mission 19:her wish, his feeling ~天使のおしごと~
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ダンテは屋敷に突入する前に、警察に連絡をいれていた。
あれだけ大量の写真やら何やらを所持しているのだ、あの男は今ごろ警察に逮捕されていることだろう。
あの場にとどまっていては事情聴取を受けてしまうし、ディーヴァは警察諸君に起こされ無理矢理にでも何があったのか聞き出されるだろう。
聞き出されて初めてディーヴァは何が起こったのかを知ることになる。
そんなことになっては、まだ何も知らずに眠ったままのディーヴァの心にいらぬ傷を穿つ。
ダンテは今回のことを、ディーヴァに教えたくなかった。
いらぬ情報は与えたくない。
ディーヴァにはまだ薄汚い世の中を見せたくない。
聞かせたくないし、触れさせたくない。
危ない目に合うというのは教えていても、実際に体験なぞさせたくない。
それは、目を覆い、耳を隠し、手足を拘束したとしてもなお、足りないくらいだ。
そして今。
帰宅したダンテは眠るディーヴァをベッドに運び、その様子を心配そうに見つめ続けていた。
「ディーヴァ…」
ダンテが名前を呼んでも、ディーヴァは深い眠りについており起きる気配はない。
相当強い睡眠薬を飲まされたようだ。
まるで眠り姫のように昏睡したままのディーヴァは、とても美しくて美術品のように飾っておきたい気分にもさせる。
あの男のように、余すところなく写真にして保存したい気持ちもわからないでもない。
だが、自然体のままの笑顔を自分に向けている時が一番美しいと、そう思う。
「早く起きろよ、ディーヴァ」
そっと頭を撫でるといつも通りの滑らかな髪が指をすり抜けていく。
髪も、体もまだ清いままだ。
だがあと少し、ダンテが数分遅れていたら、眠ったまま穢され、犯されるところだった。
ロリコン野郎なぞに大事なディーヴァを食われたとあっては、自分は悲しみと悔しさと憎しみのあまり、身に潜む悪魔に主導権を渡していただろう。
よかった。ホントによかった…。
ロリコン…少女趣味のことを言えばディーヴァは『もう少女じゃないもん!』と怒りそうだ。
想像したら少し笑みがこぼれた。
と、ピクリとディーヴァのまぶたが震えた。
「ディーヴァ!?」
続いて呻き声をあげながら、ゆっくりと双眸が開かれる。
「う、う~ん…頭痛い…」
見えたばかりのエメラルドはすぐにしかめられた。
頭に断続的にやってくる痛みと戦いつつ、むくりと起き上がるディーヴァ。
「ディーヴァ、やっと起きたか…心配したぞ」
ダンテはベッドの縁に座ってディーヴァの手をいたわるように握った。
「え、あれ…ダンテ?あたし、お屋敷の旦那様とお茶してて、あれれ?」
なぜここにダンテが。
だがよく見たら自分のいる場所は働かせていただいている屋敷ではなく、たまにしか寝ない自分のベッドの上だった。
「お前倒れたんだよ。頭痛いんだろ、ほら、薬と水だ」
「ありがと…」
渡されるまま、薬を水でコク、コク、と流し込んでいく。
水分を欲していたらしい体にしみわたる冷たい水はとても美味しい。
大粒の錠剤は中々入っていってくれないため水がたくさん必要だが、粉よりはましか。
飲みづらそうに四苦八苦して薬を飲み下すディーヴァを見ながら、ダンテが言う。
「あー…。ディーヴァ、仕事なんだけどな。もう来なくていいとさ」
「えっ!クビになったってこと?」
「まあ、…そうだな」
クビになったわけではないが、似たようなものか。
ダンテはそう言って誤魔化すことしかできなかった。
「倒れたりして迷惑かけちゃったから、なんだよね。どうしよう……」
しょんぼりと気落ちするディーヴァには悪いが、本当のことを言うわけにもいかない。
ダンテは頭を撫でて慰めることしかできなかった。
「お前は悪くない。もうメイドが必要なくなっただけだ」
「そうなの?…あ、でもそれは返さないと」
ベッドの縁に放り出されたメイド服のことを言っているらしい。
「もらっていいみたいだぜ」
「えっ?」
屋敷の主は警察に捕まり、返す場所はない。
それにこれだけ被害を被ったのだ、服くらいもらってもかまわないだろう。
もう一度ディーヴァのメイド服姿を拝みたい、とも思っていることだし。
ディーヴァのメイド服姿はとても綺麗で、だからこそ自分色に染めたくなる危うい美しさを秘めていた。
あの男でなくても性的興奮を覚えるほどに。
だが、神聖でかわいらしいダンテの心を癒す存在は、やはり穢してはならぬもの。
愛しいもの。
…守りたいものだ。
いつかはこういった衣装を着用してのそういうコトを体験する時が来るかもしれない。
けれど、それはディーヴァが怖がる今ではない。
まだまだ先の未来だ。
「薬を飲んだなら、今はゆっくり寝とけ」
「うん、おやすみダンテ」
再び横になるディーヴァにダンテは額へ小さなキスを落とすと、布団を胸元まで引き上げた。
そして静かな寝息が聞こえる頃、ダンテは「おやすみ」と小さく囁いた。
あれだけ大量の写真やら何やらを所持しているのだ、あの男は今ごろ警察に逮捕されていることだろう。
あの場にとどまっていては事情聴取を受けてしまうし、ディーヴァは警察諸君に起こされ無理矢理にでも何があったのか聞き出されるだろう。
聞き出されて初めてディーヴァは何が起こったのかを知ることになる。
そんなことになっては、まだ何も知らずに眠ったままのディーヴァの心にいらぬ傷を穿つ。
ダンテは今回のことを、ディーヴァに教えたくなかった。
いらぬ情報は与えたくない。
ディーヴァにはまだ薄汚い世の中を見せたくない。
聞かせたくないし、触れさせたくない。
危ない目に合うというのは教えていても、実際に体験なぞさせたくない。
それは、目を覆い、耳を隠し、手足を拘束したとしてもなお、足りないくらいだ。
そして今。
帰宅したダンテは眠るディーヴァをベッドに運び、その様子を心配そうに見つめ続けていた。
「ディーヴァ…」
ダンテが名前を呼んでも、ディーヴァは深い眠りについており起きる気配はない。
相当強い睡眠薬を飲まされたようだ。
まるで眠り姫のように昏睡したままのディーヴァは、とても美しくて美術品のように飾っておきたい気分にもさせる。
あの男のように、余すところなく写真にして保存したい気持ちもわからないでもない。
だが、自然体のままの笑顔を自分に向けている時が一番美しいと、そう思う。
「早く起きろよ、ディーヴァ」
そっと頭を撫でるといつも通りの滑らかな髪が指をすり抜けていく。
髪も、体もまだ清いままだ。
だがあと少し、ダンテが数分遅れていたら、眠ったまま穢され、犯されるところだった。
ロリコン野郎なぞに大事なディーヴァを食われたとあっては、自分は悲しみと悔しさと憎しみのあまり、身に潜む悪魔に主導権を渡していただろう。
よかった。ホントによかった…。
ロリコン…少女趣味のことを言えばディーヴァは『もう少女じゃないもん!』と怒りそうだ。
想像したら少し笑みがこぼれた。
と、ピクリとディーヴァのまぶたが震えた。
「ディーヴァ!?」
続いて呻き声をあげながら、ゆっくりと双眸が開かれる。
「う、う~ん…頭痛い…」
見えたばかりのエメラルドはすぐにしかめられた。
頭に断続的にやってくる痛みと戦いつつ、むくりと起き上がるディーヴァ。
「ディーヴァ、やっと起きたか…心配したぞ」
ダンテはベッドの縁に座ってディーヴァの手をいたわるように握った。
「え、あれ…ダンテ?あたし、お屋敷の旦那様とお茶してて、あれれ?」
なぜここにダンテが。
だがよく見たら自分のいる場所は働かせていただいている屋敷ではなく、たまにしか寝ない自分のベッドの上だった。
「お前倒れたんだよ。頭痛いんだろ、ほら、薬と水だ」
「ありがと…」
渡されるまま、薬を水でコク、コク、と流し込んでいく。
水分を欲していたらしい体にしみわたる冷たい水はとても美味しい。
大粒の錠剤は中々入っていってくれないため水がたくさん必要だが、粉よりはましか。
飲みづらそうに四苦八苦して薬を飲み下すディーヴァを見ながら、ダンテが言う。
「あー…。ディーヴァ、仕事なんだけどな。もう来なくていいとさ」
「えっ!クビになったってこと?」
「まあ、…そうだな」
クビになったわけではないが、似たようなものか。
ダンテはそう言って誤魔化すことしかできなかった。
「倒れたりして迷惑かけちゃったから、なんだよね。どうしよう……」
しょんぼりと気落ちするディーヴァには悪いが、本当のことを言うわけにもいかない。
ダンテは頭を撫でて慰めることしかできなかった。
「お前は悪くない。もうメイドが必要なくなっただけだ」
「そうなの?…あ、でもそれは返さないと」
ベッドの縁に放り出されたメイド服のことを言っているらしい。
「もらっていいみたいだぜ」
「えっ?」
屋敷の主は警察に捕まり、返す場所はない。
それにこれだけ被害を被ったのだ、服くらいもらってもかまわないだろう。
もう一度ディーヴァのメイド服姿を拝みたい、とも思っていることだし。
ディーヴァのメイド服姿はとても綺麗で、だからこそ自分色に染めたくなる危うい美しさを秘めていた。
あの男でなくても性的興奮を覚えるほどに。
だが、神聖でかわいらしいダンテの心を癒す存在は、やはり穢してはならぬもの。
愛しいもの。
…守りたいものだ。
いつかはこういった衣装を着用してのそういうコトを体験する時が来るかもしれない。
けれど、それはディーヴァが怖がる今ではない。
まだまだ先の未来だ。
「薬を飲んだなら、今はゆっくり寝とけ」
「うん、おやすみダンテ」
再び横になるディーヴァにダンテは額へ小さなキスを落とすと、布団を胸元まで引き上げた。
そして静かな寝息が聞こえる頃、ダンテは「おやすみ」と小さく囁いた。