mission 16:shall we dance? ~シニアプロム~
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ダンテはディーヴァから数歩離れ、その愛しい姿を上から下までじっくりと目にした。
自分のタキシードのいたるところに使われた紅色と同じ、濃い赤で一面染められた紅色の長いエンパイアドレスだ。
袖の部分は半袖のようなものになっており、二の腕でドレス全体を支える形をとっている。
胸元がシャーリングになっているため袖なしでもいけるデザインかもしれない。
無理に下に引いたら、ポロリもあるよ!ができそうだ。
…公衆の面前ではやらないけども。
そんなことをして、ディーヴァの肌を他の獣どもにみせてやるわけにはいかない。
ドレスは下までスラッと下りたようなデザインになっているが、腰から下まで大胆な切りこみが入っており、その下は2段に別れた白の大きなフリルレースのドレスが見えていた。
意外と軽いのか、室内の小さな風にすらふわふわと揺れ動いている。
シルクの白いロンググローブも、裾にフリルを模したギャザーリングがされており、ダンテが赤と黒を基調とするのに対して、ディーヴァは赤と白、とても合っていた。
そして、身に纏うアクセサリー類は派手すぎないよう、すべてがパール系。
一緒に選んだため、どんなドレスかわかっていたはず。
だというに、ディーヴァが着たところを見た瞬間、あまりの美しさに言葉が出なかった。
…見惚れた。
カタログに載っていたモデルなんか比べ物にならない。
間違いなくディーヴァのために存在していたのではないか、と思わせるようなドレスだ。
美しさに感嘆の吐息だけではなく、涙すら出てきてしまいそうだ。
「ダンテ?」
「…綺麗だ、すごく、綺麗だ」
「ありがとう」
ディーヴァは頬をドレスと同じ、朱にほんのりと染めて答えた。
「そうだ、ディーヴァにこれを渡さないとな」
「うん?」
そう言って取り出したるは、深紅の大輪の薔薇が目立つブーケ。
そこには小さい薔薇も入っており、色構成は全てが赤一色。
ダンテの真っ直ぐな愛を感じた。
「受け取ってくれ」
「わあ、花束…」
受け取ったブーケを愛しげに見つめるディーヴァ。
そのブーケから一輪ひときわ大きな薔薇を抜き取ると、ダンテは痛くないように刺を折り、ディーヴァの胸元に巻き付けるように挿した。
さらに下に黒いベルベットのリボンを結んで飾る。
「これでますます綺麗になったな」
「嬉しい、ダンテ」
自分を見上げてくるディーヴァの髪が目にはいる。
髪の毛のセットはサイドの一部のみをみつあみにし、上に持ち上げて軽く留めてあるだけのように見受けられる。
あとはほぼいつも通り髪を流しているのだが、逆にそれがディーヴァらしくていいと、ダンテは誉めた。
「ダンテが結ばない髪の方が好きって前に言ってくれたから…」
「オレのために…」
そんなことを照れながら言われると、プロムなぞに行かず今すぐベッドに直行したくなる。
今夜の主役はディーヴァ達卒業を迎える生徒だし、せっかく着飾ったのだからそうはしないが。
「でも、パーティーに行くにしては少し髪の飾りはさみしいかな」
鏡を覗き見るディーヴァ。
確かに白いレースの簡素なヘッドドレスだけだと、パーティーには不向きかもしれない。
きらびやかなティアラで飾ってくる女性も多い中では目立たない。
「なら、ここにも花を咲かせよう、こういう風に……な」
ダンテは再びブーケから花を拝借し、小さな薔薇をヘッドドレスのまわりに配置していく。
胸元と同じ深紅の生花が、髪にも綺麗に咲いた。
「わ、とっても綺麗になったね!」
「…さて、仕上げだ」
「え、まだ何かあるの?」
ダンテは手を出すよう指示すると、黒いベルベットリボンとイミテーションの赤薔薇で構成されたコサージュを細い手首に飾った。
「コサージュ…!」
「ああ。ディーヴァには赤い薔薇がよく似合うな」
指輪を贈るのと同じ意味合いを持つそれ。
パーティー会場で他の人と踊っても、離ればなれになっても、パートナーはこの人だけ。
私はこの人の物です、と公言する役目を持つ所有の証。
前回違う人に贈られた時は、捨ててしまいたくなったが、今はすごく大切なものだと思える。
それは大好きなダンテから贈られたものだからに他ならない。
「あたしからも贈らないとね」
ディーヴァはそう言って、ダンテのタキシードの襟に白い薔薇を挿した。
「うん、黒いタキシードに白い薔薇はよく映えるね。白薔薇の意味はね…」
「おっと、わかってるから言わなくていいぜ」
「えっ!?…そ、そうなの…」
それは、赤い薔薇よりもさらに強い、所有の証。
前の時に他の人に贈らなかったのは、ダンテ以外を所有したくなかったから。
ダンテ以外に所有物の証を渡したくなかったということだ。
ダンテは嬉しくなってディーヴァを少しの間、その腕の中に閉じ込めた。
さて、そろそろ出掛ける時間であり、家の前ではリムジンを待たせたまま。
ダンテとディーヴァは寄り添い歩きながら、玄関へ向かった。
自分のタキシードのいたるところに使われた紅色と同じ、濃い赤で一面染められた紅色の長いエンパイアドレスだ。
袖の部分は半袖のようなものになっており、二の腕でドレス全体を支える形をとっている。
胸元がシャーリングになっているため袖なしでもいけるデザインかもしれない。
無理に下に引いたら、ポロリもあるよ!ができそうだ。
…公衆の面前ではやらないけども。
そんなことをして、ディーヴァの肌を他の獣どもにみせてやるわけにはいかない。
ドレスは下までスラッと下りたようなデザインになっているが、腰から下まで大胆な切りこみが入っており、その下は2段に別れた白の大きなフリルレースのドレスが見えていた。
意外と軽いのか、室内の小さな風にすらふわふわと揺れ動いている。
シルクの白いロンググローブも、裾にフリルを模したギャザーリングがされており、ダンテが赤と黒を基調とするのに対して、ディーヴァは赤と白、とても合っていた。
そして、身に纏うアクセサリー類は派手すぎないよう、すべてがパール系。
一緒に選んだため、どんなドレスかわかっていたはず。
だというに、ディーヴァが着たところを見た瞬間、あまりの美しさに言葉が出なかった。
…見惚れた。
カタログに載っていたモデルなんか比べ物にならない。
間違いなくディーヴァのために存在していたのではないか、と思わせるようなドレスだ。
美しさに感嘆の吐息だけではなく、涙すら出てきてしまいそうだ。
「ダンテ?」
「…綺麗だ、すごく、綺麗だ」
「ありがとう」
ディーヴァは頬をドレスと同じ、朱にほんのりと染めて答えた。
「そうだ、ディーヴァにこれを渡さないとな」
「うん?」
そう言って取り出したるは、深紅の大輪の薔薇が目立つブーケ。
そこには小さい薔薇も入っており、色構成は全てが赤一色。
ダンテの真っ直ぐな愛を感じた。
「受け取ってくれ」
「わあ、花束…」
受け取ったブーケを愛しげに見つめるディーヴァ。
そのブーケから一輪ひときわ大きな薔薇を抜き取ると、ダンテは痛くないように刺を折り、ディーヴァの胸元に巻き付けるように挿した。
さらに下に黒いベルベットのリボンを結んで飾る。
「これでますます綺麗になったな」
「嬉しい、ダンテ」
自分を見上げてくるディーヴァの髪が目にはいる。
髪の毛のセットはサイドの一部のみをみつあみにし、上に持ち上げて軽く留めてあるだけのように見受けられる。
あとはほぼいつも通り髪を流しているのだが、逆にそれがディーヴァらしくていいと、ダンテは誉めた。
「ダンテが結ばない髪の方が好きって前に言ってくれたから…」
「オレのために…」
そんなことを照れながら言われると、プロムなぞに行かず今すぐベッドに直行したくなる。
今夜の主役はディーヴァ達卒業を迎える生徒だし、せっかく着飾ったのだからそうはしないが。
「でも、パーティーに行くにしては少し髪の飾りはさみしいかな」
鏡を覗き見るディーヴァ。
確かに白いレースの簡素なヘッドドレスだけだと、パーティーには不向きかもしれない。
きらびやかなティアラで飾ってくる女性も多い中では目立たない。
「なら、ここにも花を咲かせよう、こういう風に……な」
ダンテは再びブーケから花を拝借し、小さな薔薇をヘッドドレスのまわりに配置していく。
胸元と同じ深紅の生花が、髪にも綺麗に咲いた。
「わ、とっても綺麗になったね!」
「…さて、仕上げだ」
「え、まだ何かあるの?」
ダンテは手を出すよう指示すると、黒いベルベットリボンとイミテーションの赤薔薇で構成されたコサージュを細い手首に飾った。
「コサージュ…!」
「ああ。ディーヴァには赤い薔薇がよく似合うな」
指輪を贈るのと同じ意味合いを持つそれ。
パーティー会場で他の人と踊っても、離ればなれになっても、パートナーはこの人だけ。
私はこの人の物です、と公言する役目を持つ所有の証。
前回違う人に贈られた時は、捨ててしまいたくなったが、今はすごく大切なものだと思える。
それは大好きなダンテから贈られたものだからに他ならない。
「あたしからも贈らないとね」
ディーヴァはそう言って、ダンテのタキシードの襟に白い薔薇を挿した。
「うん、黒いタキシードに白い薔薇はよく映えるね。白薔薇の意味はね…」
「おっと、わかってるから言わなくていいぜ」
「えっ!?…そ、そうなの…」
それは、赤い薔薇よりもさらに強い、所有の証。
前の時に他の人に贈らなかったのは、ダンテ以外を所有したくなかったから。
ダンテ以外に所有物の証を渡したくなかったということだ。
ダンテは嬉しくなってディーヴァを少しの間、その腕の中に閉じ込めた。
さて、そろそろ出掛ける時間であり、家の前ではリムジンを待たせたまま。
ダンテとディーヴァは寄り添い歩きながら、玄関へ向かった。