mission 17:graduation and work ~将来の夢~
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そんな折り、久しぶりとも言える『当たり』の依頼が来た。
依頼先はここから少し遠いさびれた港町。
漁船が次々に遭難、転覆…乗っていた船乗り達はみな揃いも揃って行方不明、いや、死んだという話だった。
たった1人難を逃れた乗組員が言うには、翼の生えた美しい女達が船乗り達を惑わし、海に引きずり込んだのだという。
引きずり込まれた海面には、まるで鮫に襲われたかのようなどす黒い血の色だけが漂っていたとの話。
その女達に喰い殺されたんだ!と、今でも半狂乱に陥って叫ぶのだという。
おお、おそろしやおそろしや。
「翼の生えた美しい女、ね…。ディーヴァのことか?」
「失礼ね。天使の翼を出した時のあたしと混同しないで」
「わかってるよ。……で、お前はどう見る?」
「うーん…悪魔関連の書籍をあたってみる限りだと、あたしはセイレーンとかハーピーあたりが原因かなって思ったよ」
「オレもその線で間違いないと思うぜ」
依頼を受け、すぐに調査に取りかかったダンテとディーヴァ。
翼の生えた美しい女、そして人を喰らうという事実…。
そのことから考えて、ハーピーもしくはセイレーンという悪魔だという見解にいたったのだ。
少し前までは、悪魔関連の書籍を開くことすら出来なかったディーヴァ。
今は慣れ始めたのか若干顔をしかめているものの、ページを一枚一枚しっかりと捲っている。
それが良いことか悪いことなのか、ダンテには判断がつかなかった。
そのほっそりとした指の先が指し示すは、醜い鳥人間の図解…ハーピーの記述。
「ハーピー、またの名をハルピュイア。顔から胸が老婆のような人間の姿、翼と下半身が鳥の姿。その語源は掠奪者…かすめ取るものという意味の言葉である。あらゆるものを貪り喰らい、体から悪臭を漂わせ、ところかまわず糞や汚物を撒き散らす不潔で下品な怪物。特に死肉を好物とする…うわぁ」
「こうした食欲を示すのは、決して満たされぬ空腹を抱えているため…。見た目も嗜好も性質もおぞましいな」
「そうだね。今回の悪魔とはちょっと違うかも」
今回の悪魔は、翼の生えた美しい女。
ハーピーは翼こそ生えているが、どっからどうみても美しくない。
ディーヴァはそそくさともう1つ、目星をつけていたページを辿った。
図解も先程より美しいイラストで描かれている。
「セイレーン。女の顔に、海鳥の体を持つ半人半鳥。歌を歌って船乗りや男達を惑わし船を遭難させる。海に引きずりこんだ人間を貪り喰らう怪物。結局は人間食べるんだ…怖いなあ」
ぶるり、震えるディーヴァを撫でてダンテは続きを読んだ。
「その歌は主に男を虜にし、惑わす、か。ったく、耳栓くらいしとけよな」
「うーん、耳栓くらいで防げるかどうか…」
「こうみると、やっぱりセイレーンの可能性が高そうだよな」
「…うん」
他に当てはまる悪魔も見当たらないし、魔具達もわからないの一点張りだ。
ディーヴァは静かに本を閉じた。
依頼先はここから少し遠いさびれた港町。
漁船が次々に遭難、転覆…乗っていた船乗り達はみな揃いも揃って行方不明、いや、死んだという話だった。
たった1人難を逃れた乗組員が言うには、翼の生えた美しい女達が船乗り達を惑わし、海に引きずり込んだのだという。
引きずり込まれた海面には、まるで鮫に襲われたかのようなどす黒い血の色だけが漂っていたとの話。
その女達に喰い殺されたんだ!と、今でも半狂乱に陥って叫ぶのだという。
おお、おそろしやおそろしや。
「翼の生えた美しい女、ね…。ディーヴァのことか?」
「失礼ね。天使の翼を出した時のあたしと混同しないで」
「わかってるよ。……で、お前はどう見る?」
「うーん…悪魔関連の書籍をあたってみる限りだと、あたしはセイレーンとかハーピーあたりが原因かなって思ったよ」
「オレもその線で間違いないと思うぜ」
依頼を受け、すぐに調査に取りかかったダンテとディーヴァ。
翼の生えた美しい女、そして人を喰らうという事実…。
そのことから考えて、ハーピーもしくはセイレーンという悪魔だという見解にいたったのだ。
少し前までは、悪魔関連の書籍を開くことすら出来なかったディーヴァ。
今は慣れ始めたのか若干顔をしかめているものの、ページを一枚一枚しっかりと捲っている。
それが良いことか悪いことなのか、ダンテには判断がつかなかった。
そのほっそりとした指の先が指し示すは、醜い鳥人間の図解…ハーピーの記述。
「ハーピー、またの名をハルピュイア。顔から胸が老婆のような人間の姿、翼と下半身が鳥の姿。その語源は掠奪者…かすめ取るものという意味の言葉である。あらゆるものを貪り喰らい、体から悪臭を漂わせ、ところかまわず糞や汚物を撒き散らす不潔で下品な怪物。特に死肉を好物とする…うわぁ」
「こうした食欲を示すのは、決して満たされぬ空腹を抱えているため…。見た目も嗜好も性質もおぞましいな」
「そうだね。今回の悪魔とはちょっと違うかも」
今回の悪魔は、翼の生えた美しい女。
ハーピーは翼こそ生えているが、どっからどうみても美しくない。
ディーヴァはそそくさともう1つ、目星をつけていたページを辿った。
図解も先程より美しいイラストで描かれている。
「セイレーン。女の顔に、海鳥の体を持つ半人半鳥。歌を歌って船乗りや男達を惑わし船を遭難させる。海に引きずりこんだ人間を貪り喰らう怪物。結局は人間食べるんだ…怖いなあ」
ぶるり、震えるディーヴァを撫でてダンテは続きを読んだ。
「その歌は主に男を虜にし、惑わす、か。ったく、耳栓くらいしとけよな」
「うーん、耳栓くらいで防げるかどうか…」
「こうみると、やっぱりセイレーンの可能性が高そうだよな」
「…うん」
他に当てはまる悪魔も見当たらないし、魔具達もわからないの一点張りだ。
ディーヴァは静かに本を閉じた。