mission 13:jealousy ~黒い澱みとお茶の味~
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2人はリビングの椅子に腰掛けて向かい合っていた。
ティーポットに入ったハーブティーが、ふわりとダンテとディーヴァの間に香り、お互いの緊張を和らげている。
ダンテもディーヴァももう泣いていない。
お互いの心が落ち着くのを待って、ダンテは何でこうなったのかを聞いた。
ダンテがディーヴァに手をあげたような形を取ってしまったとはいえ、発端はディーヴァの浮気疑惑なのだ。
しかし、その全貌が明らかになるや「なんだそんなことか」と拍子抜けしそうになってしまった。
ダンテの早とちりと勘違い、そしてディーヴァの油断や様々な事柄が少々重なった上、タイミングも悪かっただけだった。
「しっかし、友情の意味とはいえ頬にキスとは…。ディーヴァもよく受け入れたよな」
「だから言ったでしょ。不意打ちだし、ビックリして反応が遅れたし、ダンテのおかげもあって男の子に慣れたんだってば」
「くぅ…オレの普段の激しいスキンシップがあだとなったか……」
口をきゅっと結んで唸るダンテ。
ディーヴァは苦笑すると、蒸らし時間の終わったお茶を、ティーカップに注ぐ。
ぎゅ。
そしてダンテの手を、自らの手で優しく包み込んだ。
目を伏せてぽつりぽつりと話す。
長いまつげが目を覆い隠して表情を見えなくするが、慈しむような優しい表情をしているとわかった。
「あたしはもう、ダンテとしかこうやって心から落ち着いてお茶を楽しめないんだ。
他の人とじゃ体がこわばるし、緊張して味もきちんとわからなくなっちゃう。美味しいハーブティーもミルクティーも、全部全部ダンテとだから美味しいの」
「ディーヴァ…」
「さてと、ダンテは何のお茶にする?たまにはダンテの好きなもの何でも淹れるよ。今、飲んでるハーブティー?それともダンテが美味しいっていってくれたあたしのとっておきのブレンド?甘いココアだって、はちみつやジャムをたーっぷり入れた甘ーい紅茶だってなんでも淹れるよ!」
にっこりと花が咲き誇るような笑顔を見せて、ディーヴァはダンテに言う。
まるで、「ダンテも笑顔になって!」と元気づけるように…。
ダンテは包まれていた手を離させると、ディーヴァに近づいてその胸に迎え入れた。
「何だっていい…ディーヴァと同じのをくれ……。
ディーヴァと一緒だから、オレもなんでも美味しく思えるんだ」
慈しむように、癒すように…そして甘えるように抱き締めるダンテ。
滑らかな髪に顔を擦り寄せてから、ディーヴァに向き直る。
「ディーヴァ……ごめんな。泣かせた。…悲しい思いも、怖い思いもさせた」
顔にかかった髪の毛を耳にかけてやりながら、ふっくらとした肌を撫でる。
目元は涙の流しすぎか、いまだ赤く腫れていた。
「オレ、恋人も家族も…ボディーガードも全部失格だ」
「そんなこと…。あたしこそごめんね。確かに怖かったし心が痛かった。けどね、正直言うと嬉しかったの」
「嬉しい?」
ゆっくり頷いて続ける。
「ダンテが嫉妬深いのは知ってた。あんなに嫉妬されて逆に愛を感じちゃったの。まるでストックホルム症候群みたいだよね…」
「かもな」
悪魔に誘拐された天使。
確かに種族上では、見る人によってそう言われてもおかしくない関係。
「…もう戻れないな、オレ達」
「うん、もう好きすぎて、戻れないのかもね」
2人は手を絡ませて、見つめ合った。
その手と同じく、運命も人生も全てが、複雑に絡んだ糸のように離れられない依存状態になってしまっている、そういうことなのかもしれない。
●あとがき
このダンテ、ドSなんだかヤンデレなんだか。
…どっちだよ!!
ティーポットに入ったハーブティーが、ふわりとダンテとディーヴァの間に香り、お互いの緊張を和らげている。
ダンテもディーヴァももう泣いていない。
お互いの心が落ち着くのを待って、ダンテは何でこうなったのかを聞いた。
ダンテがディーヴァに手をあげたような形を取ってしまったとはいえ、発端はディーヴァの浮気疑惑なのだ。
しかし、その全貌が明らかになるや「なんだそんなことか」と拍子抜けしそうになってしまった。
ダンテの早とちりと勘違い、そしてディーヴァの油断や様々な事柄が少々重なった上、タイミングも悪かっただけだった。
「しっかし、友情の意味とはいえ頬にキスとは…。ディーヴァもよく受け入れたよな」
「だから言ったでしょ。不意打ちだし、ビックリして反応が遅れたし、ダンテのおかげもあって男の子に慣れたんだってば」
「くぅ…オレの普段の激しいスキンシップがあだとなったか……」
口をきゅっと結んで唸るダンテ。
ディーヴァは苦笑すると、蒸らし時間の終わったお茶を、ティーカップに注ぐ。
ぎゅ。
そしてダンテの手を、自らの手で優しく包み込んだ。
目を伏せてぽつりぽつりと話す。
長いまつげが目を覆い隠して表情を見えなくするが、慈しむような優しい表情をしているとわかった。
「あたしはもう、ダンテとしかこうやって心から落ち着いてお茶を楽しめないんだ。
他の人とじゃ体がこわばるし、緊張して味もきちんとわからなくなっちゃう。美味しいハーブティーもミルクティーも、全部全部ダンテとだから美味しいの」
「ディーヴァ…」
「さてと、ダンテは何のお茶にする?たまにはダンテの好きなもの何でも淹れるよ。今、飲んでるハーブティー?それともダンテが美味しいっていってくれたあたしのとっておきのブレンド?甘いココアだって、はちみつやジャムをたーっぷり入れた甘ーい紅茶だってなんでも淹れるよ!」
にっこりと花が咲き誇るような笑顔を見せて、ディーヴァはダンテに言う。
まるで、「ダンテも笑顔になって!」と元気づけるように…。
ダンテは包まれていた手を離させると、ディーヴァに近づいてその胸に迎え入れた。
「何だっていい…ディーヴァと同じのをくれ……。
ディーヴァと一緒だから、オレもなんでも美味しく思えるんだ」
慈しむように、癒すように…そして甘えるように抱き締めるダンテ。
滑らかな髪に顔を擦り寄せてから、ディーヴァに向き直る。
「ディーヴァ……ごめんな。泣かせた。…悲しい思いも、怖い思いもさせた」
顔にかかった髪の毛を耳にかけてやりながら、ふっくらとした肌を撫でる。
目元は涙の流しすぎか、いまだ赤く腫れていた。
「オレ、恋人も家族も…ボディーガードも全部失格だ」
「そんなこと…。あたしこそごめんね。確かに怖かったし心が痛かった。けどね、正直言うと嬉しかったの」
「嬉しい?」
ゆっくり頷いて続ける。
「ダンテが嫉妬深いのは知ってた。あんなに嫉妬されて逆に愛を感じちゃったの。まるでストックホルム症候群みたいだよね…」
「かもな」
悪魔に誘拐された天使。
確かに種族上では、見る人によってそう言われてもおかしくない関係。
「…もう戻れないな、オレ達」
「うん、もう好きすぎて、戻れないのかもね」
2人は手を絡ませて、見つめ合った。
その手と同じく、運命も人生も全てが、複雑に絡んだ糸のように離れられない依存状態になってしまっている、そういうことなのかもしれない。
●あとがき
このダンテ、ドSなんだかヤンデレなんだか。
…どっちだよ!!