mission 14:blood is thicker than water ~家族というもの~
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「ディーヴァーッ!!」
その時、虚空を切り裂いてダンテが突っ込んで来た。
「ダンテ!」
ディーヴァのいる結界と悪魔との間に降り立ったダンテは、一太刀に悪魔の群れを斬り伏せる。
風圧で吹き飛んだ獣の悪魔を追って、ダンテは空中に跳躍。
「フッ!ハァッ!!」
まるで踊るように全てを斬り払い、灰塵に帰した。
地に足をつけたダンテが見据えるのは目の前の一匹。
これで脅威となり得るのはヘル=バンガードただ一体だけとなった。
ディーヴァは結界を解いてダンテの背にしがみつく。
「ダンテ、どうしてここが…?」
「事務所のすぐそばに獲物を誘い込む穴が空いてた。おおかたオレの結界があるから事務所には入れず……代わりに、お前が通るであろう場所に罠をしかけてずっと待ってたんだろうよ」
目だけは眼光鋭く悪魔を見据えたまま、ディーヴァを抱き寄せてポンと頭に手を置くダンテ。
「知らずに通ったから、あたしは見事に引っかかった…ってこと?」
「そんなトコ。コイツ、意外と頭いいな。だが、ひとつ間違いを犯した。ディーヴァをおびき寄せたあとすぐ入り口を閉じないから、オレにまで侵入を許したんだ」
その時、ヘル=バンガード特有の嘲笑にも似た高笑いが響き渡り、鎌をこちらに向けてスイングしてきた。
ディーヴァを抱えて軽くジャンプしたダンテはヘル=バンガードが困惑気味に居所を探るのを見下ろす。
ダンテとディーヴァがいるのは、ヘル=バンガードの構えた刃の上。
「とはいえ、元凶のコイツを殺らねえ限り出れないってことみたいだ」
「ダンテにとって、倒すのは難しい相手だったっけ?」
ダンテの腕の中で挑発気味に聞くディーヴァ。
ダンテはニッと口角を上げる。
「簡単さ!」
ダンテはディーヴァを抱えたまま、片手に構えたリベリオンを敵目掛けて振りかざし、飛び上がって叩きつけた。
***
状況、獣の悪魔の出現…、何もかもが酷似している。
ダンテが助けに来てくれた時、ディーヴァは強くデジャビュを感じた。
「やっぱり似てる」
ディーヴァは悪魔を倒し終えて息を弾ませるダンテの隣で呟く。
「初めてバージルに会った時のことを思い出しちゃった」
「初めて会った時って確か…オレが依頼でいなくて、ディーヴァが腕に怪我してた時か?」
「そう。あの時、バージルはあたしを悪魔から助けてくれたの。颯爽とやって来て、ダンテと同じく、ね」
「へえ、アイツの言ってたことは本当だったのか…」
実はダンテ、今の今までその話を信じられずにいたのだ。
ダンテの指に自分の指を絡ませ、愛しむようにきゅ、と握る。
「ダンテはこうやってあたしをいつでも助けてくれる。悪魔を憎み、弱きを助く人の心に目覚めた悪魔……。反対にバージルは力を求めることに固執しただけ。ふたりは真逆の道を歩いてるけど、根っこは同じだよ」
お互い違う方法ではあったが、家族を守りたい、強くなりたい。
その気持ちは同じだった。
だからこそ、あの時バージルはダンテの手を切ってまで手を離した。
お前まで魔界に身を堕とすことはない――と。
わかりにくいが、この双子はどちらも優しいのだ。
黙って聞いていたダンテは困ったように目を空に向けた。
「ホラ、その表情もよく似てる。双子だからとかじゃなくって、困った時に目をそらしながらするその顔、そっくりだよ」
「…敵わねえな、ディーヴァには」
ヘラリ、笑うディーヴァを撫で、ダンテは赤い空を見つめた。
「やっぱりあいつもオレの家族なんだよなぁ。今ごろ魔界で何をしてるやら…」
いくら憎しみあっても嫌いあっても、兄弟の絆だけは争えない。
魔界に繋がっているかもしれないという悪魔の作り出した空間から出る前に、ダンテは今一度家族である兄に思いを馳せた。
その時、虚空を切り裂いてダンテが突っ込んで来た。
「ダンテ!」
ディーヴァのいる結界と悪魔との間に降り立ったダンテは、一太刀に悪魔の群れを斬り伏せる。
風圧で吹き飛んだ獣の悪魔を追って、ダンテは空中に跳躍。
「フッ!ハァッ!!」
まるで踊るように全てを斬り払い、灰塵に帰した。
地に足をつけたダンテが見据えるのは目の前の一匹。
これで脅威となり得るのはヘル=バンガードただ一体だけとなった。
ディーヴァは結界を解いてダンテの背にしがみつく。
「ダンテ、どうしてここが…?」
「事務所のすぐそばに獲物を誘い込む穴が空いてた。おおかたオレの結界があるから事務所には入れず……代わりに、お前が通るであろう場所に罠をしかけてずっと待ってたんだろうよ」
目だけは眼光鋭く悪魔を見据えたまま、ディーヴァを抱き寄せてポンと頭に手を置くダンテ。
「知らずに通ったから、あたしは見事に引っかかった…ってこと?」
「そんなトコ。コイツ、意外と頭いいな。だが、ひとつ間違いを犯した。ディーヴァをおびき寄せたあとすぐ入り口を閉じないから、オレにまで侵入を許したんだ」
その時、ヘル=バンガード特有の嘲笑にも似た高笑いが響き渡り、鎌をこちらに向けてスイングしてきた。
ディーヴァを抱えて軽くジャンプしたダンテはヘル=バンガードが困惑気味に居所を探るのを見下ろす。
ダンテとディーヴァがいるのは、ヘル=バンガードの構えた刃の上。
「とはいえ、元凶のコイツを殺らねえ限り出れないってことみたいだ」
「ダンテにとって、倒すのは難しい相手だったっけ?」
ダンテの腕の中で挑発気味に聞くディーヴァ。
ダンテはニッと口角を上げる。
「簡単さ!」
ダンテはディーヴァを抱えたまま、片手に構えたリベリオンを敵目掛けて振りかざし、飛び上がって叩きつけた。
***
状況、獣の悪魔の出現…、何もかもが酷似している。
ダンテが助けに来てくれた時、ディーヴァは強くデジャビュを感じた。
「やっぱり似てる」
ディーヴァは悪魔を倒し終えて息を弾ませるダンテの隣で呟く。
「初めてバージルに会った時のことを思い出しちゃった」
「初めて会った時って確か…オレが依頼でいなくて、ディーヴァが腕に怪我してた時か?」
「そう。あの時、バージルはあたしを悪魔から助けてくれたの。颯爽とやって来て、ダンテと同じく、ね」
「へえ、アイツの言ってたことは本当だったのか…」
実はダンテ、今の今までその話を信じられずにいたのだ。
ダンテの指に自分の指を絡ませ、愛しむようにきゅ、と握る。
「ダンテはこうやってあたしをいつでも助けてくれる。悪魔を憎み、弱きを助く人の心に目覚めた悪魔……。反対にバージルは力を求めることに固執しただけ。ふたりは真逆の道を歩いてるけど、根っこは同じだよ」
お互い違う方法ではあったが、家族を守りたい、強くなりたい。
その気持ちは同じだった。
だからこそ、あの時バージルはダンテの手を切ってまで手を離した。
お前まで魔界に身を堕とすことはない――と。
わかりにくいが、この双子はどちらも優しいのだ。
黙って聞いていたダンテは困ったように目を空に向けた。
「ホラ、その表情もよく似てる。双子だからとかじゃなくって、困った時に目をそらしながらするその顔、そっくりだよ」
「…敵わねえな、ディーヴァには」
ヘラリ、笑うディーヴァを撫で、ダンテは赤い空を見つめた。
「やっぱりあいつもオレの家族なんだよなぁ。今ごろ魔界で何をしてるやら…」
いくら憎しみあっても嫌いあっても、兄弟の絆だけは争えない。
魔界に繋がっているかもしれないという悪魔の作り出した空間から出る前に、ダンテは今一度家族である兄に思いを馳せた。