mission 17:graduation and work ~将来の夢~
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『~~♪、♪~、~…』
どこからともなく、ハープを弾くような、美しい旋律が風にのってやってきた。
「この声は…?」
ディーヴァが膝枕で眠るダンテを撫でたまま、その美しい歌声を聞いていると。
「きっと化け物が現れたんだ…」
「あんた達が退治してくれるんだろ、早くなんとかしてくれ…」
周りの船乗り達がぶるぶる震えてうずくまりだした。
美しいがゆえに、聞き惚れたら最後、自分の意思とは裏腹に海に飛び込み……行きつく先は悪魔の腹の中。
そう考えると屈強な海の男の精神といえど崩壊するのかもしれない。
そうしているうちに岩礁の影にまぎれ、雲にまぎれ、海面の輝きにまぎれて現れた彼女達。
何匹かは岩礁の上に座って歌を歌い。
何匹かはヒレもなく羽毛で覆われているのにもかかわらず泳ぎ。
また何匹かは獲物を狙うように、翼を広げて上空を旋回している。
そのためか、いつの間にかカモメ達も大海を泳ぐ魚達もいない。
「あれが…ッ!?」
ディーヴァの目に映る悪魔こそ、セイレーン。
確かにその全てが女性型の悪魔であり、見目麗しい。
しかし、その美しいかんばせとは裏腹に首から下は硬質そうな羽毛に体がビッシリと覆われ、悪魔であると、見る者に恐怖を伝えている。
大きな翼や長い尾羽根が体から生え、さらには足についた太く鋭い爪。
これに掴まれたら大怪我は免れないし、逃れることもままならないだろう。
顔以外で辛うじて女性的にも見えるのは胸部と腹部だろうか。
半分羽毛で隠された胸は、下乳とへそを惜しげもなく晒し、艶かしくも見えた。
悪魔の書籍そのままの『セイレーン』がそこにはいた。
「ダンテ起きて!」
「…起きてるぜ。……なるほどな、こりゃ頭にガツンとクるわけだ」
その顔の造形は美しい。
その口から紡がれる歌声も、こちらの船に近づくにつれ、吐息がもれるほどに繊細で美しい旋律だ。
男達が海にふらふらと近づき、無意識のうちに身を投げようとする気持ちもわかる。
今も船乗り達は、目に一切の光も宿さず、歌に聞き入ってしまっていた。
そして、ダンテの脳内でもその旋律が幻惑魔術のように荒れ狂い、海へ飛び込むよう指示している。
「ディーヴァは大丈夫なのか」
そうなった時、まず心配なのはディーヴァのこと。
男だけでなく、女も虜にする歌声だった時が恐ろしい。
特にディーヴァのような『天使』には悪魔の技は効き目が強いのだから。
だが、ディーヴァの答えは非常に間延びしたものであり、歌がもたらす効果の心配はなかった。
「素敵な声だとは思うけど、別になんともないよー。あたしはこれくらいの歌じゃ虜になったりしないもん」
「ならいい。だけど奴らの攻撃手段が歌だけとは思えない。危ないから結界の中にいろよ」
「ん、わかった」
幸い周りの人間はディーヴァの姿もダンテも目に入っていない。
心ここにあらず、といった表情で歌の虜になっている。
ディーヴァは出す事のできた天使の結界を展開。
それを見届けたダンテは袋から取り出した双剣――アグニとルドラを構えた。
どこからともなく、ハープを弾くような、美しい旋律が風にのってやってきた。
「この声は…?」
ディーヴァが膝枕で眠るダンテを撫でたまま、その美しい歌声を聞いていると。
「きっと化け物が現れたんだ…」
「あんた達が退治してくれるんだろ、早くなんとかしてくれ…」
周りの船乗り達がぶるぶる震えてうずくまりだした。
美しいがゆえに、聞き惚れたら最後、自分の意思とは裏腹に海に飛び込み……行きつく先は悪魔の腹の中。
そう考えると屈強な海の男の精神といえど崩壊するのかもしれない。
そうしているうちに岩礁の影にまぎれ、雲にまぎれ、海面の輝きにまぎれて現れた彼女達。
何匹かは岩礁の上に座って歌を歌い。
何匹かはヒレもなく羽毛で覆われているのにもかかわらず泳ぎ。
また何匹かは獲物を狙うように、翼を広げて上空を旋回している。
そのためか、いつの間にかカモメ達も大海を泳ぐ魚達もいない。
「あれが…ッ!?」
ディーヴァの目に映る悪魔こそ、セイレーン。
確かにその全てが女性型の悪魔であり、見目麗しい。
しかし、その美しいかんばせとは裏腹に首から下は硬質そうな羽毛に体がビッシリと覆われ、悪魔であると、見る者に恐怖を伝えている。
大きな翼や長い尾羽根が体から生え、さらには足についた太く鋭い爪。
これに掴まれたら大怪我は免れないし、逃れることもままならないだろう。
顔以外で辛うじて女性的にも見えるのは胸部と腹部だろうか。
半分羽毛で隠された胸は、下乳とへそを惜しげもなく晒し、艶かしくも見えた。
悪魔の書籍そのままの『セイレーン』がそこにはいた。
「ダンテ起きて!」
「…起きてるぜ。……なるほどな、こりゃ頭にガツンとクるわけだ」
その顔の造形は美しい。
その口から紡がれる歌声も、こちらの船に近づくにつれ、吐息がもれるほどに繊細で美しい旋律だ。
男達が海にふらふらと近づき、無意識のうちに身を投げようとする気持ちもわかる。
今も船乗り達は、目に一切の光も宿さず、歌に聞き入ってしまっていた。
そして、ダンテの脳内でもその旋律が幻惑魔術のように荒れ狂い、海へ飛び込むよう指示している。
「ディーヴァは大丈夫なのか」
そうなった時、まず心配なのはディーヴァのこと。
男だけでなく、女も虜にする歌声だった時が恐ろしい。
特にディーヴァのような『天使』には悪魔の技は効き目が強いのだから。
だが、ディーヴァの答えは非常に間延びしたものであり、歌がもたらす効果の心配はなかった。
「素敵な声だとは思うけど、別になんともないよー。あたしはこれくらいの歌じゃ虜になったりしないもん」
「ならいい。だけど奴らの攻撃手段が歌だけとは思えない。危ないから結界の中にいろよ」
「ん、わかった」
幸い周りの人間はディーヴァの姿もダンテも目に入っていない。
心ここにあらず、といった表情で歌の虜になっている。
ディーヴァは出す事のできた天使の結界を展開。
それを見届けたダンテは袋から取り出した双剣――アグニとルドラを構えた。