mission 14:blood is thicker than water ~家族というもの~
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
夕方になる少し前。
ダンテからの「終わったから帰る。今日はピザが食いたい」といった電話をもらい、ディーヴァは久しぶりにダンテの好物・ピザを焼こうと思いたつ。
「あ、トマト切れてるの忘れてた」
冷蔵庫を見るとトマトがない。
ディーヴァはピザを作る際、フレッシュなトマトを使ってピザソースやトマトソースを作るようにしているのだが、マーケットのトマトは意外と傷むのが早いらしく、まとめ買いでなくこまめに買うようにしていたのだ。
そして、件のトマトだが昨日の夕飯にすべて使い切ってしまった。
トマトだけ買えばいいだろう。
ディーヴァはエプロンを外すと、財布を手にマーケットへと急いだ。
マーケットへと急ぐ道すがら、ディーヴァはなんともいえぬ違和感を感じた。
じっとりじわりと嫌な空気が足にまとわりつく。
「ん…なんだろ、このカンジ……」
チリチリと首の後ろに走るこの感じは、悪魔が近くにいる時によく起こるものに酷似している。
ここはスラム街にはほど近いとは言え、ひとけがなくなることは稀である。
だからこそある程度は安心してディーヴァもひとりで外に出れる。
だというのに。
よくよく見れば、周りには先ほどまでいたはずの人間が、そして鳥や猫一匹すらも見当たらない。
自分1人がどこか違う世界にでも迷い込んだかのようで、夏の夕日も滴り落ちるような血の色をしていた。
「うう、悪い予感しかしないよ…」
誰に聞かせるわけでもなく、ディーヴァは小さく呟く。
そしてこの『世界』から抜け出すべく、走った。
終わりなき迷路のような、この『世界』から…。
はぁはぁと息を切らせて走っていると、背後で銀色の何かが閃いた。
悪い死の予感を的中させる異形のモノがその背に迫る。
危険を察知したディーヴァは真横に飛んで何かをかわした。
「ッ!!」
後ろを振り返れば、そこにはやはり悪魔。
今、後ろを薙いでいったのは、悪魔の振りかざす大きな鎌らしい。
どこからどう見ても、ヘル=バンガードにしか見えないそれ。
こんな所に出現するとは珍しいこともあるものだが、ディーヴァにはそんなことを考える余裕はなかった。
獣のような悪魔を周りに配置しこちらを凝視している悪魔は、テメンニグルで見た時よりも数倍強力に見える。
次いで振るわれた鎌を間一髪、結界を発動させて防ぐディーヴァは、恐怖に固まっていた表情をしてやったり顔へと変える。
しかし、悪魔は弾かれた鎌を構え直し、更に力まかせに打ち付けた。
周りに配置された獣の悪魔も、牙と爪を振るう。
「きゃっ!」
実を言うとディーヴァの結界は決して万能とは言えない。
そもそも『壁』とは何度も攻撃を与えられれば、崩れて消え去る運命。
少しずつ、結界は薄くなり、軋み始める。
ピシッピシッ!
とうとうヒビも入って、その範囲が広範囲に広がっていく。
だめ、もたない…ッ!!
一変して焦りの表情を見せたディーヴァは、絶体絶命のピンチにぎゅ、と目をつぶった。
ダンテからの「終わったから帰る。今日はピザが食いたい」といった電話をもらい、ディーヴァは久しぶりにダンテの好物・ピザを焼こうと思いたつ。
「あ、トマト切れてるの忘れてた」
冷蔵庫を見るとトマトがない。
ディーヴァはピザを作る際、フレッシュなトマトを使ってピザソースやトマトソースを作るようにしているのだが、マーケットのトマトは意外と傷むのが早いらしく、まとめ買いでなくこまめに買うようにしていたのだ。
そして、件のトマトだが昨日の夕飯にすべて使い切ってしまった。
トマトだけ買えばいいだろう。
ディーヴァはエプロンを外すと、財布を手にマーケットへと急いだ。
マーケットへと急ぐ道すがら、ディーヴァはなんともいえぬ違和感を感じた。
じっとりじわりと嫌な空気が足にまとわりつく。
「ん…なんだろ、このカンジ……」
チリチリと首の後ろに走るこの感じは、悪魔が近くにいる時によく起こるものに酷似している。
ここはスラム街にはほど近いとは言え、ひとけがなくなることは稀である。
だからこそある程度は安心してディーヴァもひとりで外に出れる。
だというのに。
よくよく見れば、周りには先ほどまでいたはずの人間が、そして鳥や猫一匹すらも見当たらない。
自分1人がどこか違う世界にでも迷い込んだかのようで、夏の夕日も滴り落ちるような血の色をしていた。
「うう、悪い予感しかしないよ…」
誰に聞かせるわけでもなく、ディーヴァは小さく呟く。
そしてこの『世界』から抜け出すべく、走った。
終わりなき迷路のような、この『世界』から…。
はぁはぁと息を切らせて走っていると、背後で銀色の何かが閃いた。
悪い死の予感を的中させる異形のモノがその背に迫る。
危険を察知したディーヴァは真横に飛んで何かをかわした。
「ッ!!」
後ろを振り返れば、そこにはやはり悪魔。
今、後ろを薙いでいったのは、悪魔の振りかざす大きな鎌らしい。
どこからどう見ても、ヘル=バンガードにしか見えないそれ。
こんな所に出現するとは珍しいこともあるものだが、ディーヴァにはそんなことを考える余裕はなかった。
獣のような悪魔を周りに配置しこちらを凝視している悪魔は、テメンニグルで見た時よりも数倍強力に見える。
次いで振るわれた鎌を間一髪、結界を発動させて防ぐディーヴァは、恐怖に固まっていた表情をしてやったり顔へと変える。
しかし、悪魔は弾かれた鎌を構え直し、更に力まかせに打ち付けた。
周りに配置された獣の悪魔も、牙と爪を振るう。
「きゃっ!」
実を言うとディーヴァの結界は決して万能とは言えない。
そもそも『壁』とは何度も攻撃を与えられれば、崩れて消え去る運命。
少しずつ、結界は薄くなり、軋み始める。
ピシッピシッ!
とうとうヒビも入って、その範囲が広範囲に広がっていく。
だめ、もたない…ッ!!
一変して焦りの表情を見せたディーヴァは、絶体絶命のピンチにぎゅ、と目をつぶった。