mission 17:graduation and work ~将来の夢~
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次の日の朝、トレードマークの赤を着込んだダンテと短いながらも珍しくズボンを履いたディーヴァはすでに海の上にいた。
天気は晴れではなく、あいにくの曇天。
薄暗い空が悪魔の出現を暗示しているようで、なんだか胸がざわついた。
「…カモメ共がうるさいな」
船の進行方向に、ぴったりとついてくる海鳥達。
その鳴き声が、早朝早く起こされてまだ眠いダンテには耳障りでしかたない。
「鳥さん達が逃げてないってことは、逆に言うと平和だってことだよ」
「そうかもしれねぇけどな…ふぁ~あ、眠くてかなわん」
大きなあくびひとつ。
船のマスト近く置かれた椅子に座りこみ、ダンテは苦々しげに上空を飛び交う鳥をにらんだ。
「ふふ、あたしの膝でいいならお休み、ダンテ」
「だったらおっぱい枕のが…」
「ダンテ、調子にのらないでくれる?」
「………膝でいい」
「はいはい」
海鳥の鳴き声はうるさいが、ディーヴァから差しだされた膝はやわらかく自分の頭を迎え入れる。
とてもふわふわやわらかくて気持ちがよく、ディーヴァの女の子特有のいい匂いもして、なんと幸せなことか。
このまま悪魔が出なければいい。
ついでに視界の端に映る、船乗り達もいないといい。
ディーヴァと自分、2人だけの世界目指して、船でどこまでもゆっくり進みたい。
そんなことを思いながら、ダンテは揺れる船を揺り籠に、ゆるゆると微睡んだ。
船は岩礁に覆われた海域をゆっくりと航路通りに進んでいく。
大荒れの天気でこそないが、徐々にその空は曇天を超えての時化が始まって海が荒れつつあった。
加えて、先の見えない濃い霧が発生し始めている。
いつ悪魔が出てもおかしくない、そんな色の空と海。
「だ、大丈夫なんですか?こんな天気で…」
膝の上に眠るダンテを乗せたまま、ディーヴァは近くをせわしなく動く船員に問う。
みな、天気をものともせず漁に明け暮れているのだ。
引き網漁で獲れたばかりのぴちぴちの魚達が、こちらにまで水を跳ね飛ばす。
「実際の漁ではこれくらいの天気って、よくあることなんですよ~」
「今は化け物の襲撃で、その境はあいまいですがね!いつやつらが襲ってくるか…恐ろしいですわ」
苦笑して言いながらも、その表情はこわばりを見せている。
自らの生命をおびやかす悪魔が怖いのだ。
本当ならば、漁に出ないでいてほしいとも思う。
けれどこの人達は漁業をなりわいに生活しているのだし、おいそれと漁をやめるわけにもいかないだろう。
ディーヴァは件の悪魔の到来を、まるで自分が退治するかのように固い表情で待った。
天気は晴れではなく、あいにくの曇天。
薄暗い空が悪魔の出現を暗示しているようで、なんだか胸がざわついた。
「…カモメ共がうるさいな」
船の進行方向に、ぴったりとついてくる海鳥達。
その鳴き声が、早朝早く起こされてまだ眠いダンテには耳障りでしかたない。
「鳥さん達が逃げてないってことは、逆に言うと平和だってことだよ」
「そうかもしれねぇけどな…ふぁ~あ、眠くてかなわん」
大きなあくびひとつ。
船のマスト近く置かれた椅子に座りこみ、ダンテは苦々しげに上空を飛び交う鳥をにらんだ。
「ふふ、あたしの膝でいいならお休み、ダンテ」
「だったらおっぱい枕のが…」
「ダンテ、調子にのらないでくれる?」
「………膝でいい」
「はいはい」
海鳥の鳴き声はうるさいが、ディーヴァから差しだされた膝はやわらかく自分の頭を迎え入れる。
とてもふわふわやわらかくて気持ちがよく、ディーヴァの女の子特有のいい匂いもして、なんと幸せなことか。
このまま悪魔が出なければいい。
ついでに視界の端に映る、船乗り達もいないといい。
ディーヴァと自分、2人だけの世界目指して、船でどこまでもゆっくり進みたい。
そんなことを思いながら、ダンテは揺れる船を揺り籠に、ゆるゆると微睡んだ。
船は岩礁に覆われた海域をゆっくりと航路通りに進んでいく。
大荒れの天気でこそないが、徐々にその空は曇天を超えての時化が始まって海が荒れつつあった。
加えて、先の見えない濃い霧が発生し始めている。
いつ悪魔が出てもおかしくない、そんな色の空と海。
「だ、大丈夫なんですか?こんな天気で…」
膝の上に眠るダンテを乗せたまま、ディーヴァは近くをせわしなく動く船員に問う。
みな、天気をものともせず漁に明け暮れているのだ。
引き網漁で獲れたばかりのぴちぴちの魚達が、こちらにまで水を跳ね飛ばす。
「実際の漁ではこれくらいの天気って、よくあることなんですよ~」
「今は化け物の襲撃で、その境はあいまいですがね!いつやつらが襲ってくるか…恐ろしいですわ」
苦笑して言いながらも、その表情はこわばりを見せている。
自らの生命をおびやかす悪魔が怖いのだ。
本当ならば、漁に出ないでいてほしいとも思う。
けれどこの人達は漁業をなりわいに生活しているのだし、おいそれと漁をやめるわけにもいかないだろう。
ディーヴァは件の悪魔の到来を、まるで自分が退治するかのように固い表情で待った。