mission 17:graduation and work ~将来の夢~
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「さあ、到着だ」
「わあ…お船がいっぱい!」
ダンテとディーヴァが辿り着いたのは、とある町の漁港。
他国からの玄関口も担う小さな港には、漁船ばかりだが船がたくさん停泊している。
空中を漂うカモメやウミネコが水揚げされた魚を求めて鳴く下で、働く男達はみな猛者ばかりで筋肉隆々、まさに海の男といったところ。
男達が罵声を飛び交わせながら作業するさまは圧巻で、悪魔に悩まされているとは思えないほどだ。
まだ夏というには早い時期なためか、遠く見える砂浜にも港にもあまり観光目的の人間はいない。
つば広帽を潮風に飛ばされないよう押さえ、真っ白なワンピースをふわふわ揺らすディーヴァは、あまりにも場違いに見える。
その隣のダンテも、海で働く男達とはまったく違う服装…いつもの赤づくめであり、ここには合っていなかった。
「こういう海は初めてか?」
「うん、今までは砂浜の海しか見たことない。港なんて初めて!」
きゃっきゃとはしゃいで嬉しそうにするディーヴァの腰を引き寄せるダンテも表情はやわらかく、ディーヴァ同様に嬉しそうだ。
「ならよかった。あとで獲れたばかりの美味い魚でも食おうぜ」
「わあっ楽しみ!」
ここまでダンテとタンデムしてやってきたディーヴァは、始めてみる光景と美味しいものの存在を目の前にぶら下げられ、目をキラキラと輝かせた。
と、そんな2人の後ろに近づく人物があった。
砂利で出来た足元を鳴らしゆっくり近づいてきたその人は、若かりし頃は筋肉隆々だったであろう、そんな体つきをしたご老人だった。
「いつもはもっと活気があるでな。今は何人も仲間を失っているせいか静かなもんだ」
「…アンタが依頼人か」
「いかにも。私がここの責任者であり、依頼した張本人よ」
そのまま2人は、漁港に隣接された小さな事務所に案内された。
大きな魚を捕らえた時のものだろう、魚を何人かで抱えて笑う写真や、魚拓を撮った写真が飾られた室内。
ディーヴァは物珍しそうにじっくりと見た。
「で、女顔の鳥人間に襲われたって話だが」
「ああ、そうだ。襲われた者はほとんど帰ってこなかったが、たった1人だけ帰って来た船乗りがいてな」
それからダンテは、幸運な生還者から聞いた、自分達が襲われた話とやらを詳しく聞いた。
依頼を承った時にも聞いたことではあるが、こういった話はもう一度詳しく聞かなくてはならない。
「ふぅん、そいつに話は聞けないのか」
「今もまだ病院から出てこんでの…」
「なるほどな」
悪魔だかを目にした上、仲間が喰われて血の海と化した海面を目撃したとの話だ。
精神面になにかしら錯乱状態が残っていてもおかしくないだろう。
と、ディーヴァが隣で唸る。
「…うーん」
「どしたディーヴァ」
「なんでその人だけ助かったんだろうって。もしかして、耳になにかある方では?」
「おお、そういえば最近病気で耳が悪くなったと言っていたな」
「やっぱり…」
耳が聞こえなければ、セイレーンの歌も聞こえないだろうと思う。
いよいよセイレーンの線が確実視されてきた。
「それで当初の予定通り、明日出発する船に乗ってもらいたいのだが…」
「ああ、それはわかってる。船乗りにはオレが乗ること伝えとけよ。戦闘を邪魔されちゃかなわねえからな」
そう言ってダンテは持ってきた魔具の入る袋をトン、と叩いた。
中でジャラジャラと、物騒にも聞こえる音がたつ。
なんだか頼もしく思えるその金属音に、先方はホッと胸を撫で下ろした。
が、頼もしいデビルハンター、ダンテとは反対にどこからどうみても弱々しい人物が隣に座っているのだ。
気にならないほうがおかしい。
先ほどからじっと送られてくる視線にディーヴァは小さく縮こまった。
「ところでなぜ女性が一緒に?こっちもデビルハンターなのかい?」
「ただの連れだ。オレが海に出てる間は留守番してもらうから、この辺で一番綺麗な宿を取りたいと思…」
「あたしも一緒に依頼に行く予定で着いてきました」
その瞬間縮こまっていたのが嘘のように、にっこり笑って答えるディーヴァ。
「はあ!?何言ってんだお前!!」
ディーヴァの言ったことが信じられないとばかりに、目をこれでもかと見開いてダンテは隣に座る彼女を見た。
ディーヴァは笑顔を浮かべたまま、ダンテの手にそっと触れた。
「ダンテ、あたしはデビルハンターじゃないし、船乗りさん達よりも弱い。それは自分が一番よくわかってるよ」
「だったらなんで…」
「セイレーンの歌は男を虜にして惑わすんでしょ?なら、女のあたしには効かないかもしれない。それに…」
その眉毛がわずかに顰められる。
「ダンテまで歌に魅了されちゃったらやだもん」
「オレがディーヴァ以外の虜になるとでも?さては……嫉妬してるんだな?」
「ちがッ…退治どころかダンテも食べられちゃう。それじゃミイラ取りがミイラになっちゃうようなもの!そういう意味だよ!!」
「はいはい、そういうことにしといてやるよ」
「むー…」
かわいらしいディーヴァの嫉妬心に、ダンテはケラケラと笑ってなでた。
「わあ…お船がいっぱい!」
ダンテとディーヴァが辿り着いたのは、とある町の漁港。
他国からの玄関口も担う小さな港には、漁船ばかりだが船がたくさん停泊している。
空中を漂うカモメやウミネコが水揚げされた魚を求めて鳴く下で、働く男達はみな猛者ばかりで筋肉隆々、まさに海の男といったところ。
男達が罵声を飛び交わせながら作業するさまは圧巻で、悪魔に悩まされているとは思えないほどだ。
まだ夏というには早い時期なためか、遠く見える砂浜にも港にもあまり観光目的の人間はいない。
つば広帽を潮風に飛ばされないよう押さえ、真っ白なワンピースをふわふわ揺らすディーヴァは、あまりにも場違いに見える。
その隣のダンテも、海で働く男達とはまったく違う服装…いつもの赤づくめであり、ここには合っていなかった。
「こういう海は初めてか?」
「うん、今までは砂浜の海しか見たことない。港なんて初めて!」
きゃっきゃとはしゃいで嬉しそうにするディーヴァの腰を引き寄せるダンテも表情はやわらかく、ディーヴァ同様に嬉しそうだ。
「ならよかった。あとで獲れたばかりの美味い魚でも食おうぜ」
「わあっ楽しみ!」
ここまでダンテとタンデムしてやってきたディーヴァは、始めてみる光景と美味しいものの存在を目の前にぶら下げられ、目をキラキラと輝かせた。
と、そんな2人の後ろに近づく人物があった。
砂利で出来た足元を鳴らしゆっくり近づいてきたその人は、若かりし頃は筋肉隆々だったであろう、そんな体つきをしたご老人だった。
「いつもはもっと活気があるでな。今は何人も仲間を失っているせいか静かなもんだ」
「…アンタが依頼人か」
「いかにも。私がここの責任者であり、依頼した張本人よ」
そのまま2人は、漁港に隣接された小さな事務所に案内された。
大きな魚を捕らえた時のものだろう、魚を何人かで抱えて笑う写真や、魚拓を撮った写真が飾られた室内。
ディーヴァは物珍しそうにじっくりと見た。
「で、女顔の鳥人間に襲われたって話だが」
「ああ、そうだ。襲われた者はほとんど帰ってこなかったが、たった1人だけ帰って来た船乗りがいてな」
それからダンテは、幸運な生還者から聞いた、自分達が襲われた話とやらを詳しく聞いた。
依頼を承った時にも聞いたことではあるが、こういった話はもう一度詳しく聞かなくてはならない。
「ふぅん、そいつに話は聞けないのか」
「今もまだ病院から出てこんでの…」
「なるほどな」
悪魔だかを目にした上、仲間が喰われて血の海と化した海面を目撃したとの話だ。
精神面になにかしら錯乱状態が残っていてもおかしくないだろう。
と、ディーヴァが隣で唸る。
「…うーん」
「どしたディーヴァ」
「なんでその人だけ助かったんだろうって。もしかして、耳になにかある方では?」
「おお、そういえば最近病気で耳が悪くなったと言っていたな」
「やっぱり…」
耳が聞こえなければ、セイレーンの歌も聞こえないだろうと思う。
いよいよセイレーンの線が確実視されてきた。
「それで当初の予定通り、明日出発する船に乗ってもらいたいのだが…」
「ああ、それはわかってる。船乗りにはオレが乗ること伝えとけよ。戦闘を邪魔されちゃかなわねえからな」
そう言ってダンテは持ってきた魔具の入る袋をトン、と叩いた。
中でジャラジャラと、物騒にも聞こえる音がたつ。
なんだか頼もしく思えるその金属音に、先方はホッと胸を撫で下ろした。
が、頼もしいデビルハンター、ダンテとは反対にどこからどうみても弱々しい人物が隣に座っているのだ。
気にならないほうがおかしい。
先ほどからじっと送られてくる視線にディーヴァは小さく縮こまった。
「ところでなぜ女性が一緒に?こっちもデビルハンターなのかい?」
「ただの連れだ。オレが海に出てる間は留守番してもらうから、この辺で一番綺麗な宿を取りたいと思…」
「あたしも一緒に依頼に行く予定で着いてきました」
その瞬間縮こまっていたのが嘘のように、にっこり笑って答えるディーヴァ。
「はあ!?何言ってんだお前!!」
ディーヴァの言ったことが信じられないとばかりに、目をこれでもかと見開いてダンテは隣に座る彼女を見た。
ディーヴァは笑顔を浮かべたまま、ダンテの手にそっと触れた。
「ダンテ、あたしはデビルハンターじゃないし、船乗りさん達よりも弱い。それは自分が一番よくわかってるよ」
「だったらなんで…」
「セイレーンの歌は男を虜にして惑わすんでしょ?なら、女のあたしには効かないかもしれない。それに…」
その眉毛がわずかに顰められる。
「ダンテまで歌に魅了されちゃったらやだもん」
「オレがディーヴァ以外の虜になるとでも?さては……嫉妬してるんだな?」
「ちがッ…退治どころかダンテも食べられちゃう。それじゃミイラ取りがミイラになっちゃうようなもの!そういう意味だよ!!」
「はいはい、そういうことにしといてやるよ」
「むー…」
かわいらしいディーヴァの嫉妬心に、ダンテはケラケラと笑ってなでた。