mission 14:blood is thicker than water ~家族というもの~
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帰ったディーヴァは早く電話したい気持ちを抑え、夕飯を食べている間に、話したいことを頭の中でまとめた。
長期戦になることも覚悟し椅子を準備して受話器を取る傍らでは、ダンテもそばで見守っている。
時差を気にし、あちらが午前中まっ昼間くらいの時間に電話すると、数回の呼び出しコールのあと、初老の女性の優しそうな声が聞こえた。
その後ろではミンミンと、あまり聞きなれない虫の声、そしてチリンチリンと鈴に似た、それでいて涼しげな音色がしている。
声は母の物によく似ていた。
「……あ、あの…」
『はい?何でしょう?…どちら様ですか』
それだけで話す予定のことが、頭の中から綺麗さっぱり消えてしまった。
ようやく口から出た言葉は自分の名前。
「あの、あたし…ディーヴァ、です……」
『!?』
それだけで相手は理解したようだ。
お互い自己紹介と、手紙を読んだ話をして、女性同士の楽しい談笑をかわす。
話していてわかる。
祖母はとても優しい人で、母のやさしさはこの人から受け継がれた物であると。
そしてそれは、娘である自分にも、魂として、心としてしっかり受け継がれていっていたら嬉しい。
「あの、おばあちゃんって呼んでもいい…ですか?」
『!……もちろんよ。機会があったら直接聞かせて頂戴』
「はい。いつか…いつか、ママ…母の生まれ故郷に行ってみたいです…」
『ええ、必ずね。さぁさ、敬語もなしよ、家族なんだから』
「はい…じゃなかった、うん、ありがとう」
顔は見れないが、2人とも笑顔で話しているのがお互いわかった。
ダンテにもそれが伝わったか、嬉しそうにディーヴァを撫でている。
しかし、まだ家族が死んで生き残るのは自分ひとり、という話はしないし、出来ない。
心の準備がまだ出来ていないし、どう話していいやらまったくわからない。
その時。
『綾女、誰と話してるんだ』
『ユ、ユリウス…ッ!』
祖母の後ろから、今度は虫と鈴の音以外の、咎めるような声が聞こえた。
「おばあちゃ、」
ディーヴァの声が電話口から聞こえたか、祖父だろう男性が受話器を奪う音が聞こえた。
『ワシらに孫はいないし、一人娘は勘当した!子どもなどもうおらん!』
「きゃ、」
『アナタ…!!』
大音量が響き、受話器から耳を離すディーヴァ。
典型的なイギリス英語だが、英語には違いなく、ダンテにもその声は聞こえた。
「テメェ!いきなり怒鳴るとか何だよジジイ!ディーヴァがびっくりしただろ!」
『ジ、ジジイ!?なんだ君は!!』
「ダンテやめてよ!おじいちゃんもやめて!」
『おじいちゃん!?よく知らんお前におじいちゃんなどと呼ばれたくないわい!』
「あ、えっと…その……」
そのあと、感情のまましばらく怒鳴り散らす祖父。
少しずつ落ち込んでいくディーヴァ、それを慰めるダンテ、そして…。
祖母からは怒りの感情が沸々とわきはじめていた。
『ジュリアス!いい加減にしなさい!!』
『いだだだだ!ワシの大事な髭を引っ張るな!抜ける!!』
祖母の富士山が爆発。
祖父は長い髭でも携えているのだろう、思い切り引っ張られているようだ。
最初はユリウスと呼んでいたが、ジュリアスが祖父の本当の名前のようであり、多分いつもは愛称のユリウスと呼んでいるのだろう。
父と母もそうだった。
本名のクリストファーという長い名前を簡略化するため、短めにクリスと呼んでいた。
怒るときっと本名を呼ぶのだろう、母もそうだった。
そんなところまで一緒とは、やはり親子だ。
『綾女が珍しく怒った…。まるで蓮みたいに……』
『私だって怒ることくらいありますよ!!』
受話器から聞こえてくる痴話げんかにクスリと笑みをこぼすディーヴァ。
祖母が怒り祖父が叱られるその様子は、ディーヴァの母・蓮と父・クリストファーのようでもあり、また、ディーヴァとダンテの関係にも似ていた。
どこまでも似ている。
『私はずっと蓮と手紙で連絡とってたんですよ。この子は私達の孫娘です!!』
『お前…連絡を取り合っていたとは初耳だぞ!?』
『貴方が蓮とあんな別れ方した上に勘当扱いするからですよ!』
『す、すまん…』
長期戦になることも覚悟し椅子を準備して受話器を取る傍らでは、ダンテもそばで見守っている。
時差を気にし、あちらが午前中まっ昼間くらいの時間に電話すると、数回の呼び出しコールのあと、初老の女性の優しそうな声が聞こえた。
その後ろではミンミンと、あまり聞きなれない虫の声、そしてチリンチリンと鈴に似た、それでいて涼しげな音色がしている。
声は母の物によく似ていた。
「……あ、あの…」
『はい?何でしょう?…どちら様ですか』
それだけで話す予定のことが、頭の中から綺麗さっぱり消えてしまった。
ようやく口から出た言葉は自分の名前。
「あの、あたし…ディーヴァ、です……」
『!?』
それだけで相手は理解したようだ。
お互い自己紹介と、手紙を読んだ話をして、女性同士の楽しい談笑をかわす。
話していてわかる。
祖母はとても優しい人で、母のやさしさはこの人から受け継がれた物であると。
そしてそれは、娘である自分にも、魂として、心としてしっかり受け継がれていっていたら嬉しい。
「あの、おばあちゃんって呼んでもいい…ですか?」
『!……もちろんよ。機会があったら直接聞かせて頂戴』
「はい。いつか…いつか、ママ…母の生まれ故郷に行ってみたいです…」
『ええ、必ずね。さぁさ、敬語もなしよ、家族なんだから』
「はい…じゃなかった、うん、ありがとう」
顔は見れないが、2人とも笑顔で話しているのがお互いわかった。
ダンテにもそれが伝わったか、嬉しそうにディーヴァを撫でている。
しかし、まだ家族が死んで生き残るのは自分ひとり、という話はしないし、出来ない。
心の準備がまだ出来ていないし、どう話していいやらまったくわからない。
その時。
『綾女、誰と話してるんだ』
『ユ、ユリウス…ッ!』
祖母の後ろから、今度は虫と鈴の音以外の、咎めるような声が聞こえた。
「おばあちゃ、」
ディーヴァの声が電話口から聞こえたか、祖父だろう男性が受話器を奪う音が聞こえた。
『ワシらに孫はいないし、一人娘は勘当した!子どもなどもうおらん!』
「きゃ、」
『アナタ…!!』
大音量が響き、受話器から耳を離すディーヴァ。
典型的なイギリス英語だが、英語には違いなく、ダンテにもその声は聞こえた。
「テメェ!いきなり怒鳴るとか何だよジジイ!ディーヴァがびっくりしただろ!」
『ジ、ジジイ!?なんだ君は!!』
「ダンテやめてよ!おじいちゃんもやめて!」
『おじいちゃん!?よく知らんお前におじいちゃんなどと呼ばれたくないわい!』
「あ、えっと…その……」
そのあと、感情のまましばらく怒鳴り散らす祖父。
少しずつ落ち込んでいくディーヴァ、それを慰めるダンテ、そして…。
祖母からは怒りの感情が沸々とわきはじめていた。
『ジュリアス!いい加減にしなさい!!』
『いだだだだ!ワシの大事な髭を引っ張るな!抜ける!!』
祖母の富士山が爆発。
祖父は長い髭でも携えているのだろう、思い切り引っ張られているようだ。
最初はユリウスと呼んでいたが、ジュリアスが祖父の本当の名前のようであり、多分いつもは愛称のユリウスと呼んでいるのだろう。
父と母もそうだった。
本名のクリストファーという長い名前を簡略化するため、短めにクリスと呼んでいた。
怒るときっと本名を呼ぶのだろう、母もそうだった。
そんなところまで一緒とは、やはり親子だ。
『綾女が珍しく怒った…。まるで蓮みたいに……』
『私だって怒ることくらいありますよ!!』
受話器から聞こえてくる痴話げんかにクスリと笑みをこぼすディーヴァ。
祖母が怒り祖父が叱られるその様子は、ディーヴァの母・蓮と父・クリストファーのようでもあり、また、ディーヴァとダンテの関係にも似ていた。
どこまでも似ている。
『私はずっと蓮と手紙で連絡とってたんですよ。この子は私達の孫娘です!!』
『お前…連絡を取り合っていたとは初耳だぞ!?』
『貴方が蓮とあんな別れ方した上に勘当扱いするからですよ!』
『す、すまん…』
