mission 14:blood is thicker than water ~家族というもの~
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6月に入り、夏休みになった。
州によって異なるが、ディーヴァの高校は6月上旬から8月下旬くらいが夏休みである。
そして今回の始まりは、6月にしてはじっとりと暑い夜のこと…。
いつも寄り添いあって眠るダンテとディーヴァ。
暑いとはいえ、本日も共に寝ている。
「…うっ…」
先ほどから傍らのダンテがうなされていることにディーヴァが気が付いた。
ゆるゆるとまぶたを開き、隣の温もりに目を向ける。
「ダンテ…?」
暑さで寝苦しいからか、それとも…?
ダンテがたくさん汗をかいている。
ディーヴァは近くにあったタオルを手にとり、額や首筋に浮かぶ汗を拭いてあげることにした。
***
これは夢だ。
今までに何度も何度も見てきた。
今のダンテはヒトリじゃない、ディーヴァという温かな存在がいる。
なのに、今年もまた見ることになるとは思わなかった。
おびただしい量の紅黒い液体が飛び散り、赤く燃え盛る炎が反射する。
その中央に倒れるのは、豊かな金髪を持つ女性。
女性の胸には大きな穴が穿たれ、その魂はすでにここにないとわかる。
「母さん!…母さんっ!!目を開けてよ!」
「ダンテ、早く逃げないと僕達も悪魔に殺されちゃうよ!早く逃げるように母さんも言ってただろ!」
「いやだ、僕は母さんを置いてなんていけない!……母さんっ!!」
わかってはいるのに、ここでの自分はただ恐怖と悲しみで泣き叫ぶのみだ。
隣にいるバージルが、ダンテの腕をつかんで早くここから離れようと叫んでいるのも耳には入っていない。
繰り返し見てきたこの情景を別世界のことのように感じるが、全て実際に起こった出来事。
悪魔が戻ってくるのを危惧したバージルが、先に逃げてしまってもダンテは母の名を呼び続けた。
母の体が氷のように冷たい躯となり果てるまで……。
***
さらにひどくうなされているようだ。
ダンテの息は荒いのに、顔が真っ青で汗がとめどなくふき出ていた。
これは無理やりにでも起こした方が良いかもしれない。
「ねえっ!どうしたのダンテ!ねえってば!!」
ディーヴァはダンテに起きるよう呼びかけ、少々強めに揺さぶった。
「…っ!」
「ダ、ダンテ!?」
何度目かの振動で、突然目を見開きガバリと起き上がる。
呼吸障害に陥りそうなほど、ダンテは息を激しく弾ませていた。
そして隣のディーヴァに気がつくと、引き寄せて腕に封じ込める。
有無を言わさないその動きに、ディーヴァは無言でただされるがままでいた。
「……かあさん…」
「…え?」
ダンテの震える唇が、母の名を呟く。
ダンテが泣いている。
幼子のように震えて泣いている。
見上げればそこには涙を流すダンテの姿があった。
何があったのか聞きたい気持ちは大きいが、今はダンテが落ち着くまでそのままでいたい。
ディーヴァはかつて自分の母がそうしてくれたように、ダンテを自分からもぎゅっと抱き締めた。
州によって異なるが、ディーヴァの高校は6月上旬から8月下旬くらいが夏休みである。
そして今回の始まりは、6月にしてはじっとりと暑い夜のこと…。
いつも寄り添いあって眠るダンテとディーヴァ。
暑いとはいえ、本日も共に寝ている。
「…うっ…」
先ほどから傍らのダンテがうなされていることにディーヴァが気が付いた。
ゆるゆるとまぶたを開き、隣の温もりに目を向ける。
「ダンテ…?」
暑さで寝苦しいからか、それとも…?
ダンテがたくさん汗をかいている。
ディーヴァは近くにあったタオルを手にとり、額や首筋に浮かぶ汗を拭いてあげることにした。
***
これは夢だ。
今までに何度も何度も見てきた。
今のダンテはヒトリじゃない、ディーヴァという温かな存在がいる。
なのに、今年もまた見ることになるとは思わなかった。
おびただしい量の紅黒い液体が飛び散り、赤く燃え盛る炎が反射する。
その中央に倒れるのは、豊かな金髪を持つ女性。
女性の胸には大きな穴が穿たれ、その魂はすでにここにないとわかる。
「母さん!…母さんっ!!目を開けてよ!」
「ダンテ、早く逃げないと僕達も悪魔に殺されちゃうよ!早く逃げるように母さんも言ってただろ!」
「いやだ、僕は母さんを置いてなんていけない!……母さんっ!!」
わかってはいるのに、ここでの自分はただ恐怖と悲しみで泣き叫ぶのみだ。
隣にいるバージルが、ダンテの腕をつかんで早くここから離れようと叫んでいるのも耳には入っていない。
繰り返し見てきたこの情景を別世界のことのように感じるが、全て実際に起こった出来事。
悪魔が戻ってくるのを危惧したバージルが、先に逃げてしまってもダンテは母の名を呼び続けた。
母の体が氷のように冷たい躯となり果てるまで……。
***
さらにひどくうなされているようだ。
ダンテの息は荒いのに、顔が真っ青で汗がとめどなくふき出ていた。
これは無理やりにでも起こした方が良いかもしれない。
「ねえっ!どうしたのダンテ!ねえってば!!」
ディーヴァはダンテに起きるよう呼びかけ、少々強めに揺さぶった。
「…っ!」
「ダ、ダンテ!?」
何度目かの振動で、突然目を見開きガバリと起き上がる。
呼吸障害に陥りそうなほど、ダンテは息を激しく弾ませていた。
そして隣のディーヴァに気がつくと、引き寄せて腕に封じ込める。
有無を言わさないその動きに、ディーヴァは無言でただされるがままでいた。
「……かあさん…」
「…え?」
ダンテの震える唇が、母の名を呟く。
ダンテが泣いている。
幼子のように震えて泣いている。
見上げればそこには涙を流すダンテの姿があった。
何があったのか聞きたい気持ちは大きいが、今はダンテが落ち着くまでそのままでいたい。
ディーヴァはかつて自分の母がそうしてくれたように、ダンテを自分からもぎゅっと抱き締めた。