mission 16:shall we dance? ~シニアプロム~
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やっと帰りの時間になった。
送迎のバスを待つ間の僅かな、しかし確実にディーヴァがひとりになる時間。
これはチャンス!と狙わぬ男子ではない。
今も、諦めの悪いひとりの男子生徒がディーヴァのもとへ向かおうと歩みを進めていた。
「やあ、ディーヴァちゃん」
今晩の夕食は何を作ろうか、そんなことをボーッと考えていた矢先。
ディーヴァは後ろから気さくにも呼び止められ、あわてたように振り返る。
片手を上げてディーヴァに近寄ってきた爽やか黒髪イケメン系の男子生徒に覚えはない。
記憶を遡って初めて、それが誰なのかディーヴァは思い出した。
かなり昔のことだが、一度課外授業で同じグループになった男子生徒のはず。
「えーと、久しぶり…?」
「そうだね、まだ高校に入りたての頃以来、かな」
かなり昔というか、3年も前の話だ。
「何か…用?」
「ん?この時期だし、わかるでしょ。プロムのパートナーに誘いたいんだよ」
ああ、やっぱり。
なんとなくそんな気がしていた。
「一緒に行ってくれるなら、本物の宝石を使ったティアラや、本物の宝石を散りばめたドレスを用意するよ」
さらに思い出した。
確か、ものすごいお金持ちではなかっただろうか。
女生徒達がしばらく前に話題にしていたような気がする。
イッツ・ア、玉の輿!!
しかし、全財産的に言えば、ディーヴァはお金に困ってはいないし、宝石に興味はない。
「いやぁ、その…あたし、もう行く相手が……」
断ろうとする言葉を遮られ、突然手をとられて笑顔で言われる。
この手を叩き落としたい、今すぐに。
「ディーヴァちゃんなら、どんな宝石のティアラにもドレスにも負けないだろうね。そんな子を連れて歩けば、きっと……。
ねえ、まだ誰かのお手付きじゃないんでしょ?一緒にプロムに行こうよ」
彼はホームのクラスが一緒なわけでもなければ、二年前のプロムでのことなどまったく知らないのだろう。
レベルのそこそこ高い女の子をパートナーに連れてプロムに行くというのは、男としてのステータスであり、箔がつくようなもの。
どちらかというと、そちらを目的としてディーヴァを誘っているのかもしれない。
ディーヴァは思わず身構えてしまった。
「ごめんなさい。一緒に行けない、です」
「宝石を使ったティアラに興味ないの?」
「うん、興味ないよ」
「宝石を散りばめたドレスには?プロムのあと、持って帰ってもいいんだよ?」
「興味ないし、ドレスもいらない」
キッパリと断るディーヴァに、手をとったまま唖然とする。
彼も思い出したようだ。
ディーヴァ自身も自分と同じで、もともとは富裕層の人間だということに。
送迎のバスを待つ間の僅かな、しかし確実にディーヴァがひとりになる時間。
これはチャンス!と狙わぬ男子ではない。
今も、諦めの悪いひとりの男子生徒がディーヴァのもとへ向かおうと歩みを進めていた。
「やあ、ディーヴァちゃん」
今晩の夕食は何を作ろうか、そんなことをボーッと考えていた矢先。
ディーヴァは後ろから気さくにも呼び止められ、あわてたように振り返る。
片手を上げてディーヴァに近寄ってきた爽やか黒髪イケメン系の男子生徒に覚えはない。
記憶を遡って初めて、それが誰なのかディーヴァは思い出した。
かなり昔のことだが、一度課外授業で同じグループになった男子生徒のはず。
「えーと、久しぶり…?」
「そうだね、まだ高校に入りたての頃以来、かな」
かなり昔というか、3年も前の話だ。
「何か…用?」
「ん?この時期だし、わかるでしょ。プロムのパートナーに誘いたいんだよ」
ああ、やっぱり。
なんとなくそんな気がしていた。
「一緒に行ってくれるなら、本物の宝石を使ったティアラや、本物の宝石を散りばめたドレスを用意するよ」
さらに思い出した。
確か、ものすごいお金持ちではなかっただろうか。
女生徒達がしばらく前に話題にしていたような気がする。
イッツ・ア、玉の輿!!
しかし、全財産的に言えば、ディーヴァはお金に困ってはいないし、宝石に興味はない。
「いやぁ、その…あたし、もう行く相手が……」
断ろうとする言葉を遮られ、突然手をとられて笑顔で言われる。
この手を叩き落としたい、今すぐに。
「ディーヴァちゃんなら、どんな宝石のティアラにもドレスにも負けないだろうね。そんな子を連れて歩けば、きっと……。
ねえ、まだ誰かのお手付きじゃないんでしょ?一緒にプロムに行こうよ」
彼はホームのクラスが一緒なわけでもなければ、二年前のプロムでのことなどまったく知らないのだろう。
レベルのそこそこ高い女の子をパートナーに連れてプロムに行くというのは、男としてのステータスであり、箔がつくようなもの。
どちらかというと、そちらを目的としてディーヴァを誘っているのかもしれない。
ディーヴァは思わず身構えてしまった。
「ごめんなさい。一緒に行けない、です」
「宝石を使ったティアラに興味ないの?」
「うん、興味ないよ」
「宝石を散りばめたドレスには?プロムのあと、持って帰ってもいいんだよ?」
「興味ないし、ドレスもいらない」
キッパリと断るディーヴァに、手をとったまま唖然とする。
彼も思い出したようだ。
ディーヴァ自身も自分と同じで、もともとは富裕層の人間だということに。