mission 16:shall we dance? ~シニアプロム~
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無事に最後のテストをパスし、本日、プロムナードの日を迎えたダンテとディーヴァ。
パーティーの為の準備をいそいそと進める中、夕方になってダンテが自分の衣装を手にしたまま出掛けると言い出した。
出掛けるのはいいが、なぜ衣装まで持っていくのかよくわからない。
ダンテは苦笑して「すぐパーティーに行けるように準備して待っててくれ」とただディーヴァの頭を撫でるだけだった。
ダンテが出掛けたのち、ディーヴァは梱包されていた箱から、届いたドレスを手に取って広げる。
綺麗なドレスだが、はたしてダンテの隣に立つに相応しい女の子になれるだろうか。
鏡に立って自分に合わせてみると、少し自信をなくしそうになる。
「ふぅ…なんか行きたくない……」
小さく嘆息したら、途端に行くのが怖くなってしまった。
楽しみにしてくれている、いっぱい尽くしてくれているダンテのためにも、行かなくてはいけないのに。
笑顔が出てこない。
ダンテは自分が『行かない』と言えば無理に行くのはやめるだろう。
でも、そんなの駄目。
頭の中がぐちゃぐちゃする。
「ああ、もう!」
アクセサリーをずらりと並べた机に勢いよく手をつく。
衝撃で跳ねたのか、本真珠のイヤリングがカシャンと音をたてて下に落ちた。
たくさんある母の形見のひとつ、小さくてシンプルなイヤリングだ。
ハッとして急いで拾うディーヴァ。
「壊れてない、よかった。………ママ、パパ…お兄ちゃん…」
家族に思い馳せる。
きっと、家族が生きていたら一緒にドレスを選び楽しく過ごせただろうに。
特に母親などは、プロムのドレス選びにかなり奔走するらしい、そう友人に聞いた。
一緒に過ごせないのが残念でならないが、家族のためにも楽しまないといけない。
家族の分も幸せに生きていくことこそが、自分に課せられた使命ともいうべきことなのだから。
それに家族ならこう言うだろう。
何も考えず、ただパーティーを楽しみなさい。
と。
歳が10を越えた頃、一度だけ父の会社のパーティーに呼ばれ、ガチガチになりながら参加したのを覚えている。
初めて着たドレス、初めて見る社交界のきらびやかな世界。
緊張して、挨拶ひとつまともにできなかった。
そんな時も父はその言葉を言ったものだ。
あの時はまだ小さな子どもだったからこその言葉にも思えるが、やはり今回もパーティーはパーティーにかわりない。
楽しまなくては損。
「…うん、そうだよね」
ダンテのパートナーとしてそばにいたい。
ダンテと一緒にプロムを楽しみたい。
ディーヴァは、いつもダンテが大好きだと言ってくれる笑顔を浮かべ、パーティーの準備を再開した。
パーティーの為の準備をいそいそと進める中、夕方になってダンテが自分の衣装を手にしたまま出掛けると言い出した。
出掛けるのはいいが、なぜ衣装まで持っていくのかよくわからない。
ダンテは苦笑して「すぐパーティーに行けるように準備して待っててくれ」とただディーヴァの頭を撫でるだけだった。
ダンテが出掛けたのち、ディーヴァは梱包されていた箱から、届いたドレスを手に取って広げる。
綺麗なドレスだが、はたしてダンテの隣に立つに相応しい女の子になれるだろうか。
鏡に立って自分に合わせてみると、少し自信をなくしそうになる。
「ふぅ…なんか行きたくない……」
小さく嘆息したら、途端に行くのが怖くなってしまった。
楽しみにしてくれている、いっぱい尽くしてくれているダンテのためにも、行かなくてはいけないのに。
笑顔が出てこない。
ダンテは自分が『行かない』と言えば無理に行くのはやめるだろう。
でも、そんなの駄目。
頭の中がぐちゃぐちゃする。
「ああ、もう!」
アクセサリーをずらりと並べた机に勢いよく手をつく。
衝撃で跳ねたのか、本真珠のイヤリングがカシャンと音をたてて下に落ちた。
たくさんある母の形見のひとつ、小さくてシンプルなイヤリングだ。
ハッとして急いで拾うディーヴァ。
「壊れてない、よかった。………ママ、パパ…お兄ちゃん…」
家族に思い馳せる。
きっと、家族が生きていたら一緒にドレスを選び楽しく過ごせただろうに。
特に母親などは、プロムのドレス選びにかなり奔走するらしい、そう友人に聞いた。
一緒に過ごせないのが残念でならないが、家族のためにも楽しまないといけない。
家族の分も幸せに生きていくことこそが、自分に課せられた使命ともいうべきことなのだから。
それに家族ならこう言うだろう。
何も考えず、ただパーティーを楽しみなさい。
と。
歳が10を越えた頃、一度だけ父の会社のパーティーに呼ばれ、ガチガチになりながら参加したのを覚えている。
初めて着たドレス、初めて見る社交界のきらびやかな世界。
緊張して、挨拶ひとつまともにできなかった。
そんな時も父はその言葉を言ったものだ。
あの時はまだ小さな子どもだったからこその言葉にも思えるが、やはり今回もパーティーはパーティーにかわりない。
楽しまなくては損。
「…うん、そうだよね」
ダンテのパートナーとしてそばにいたい。
ダンテと一緒にプロムを楽しみたい。
ディーヴァは、いつもダンテが大好きだと言ってくれる笑顔を浮かべ、パーティーの準備を再開した。