mission 16:shall we dance? ~シニアプロム~
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だが、こちらはディーヴァが興味をしめすであろう情報を手にいれている。
彼女は少しばかり食べることが好きな模様。
しかも、チーズ・リンゴ・プリンあたりは好物中の好物で目がないのだという。
彼はしばし考えてから、ディーヴァという魚が食いつくであろう、餌をちらつかせた。
「じゃあ……。一緒に行ってくれたら、普通のお店では食べられない、うちのお抱えシェフが作るリンゴのシブーストや、チーズケーキ、紅茶のプティングなんかも用意するんだけど?」
リンゴにチーズに、プリン…。
目を見開くディーヴァ。
富裕層だったと言えど、ディーヴァの家にはメイドもお抱えシェフもいなかった。
口の中によだれがたまるのを止められない。
食いついた!
きらーん、とディーヴァの目が輝くのを見て、彼は心中で小さくガッツポーズを決めた。
大物を釣り上げるように、網で獲物を引き寄せていく。
あと、もう一押しだ。
「他にも食べたいものがあったら、作らせるよ~?
例えば、ありとあらゆるチーズをたっっっぷり乗せた、ラ・ザ・ニ・ア、とか」
「ラ、ラザニア…。うぅぅん……」
大好きな物をこれでもかと提示され、揺れ動く乙女の心。
このままではダンテとプロムに行くという約束を反故にしてしまいそうだ。
ちょっとなら、いいかな、いや、ダンテとの約束が…。
でもリンゴが、チーズが、プリンが…ラザニアがあたしを呼んでいる…。
うーん、食べたい…。
色よい返事を紡ごうと開かれる唇。
その時、背後からそうはさせまいとする声が響いた。
「ちょっと待て、ディーヴァ」
振り向くとそこにいたのはダンテ、その人。
「ダ、ダンテ!?なんでここに!!」
実はまだ帰っていなかったダンテ。
遠くから、ディーヴァの様子をずっと見ていたのである。
そして時おりその会話もところどころ聞こえていたようで、ダンテにはディーヴァがデートか何かに誘われ、それを承諾しようとする現場に見えていた。
気分は浮気現場おさえたり!である。
魔王もかくやという威圧感たっぷりの空気を背負い、ダンテは無言で男子生徒を睨んでいる。
いつもうるさいはずのダンテが、無言で、だ。
そこからもわかるように、あまり機嫌はよくなさそうだ。
何故なのかよくわかっているからか、ディーヴァは機嫌については一切触れないことにした。
長い長い沈黙が痛い。
沈黙に耐えかねたか、男子生徒がそろりと発言する。
「あの、どちら様で?…何か、用でしょうか」
途端、地の底から響いてくるようなドスのきいた声音でダンテは唸る。
「…おい、お前。ディーヴァはオレのだ。なんのつもりか知らねえが、横からかっさらおうなんて、ブッ飛ばされても文句言えないよなァ!?」
「ひぃぃ…っ!」
最後は相手を殴る勢いで大声で言うダンテに、ディーヴァは飛び付いて場を収めた。
「わあ!ダンテ、ストップ!おさえておさえて!!」
「あ゙あ゙?ディーヴァもディーヴァだ!」
「怖っ!ダンテが超怖い!去年の夏よりましだけど!」
確かにその性質はあの夏よりましだが、顔だけならばあの時よりも恐ろしい。
額に青筋を浮かべており、東洋に伝わりし般若と言われる鬼の形相。
「…ごめんなさいっダンテ!ちょっと食べ物に惹かれて危うく『ハイ』と言いそうになっちゃったことは謝るよ!けど、実際はダンテがパートナーでしょう?お願いだから落ち着いて!!」
「何がだよ!」
ディーヴァが謝っても、相手どころかこちらまで噛んできそうな、猛犬のごとき勢いのダンテ。
パートナーという単語を出しても、ダンテにはわからなかったようだ。
「忘れちゃった?プロムのだよ」
「…………………」
ぴたり、ダンテの行動も思考も停止した。
彼女は少しばかり食べることが好きな模様。
しかも、チーズ・リンゴ・プリンあたりは好物中の好物で目がないのだという。
彼はしばし考えてから、ディーヴァという魚が食いつくであろう、餌をちらつかせた。
「じゃあ……。一緒に行ってくれたら、普通のお店では食べられない、うちのお抱えシェフが作るリンゴのシブーストや、チーズケーキ、紅茶のプティングなんかも用意するんだけど?」
リンゴにチーズに、プリン…。
目を見開くディーヴァ。
富裕層だったと言えど、ディーヴァの家にはメイドもお抱えシェフもいなかった。
口の中によだれがたまるのを止められない。
食いついた!
きらーん、とディーヴァの目が輝くのを見て、彼は心中で小さくガッツポーズを決めた。
大物を釣り上げるように、網で獲物を引き寄せていく。
あと、もう一押しだ。
「他にも食べたいものがあったら、作らせるよ~?
例えば、ありとあらゆるチーズをたっっっぷり乗せた、ラ・ザ・ニ・ア、とか」
「ラ、ラザニア…。うぅぅん……」
大好きな物をこれでもかと提示され、揺れ動く乙女の心。
このままではダンテとプロムに行くという約束を反故にしてしまいそうだ。
ちょっとなら、いいかな、いや、ダンテとの約束が…。
でもリンゴが、チーズが、プリンが…ラザニアがあたしを呼んでいる…。
うーん、食べたい…。
色よい返事を紡ごうと開かれる唇。
その時、背後からそうはさせまいとする声が響いた。
「ちょっと待て、ディーヴァ」
振り向くとそこにいたのはダンテ、その人。
「ダ、ダンテ!?なんでここに!!」
実はまだ帰っていなかったダンテ。
遠くから、ディーヴァの様子をずっと見ていたのである。
そして時おりその会話もところどころ聞こえていたようで、ダンテにはディーヴァがデートか何かに誘われ、それを承諾しようとする現場に見えていた。
気分は浮気現場おさえたり!である。
魔王もかくやという威圧感たっぷりの空気を背負い、ダンテは無言で男子生徒を睨んでいる。
いつもうるさいはずのダンテが、無言で、だ。
そこからもわかるように、あまり機嫌はよくなさそうだ。
何故なのかよくわかっているからか、ディーヴァは機嫌については一切触れないことにした。
長い長い沈黙が痛い。
沈黙に耐えかねたか、男子生徒がそろりと発言する。
「あの、どちら様で?…何か、用でしょうか」
途端、地の底から響いてくるようなドスのきいた声音でダンテは唸る。
「…おい、お前。ディーヴァはオレのだ。なんのつもりか知らねえが、横からかっさらおうなんて、ブッ飛ばされても文句言えないよなァ!?」
「ひぃぃ…っ!」
最後は相手を殴る勢いで大声で言うダンテに、ディーヴァは飛び付いて場を収めた。
「わあ!ダンテ、ストップ!おさえておさえて!!」
「あ゙あ゙?ディーヴァもディーヴァだ!」
「怖っ!ダンテが超怖い!去年の夏よりましだけど!」
確かにその性質はあの夏よりましだが、顔だけならばあの時よりも恐ろしい。
額に青筋を浮かべており、東洋に伝わりし般若と言われる鬼の形相。
「…ごめんなさいっダンテ!ちょっと食べ物に惹かれて危うく『ハイ』と言いそうになっちゃったことは謝るよ!けど、実際はダンテがパートナーでしょう?お願いだから落ち着いて!!」
「何がだよ!」
ディーヴァが謝っても、相手どころかこちらまで噛んできそうな、猛犬のごとき勢いのダンテ。
パートナーという単語を出しても、ダンテにはわからなかったようだ。
「忘れちゃった?プロムのだよ」
「…………………」
ぴたり、ダンテの行動も思考も停止した。