mission 16:shall we dance? ~シニアプロム~
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
プロ、なんちゃら…その単語はどこかで聞いた。
プロテイン、いや、それは確か肉に入ってる栄養素のことだ。
プロシュット、それはハムだ。
ピザに乗っけて食べてるからよく知ってる。
記憶を遡ることおよそ二年前。
白いドレスをまとって美しいディーヴァが、ダンテの頭の中に舞い降りた。
カチリ、とダンテの中でパズルのピースが繋がる。
「あれか!ダンスパーティーな!」
「思い出すの遅すぎだよ。ダンテが『その席はオレのために開けとけ』って言ったのに…」
「悪いな」
プロムのダンスパートナーがお互いだと思い出したところで…。
くるりと、悪魔とはまったく違う意味での目の前の敵に向き直る。
「つーわけで、ディーヴァのパートナーはオレだ。……わかったらとっとと失せろ」
「わああああ!ごめんなさいごめんなさいごめんなさいっ!だから食べないで~!!」
般若を通り越して人喰い鬼の形相で睨むダンテを見、彼は走り去ってしまった。
「ふん」
「あ~あ、あたしのリンゴとチーズとプリンとラザニアが行っちゃった…」
彼をというより、好物が去っていったことが少し残念だ。
「てか、ダンテ。普通の人にあんな蛇睨みみたいなことしないでよ」
「悪い、頭に血が昇ってな」
「そういうとこがダンテの悪いとこなんだよね」
2人は苦笑し合うと、ちょうど到着した送迎バスに乗り込んだ。
一時期、ダンテが学生として乗り降りしていたことを覚えていてくれたようで、一緒に帰ることができた。
「ね、ダンテ。もう一回誘って?」
帰ってきた途端、ディーヴァが甘えたような声で大きな瞳で見つめて言ってきた。
こんな彼女は珍しい。
びっくりして息まで止めてしまったが、もしかしたらその瞬間は鼓動まで止まっていたかもしれない。
ダンテは目を数回瞬かせてから、優しい表情で彼女の願いに応えた。
「仰せのままに、マイプリンセス」
ディーヴァの小さな手をとり恭しく跪くと、その白魚のようなほっそり白い指にキスを贈る。
ゆっくりと唇を離し、ディーヴァを見上げ懇願するように述べた。
「Shall we dance?(オレと踊ってくれませんか?)」
「Sure. I'd love to(ええ、喜んで)」
にっこり笑って答えるディーヴァ。
「へへへっ」
「ふふっ」
お互い満足気にもう一度微笑み合う。
…と、今度はダンテがディーヴァを抱えくるくる回った。
「ひゃあっ!今じゃなくってプロムで踊る約束だってば!!」
「わかってるよ、ただの予行練習さ」
「まったくもう…」
そう言いながらも、ディーヴァは嬉しそうにダンテに身を委ねた。
好物に気持ちが揺らいだりしてしまったが、やはりダンテとじゃないといやだ。
ドレスはダンテのために着たいし、ダンスもダンテと踊りたい。
ディーヴァはそう思うのだ。
ダンテがプロムについて思い出したことが他にもある。
プロムは数ヵ月先だが、今くらい前…だいたい3ヶ月ほど前から準備を進めていかなくては間に合わない、ということを。
そして、誘った側が負担金を全額出すのが当たり前という重大なことを…。
意外と値段の高いチケット。
その相場を調べた時には、目ン玉が飛び出るかと思った。
昔好きだったミュージシャンのライブチケットと同じくらいの値がついていた。
依頼を何件かこなさなくてはちょっと、いやかなり財布の中身が心もとない。
かといってディーヴァにチケット代、プロム代、ひとつでも無心するのは男の沽券に関わる。
しかたない。
一生に一番、といっても過言ではないイベント、それがプロムナードというものなのだ。
ディーヴァが楽しめるのなら、その笑顔が見れるのなら、助力は惜しまない。
そんなわけで、悪魔関連の依頼でなかろうと、受けたくないレディからの依頼であっても、ダンテはしばし仕事に精を出した。
プロテイン、いや、それは確か肉に入ってる栄養素のことだ。
プロシュット、それはハムだ。
ピザに乗っけて食べてるからよく知ってる。
記憶を遡ることおよそ二年前。
白いドレスをまとって美しいディーヴァが、ダンテの頭の中に舞い降りた。
カチリ、とダンテの中でパズルのピースが繋がる。
「あれか!ダンスパーティーな!」
「思い出すの遅すぎだよ。ダンテが『その席はオレのために開けとけ』って言ったのに…」
「悪いな」
プロムのダンスパートナーがお互いだと思い出したところで…。
くるりと、悪魔とはまったく違う意味での目の前の敵に向き直る。
「つーわけで、ディーヴァのパートナーはオレだ。……わかったらとっとと失せろ」
「わああああ!ごめんなさいごめんなさいごめんなさいっ!だから食べないで~!!」
般若を通り越して人喰い鬼の形相で睨むダンテを見、彼は走り去ってしまった。
「ふん」
「あ~あ、あたしのリンゴとチーズとプリンとラザニアが行っちゃった…」
彼をというより、好物が去っていったことが少し残念だ。
「てか、ダンテ。普通の人にあんな蛇睨みみたいなことしないでよ」
「悪い、頭に血が昇ってな」
「そういうとこがダンテの悪いとこなんだよね」
2人は苦笑し合うと、ちょうど到着した送迎バスに乗り込んだ。
一時期、ダンテが学生として乗り降りしていたことを覚えていてくれたようで、一緒に帰ることができた。
「ね、ダンテ。もう一回誘って?」
帰ってきた途端、ディーヴァが甘えたような声で大きな瞳で見つめて言ってきた。
こんな彼女は珍しい。
びっくりして息まで止めてしまったが、もしかしたらその瞬間は鼓動まで止まっていたかもしれない。
ダンテは目を数回瞬かせてから、優しい表情で彼女の願いに応えた。
「仰せのままに、マイプリンセス」
ディーヴァの小さな手をとり恭しく跪くと、その白魚のようなほっそり白い指にキスを贈る。
ゆっくりと唇を離し、ディーヴァを見上げ懇願するように述べた。
「Shall we dance?(オレと踊ってくれませんか?)」
「Sure. I'd love to(ええ、喜んで)」
にっこり笑って答えるディーヴァ。
「へへへっ」
「ふふっ」
お互い満足気にもう一度微笑み合う。
…と、今度はダンテがディーヴァを抱えくるくる回った。
「ひゃあっ!今じゃなくってプロムで踊る約束だってば!!」
「わかってるよ、ただの予行練習さ」
「まったくもう…」
そう言いながらも、ディーヴァは嬉しそうにダンテに身を委ねた。
好物に気持ちが揺らいだりしてしまったが、やはりダンテとじゃないといやだ。
ドレスはダンテのために着たいし、ダンスもダンテと踊りたい。
ディーヴァはそう思うのだ。
ダンテがプロムについて思い出したことが他にもある。
プロムは数ヵ月先だが、今くらい前…だいたい3ヶ月ほど前から準備を進めていかなくては間に合わない、ということを。
そして、誘った側が負担金を全額出すのが当たり前という重大なことを…。
意外と値段の高いチケット。
その相場を調べた時には、目ン玉が飛び出るかと思った。
昔好きだったミュージシャンのライブチケットと同じくらいの値がついていた。
依頼を何件かこなさなくてはちょっと、いやかなり財布の中身が心もとない。
かといってディーヴァにチケット代、プロム代、ひとつでも無心するのは男の沽券に関わる。
しかたない。
一生に一番、といっても過言ではないイベント、それがプロムナードというものなのだ。
ディーヴァが楽しめるのなら、その笑顔が見れるのなら、助力は惜しまない。
そんなわけで、悪魔関連の依頼でなかろうと、受けたくないレディからの依頼であっても、ダンテはしばし仕事に精を出した。