ。
昼前から夕方までのシフトであり、ランチタイムは混雑を極める。
ディーヴァはその忙しさに明け暮れ、ダンテのことを考える暇さえなかったのだが…。
ガチャン!!
「あっ!!」
客の入りがまばらになった昼下がり。
ディーヴァはお勤めを開始して、この日初めて食器を割った。
割ったことで店内に響きわたる音。
「失礼しました、申し訳ありません…!」
客はゼロなわけではないし、いくら厨房近くでの粗相で客に被害はなくとも、耳障りな音はその耳に入るだろう。
ディーヴァは客に一言謝罪の言葉を入れると、いそいそと片付けだした。
その後ろから、一組の会計をちょうどし終えたマスターが心配そうに声をかける。
「大丈夫かい?」
「はい。割ってしまってごめんなさい!」
「なーに、誰にでもあることさ」
「うぅぅ…ありがとうございます…」
マスターからしてもディーヴァはまだまだ子どものようなもの。
頭を数回撫で、一緒に片付けてくれた。
割れた食器はストロベリーサンデーを作るときによく使うパフェグラス。
つまり、パフェ関係のメニューがいまだに浸透していないこの店では、ダンテに使うことが圧倒的に多い。
ダンテに何かあったのじゃなかろうか。
「ダンテ…?」
なんだか胸騒ぎがした。