mission 17:graduation and work ~将来の夢~
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ダンテ、しっかりして。……なんで目を覚まさないんだろ?」
傷は塞がっても、まだ目を覚まさないダンテ。
その顔は少し青ざめており、表情は苦しそうにも見える。
「十中八九あの歌のせいだろう、ディーヴァの血で起こしてやれ」
「…うん」
傍にあったダンテの武器、アグニとルドラの刀身で軽く腕を傷つけるディーヴァ。
ダンテのためだと思うと、自分を傷つけるのもいとわない。
「つぅ…!」
腕を伝う赤い液体。
こんなものが、悪魔にとってご馳走だとはいまだに不思議でならない。
床に流れ落ちる前に血液を口に含むと、直後広がる鉄錆をなめたような味。
その美味しくもない味に顔を歪ませながら、ディーヴァはダンテに顔を近づけた。
精巧な半魔の美しい顔。
わずかに開いている唇を食むように啄むと、中にドロリとした自身の血液を流し込んだ。
「…ん、」
ダンテの唇を味わうように、自らの熱を移すように唇を重ねる。
いつもは自分がキスを受け入れることの多いディーヴァにとって、この行為はなんだか不思議で、新鮮な気分だった。
何度目かの血の譲渡。
口に入りきらない血液が、唇から伝う。
それをこぼさぬように舐めとり、互いの唾液を交わすようにキスを送ると、血の香りだけではない何かで酔いそうだった。
「ンン……ふぅ、ァ…」
ダンテのようにものすごくキスが好き、というわけではないのだが、これはクセになりそうだ。
頭がクラクラする。
やはり血が一番治る、ということなのか、ダンテの頭を固定して血の香りのキスで息をきらせた頃には、ダンテの血色はもとに戻っていた。
「は、ぁ…」
吐息混じりに蕩けそうな顔をしたまま、ダンテからはなれるディーヴァ。
ケルベロスはその様子を呆れて見ていた。
「激しいな、まるでネヴァンの所業だったぞ」
「…言わないでよ、ケル」
先程は天使とかけはなれた、淫魔…ネヴァンと同種の悪魔のようにも見えた。
頬を染めて口を尖らすディーヴァは、先程までの女の顔をしていた人物と同じ人間には見えない。
「それより、お主を助けるためとはいえ本当にすまないことをした、ディーヴァ」
「あたしがケルを責めるわけにはいかないよ、ダンテが起きたら謝ってあげて」
ケルベロスもダンテを止めるためといえ、攻撃したことを反省している。
死ななかったのだから終わりよければすべてよし。
自分が怒ることではない。
ディーヴァは優しくケルベロスの頭を撫でた。
ディーヴァが見つめる先は苦しそうなそれから、幾分か楽な表情になったダンテの寝顔。
そろそろ起きるかもしれない。
ダンテの起きぬ内にと、彼をじっと見つめたまま、ディーヴァは言った。
「ケル、あたしね、これからのこと…今決めた。あとでダンテにお話してみる」
「そうか…」
これからのこと。
それについてはケルベロスもある程度わかっている。
人間社会の教育や仕事の制度については知りもしないが、ディーヴァは高校生というものを終わらせたのちの、自身の進む道についてひどく悩んでいたのだから。
傷は塞がっても、まだ目を覚まさないダンテ。
その顔は少し青ざめており、表情は苦しそうにも見える。
「十中八九あの歌のせいだろう、ディーヴァの血で起こしてやれ」
「…うん」
傍にあったダンテの武器、アグニとルドラの刀身で軽く腕を傷つけるディーヴァ。
ダンテのためだと思うと、自分を傷つけるのもいとわない。
「つぅ…!」
腕を伝う赤い液体。
こんなものが、悪魔にとってご馳走だとはいまだに不思議でならない。
床に流れ落ちる前に血液を口に含むと、直後広がる鉄錆をなめたような味。
その美味しくもない味に顔を歪ませながら、ディーヴァはダンテに顔を近づけた。
精巧な半魔の美しい顔。
わずかに開いている唇を食むように啄むと、中にドロリとした自身の血液を流し込んだ。
「…ん、」
ダンテの唇を味わうように、自らの熱を移すように唇を重ねる。
いつもは自分がキスを受け入れることの多いディーヴァにとって、この行為はなんだか不思議で、新鮮な気分だった。
何度目かの血の譲渡。
口に入りきらない血液が、唇から伝う。
それをこぼさぬように舐めとり、互いの唾液を交わすようにキスを送ると、血の香りだけではない何かで酔いそうだった。
「ンン……ふぅ、ァ…」
ダンテのようにものすごくキスが好き、というわけではないのだが、これはクセになりそうだ。
頭がクラクラする。
やはり血が一番治る、ということなのか、ダンテの頭を固定して血の香りのキスで息をきらせた頃には、ダンテの血色はもとに戻っていた。
「は、ぁ…」
吐息混じりに蕩けそうな顔をしたまま、ダンテからはなれるディーヴァ。
ケルベロスはその様子を呆れて見ていた。
「激しいな、まるでネヴァンの所業だったぞ」
「…言わないでよ、ケル」
先程は天使とかけはなれた、淫魔…ネヴァンと同種の悪魔のようにも見えた。
頬を染めて口を尖らすディーヴァは、先程までの女の顔をしていた人物と同じ人間には見えない。
「それより、お主を助けるためとはいえ本当にすまないことをした、ディーヴァ」
「あたしがケルを責めるわけにはいかないよ、ダンテが起きたら謝ってあげて」
ケルベロスもダンテを止めるためといえ、攻撃したことを反省している。
死ななかったのだから終わりよければすべてよし。
自分が怒ることではない。
ディーヴァは優しくケルベロスの頭を撫でた。
ディーヴァが見つめる先は苦しそうなそれから、幾分か楽な表情になったダンテの寝顔。
そろそろ起きるかもしれない。
ダンテの起きぬ内にと、彼をじっと見つめたまま、ディーヴァは言った。
「ケル、あたしね、これからのこと…今決めた。あとでダンテにお話してみる」
「そうか…」
これからのこと。
それについてはケルベロスもある程度わかっている。
人間社会の教育や仕事の制度については知りもしないが、ディーヴァは高校生というものを終わらせたのちの、自身の進む道についてひどく悩んでいたのだから。