mission 17:graduation and work ~将来の夢~
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危険を予測したか、さらにセイレーンの歌声の曲調がガラリと変わる。
「さっきよりはオレ好みだな!」
それはダンテにとって慣れ親しんだロックに近い激しさ。
衝撃波すら発生するその歌声を避け、ダンテは海上の敵を斬らんと飛んだ。
が、グラっと視界、そして脳が突如揺れる。
「っ!?」
な、んだ…?
視界が黒く染まる。
耳の奥から、脳の奥底から声が響く。
『――そこの女を殺せ――』
「…ぐッ!?」
これは暗示だ。
ダンテという半魔に向けられた、セイレーンの魔術による暗示だ。
わかっている。
わかってはいるのに、抗えない。
声を聞かなければ、声を耳にしなければいいのだと、そう思った時には遅かった。
ダンテは海面から踵を返し方向転換。
大きな音をたて着地し、船上に戻ってきた。
「…ダンテ?ど、どうしたの……?」
悪魔を退治するため意気込んでいたはずのダンテがいきなり戻った。
そのおかしな行動に、ディーヴァは不思議そうに首を傾げる。
逆光なため、その暗く光のない目には気がつかない。
伸ばされた手をとろうとするもその手は空をきり、ディーヴァの首へと吸い込まれた。
「え…?」
伸びてきた両手にすっぽり覆われる細く小さなディーヴァの首。
そこへダンテの力がゆっくりと加えられた。
「う、ぐっ……ダ、ンテ…ッな、にを……」
目の光のないダンテが、自分を殺そうと危害を加えている。
ダンテの力なら一瞬で自分の首をへし折れるだろう。
それがされないのはダンテがただ単に操られているからであり、ダンテが意識の水面下で抗っているからに他ならない。
現に、ダンテからは殺意はまったく感じなかった。
それでも苦しいことに変わりない。
それ以上の侵食は許さないといわんばかりに、ディーヴァはダンテの手に爪を立てた。
顔を歪ませ、息を切らせてダンテに呼び掛ける。
「ダン、テってば!あたしが…わか、…んないっ…?」
ディーヴァは無意識の内に、結界の衝撃でダンテの力を防いだ。
パチッ…バチバチバチッ!!
小さく、しかし確かな電流のような痛み。
その僅かな痛みでダンテはハッと我に返った。
「…っ!?……ディーヴァ、?」
「ハァッ、ゲホッ!、よか、った…ダンテ……」
離れていったダンテの手によって、酸素が急に取り込まれる。
ディーヴァは咳き込みながら、ダンテの胸目掛けて抱きついた。
「ディーヴァ、オレ、ごめ……」
その頭に手をおいて自分も抱き締めようと、謝る矢先だった。
再びキィンという耳鳴りと共に頭の中に流される、大音量の歌声。
「ぐ、ああぁ、また歌が……」
「歌?あの歌のせい…?」
ディーヴァが船上から睨むセイレーン達は、ニヤリと笑みを浮かべた気がする。
「ぐっ、オレから離れてろディーヴァ!」
片手で頭を押さえ、突き放そうとするも、その体をディーヴァは決して離そうとしなかった。
「そんなことできない!ダンテ、あたしの目をちゃんと見て!」
「…ディーヴァ……」
吸い込まれそうなエメラルドの瞳が、自分の姿を映していた。
「さっきよりはオレ好みだな!」
それはダンテにとって慣れ親しんだロックに近い激しさ。
衝撃波すら発生するその歌声を避け、ダンテは海上の敵を斬らんと飛んだ。
が、グラっと視界、そして脳が突如揺れる。
「っ!?」
な、んだ…?
視界が黒く染まる。
耳の奥から、脳の奥底から声が響く。
『――そこの女を殺せ――』
「…ぐッ!?」
これは暗示だ。
ダンテという半魔に向けられた、セイレーンの魔術による暗示だ。
わかっている。
わかってはいるのに、抗えない。
声を聞かなければ、声を耳にしなければいいのだと、そう思った時には遅かった。
ダンテは海面から踵を返し方向転換。
大きな音をたて着地し、船上に戻ってきた。
「…ダンテ?ど、どうしたの……?」
悪魔を退治するため意気込んでいたはずのダンテがいきなり戻った。
そのおかしな行動に、ディーヴァは不思議そうに首を傾げる。
逆光なため、その暗く光のない目には気がつかない。
伸ばされた手をとろうとするもその手は空をきり、ディーヴァの首へと吸い込まれた。
「え…?」
伸びてきた両手にすっぽり覆われる細く小さなディーヴァの首。
そこへダンテの力がゆっくりと加えられた。
「う、ぐっ……ダ、ンテ…ッな、にを……」
目の光のないダンテが、自分を殺そうと危害を加えている。
ダンテの力なら一瞬で自分の首をへし折れるだろう。
それがされないのはダンテがただ単に操られているからであり、ダンテが意識の水面下で抗っているからに他ならない。
現に、ダンテからは殺意はまったく感じなかった。
それでも苦しいことに変わりない。
それ以上の侵食は許さないといわんばかりに、ディーヴァはダンテの手に爪を立てた。
顔を歪ませ、息を切らせてダンテに呼び掛ける。
「ダン、テってば!あたしが…わか、…んないっ…?」
ディーヴァは無意識の内に、結界の衝撃でダンテの力を防いだ。
パチッ…バチバチバチッ!!
小さく、しかし確かな電流のような痛み。
その僅かな痛みでダンテはハッと我に返った。
「…っ!?……ディーヴァ、?」
「ハァッ、ゲホッ!、よか、った…ダンテ……」
離れていったダンテの手によって、酸素が急に取り込まれる。
ディーヴァは咳き込みながら、ダンテの胸目掛けて抱きついた。
「ディーヴァ、オレ、ごめ……」
その頭に手をおいて自分も抱き締めようと、謝る矢先だった。
再びキィンという耳鳴りと共に頭の中に流される、大音量の歌声。
「ぐ、ああぁ、また歌が……」
「歌?あの歌のせい…?」
ディーヴァが船上から睨むセイレーン達は、ニヤリと笑みを浮かべた気がする。
「ぐっ、オレから離れてろディーヴァ!」
片手で頭を押さえ、突き放そうとするも、その体をディーヴァは決して離そうとしなかった。
「そんなことできない!ダンテ、あたしの目をちゃんと見て!」
「…ディーヴァ……」
吸い込まれそうなエメラルドの瞳が、自分の姿を映していた。