mission 13:jealousy ~黒い澱みとお茶の味~
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シャラン…
その場に似つかわしくない涼やかな音が響いた。
ダンテはハッとして発生源をみる。
ディーヴァの胸元で、自分がプレゼントしたネックレスが揺れていた。
あの時の気持ちがよみがえってくる。
二年前のクリスマス…。
ディーヴァにクリスマスプレゼントを渡したくて、片っ端から依頼をこなしていった。
それがどんなにつまらない依頼だろうと、めんどくさがりの自分が嫌な顔ひとつせずによくやったものだ。
何度も通ったアクセサリーショップ。
ディーヴァを想い、どれが似合うか、気に入ってくれるだろうかと一生懸命考え抜いて選んだあの時を思い出す。
白い真珠が、純白の天使…ディーヴァ。
赤いガーネットが、自分のトレードマーク。
寄り添う様が自分達のようだ。
いつまでもこうあれたらと、そう思っていたあの時。
『ダンテとおそろい』と嬉しそうに笑ったディーヴァの顔。
初めてのキスは出会いの時に必然的にだったが、このネックレスを渡した時が本当の意味での心が結ばれた証のキスだった。
幸せだった。
大切な思い出、これからも幸せな思い出を2人でたくさん重ねていくとそう誓った。
あの時の幸せが今、自分を正常な考えへと引き戻す。
赤と白のネックレスが自分を責めるように、戒めるようにキラリと光った。
胸元から上へと視線を上げていくと、泣き顔のディーヴァが目に映る。
体に纏う衣服もほとんどない状態で、下着が露になっている。
そして、ディーヴァの細腕を強く掴む、自分の手…。
幸せの思いは過去形になりつつある。
他でもない、バカバカしい自分の醜い嫉妬のせいで。
「オレは……なにを、した………?」
我に返ったダンテは目を見開き、自分の顔を手で覆い、その場に膝をつく。
解放されたことでディーヴァもその場に座り込み、嗚咽をあげていた。
これ以上ないというほどディーヴァは泣いている。
このままでは涙が枯れてしまうのではなかろうか、そう思うほど止めどなくあふれる涙。
ダンテはどうしていいかわからず、絶望にうちひしがれながら壁際に座り込む。
自分が何をしたのかは覚えている。
いくら怒りに身を任せていたとはいえ、まさに悪魔の所業といえる行動をとってしまったのは事実だ。
先程までは本気でディーヴァを閉じ込めてしまおうかと考えたし、もっとひどいこともたくさん考えた。
しかし…。
本当にこれがオレの望んだことだったのだろか?
…違う。
ディーヴァは自分の恋人だが、ディーヴァにも自由があるし、ディーヴァは『物』じゃない。
泣かせていいはずがないし、泣かせたくなんてなかった。
「悪魔の技を使ってディーヴァに怖い思いさせるなんて最低じゃねぇか、オレ…」
その辺の悪魔よりもっと質が悪い。
目をギュッとつぶり、ダンテは自分の失態にうち震えて拳を握った。
そして、ディーヴァに近づいて腰を折ると、謝った。
「…っ!ごめん…」
どんな罵倒も責め句も受ける覚悟だ。
謝ってすむとも思えないがそれしか自分に出来ることなんて思い付かなかった。
ディーヴァは怯えた目でダンテを見ている。
無理もない、それだけのことをしてしまったのだから。
まだ下着同然の姿のディーヴァを労るように、ダンテはそばにあった自分のコートをかけて抱き締めた。
「ゃ…放して!」
ダンテの腕から逃れようともがき、暴れるディーヴァ。
「大丈夫、大丈夫だ…もう、何もしない」
ひっかかれようが、叩かれようが、ダンテは撫でながら、ディーヴァを抱き締めて離さなかった。
「すまなかった、ディーヴァ」
ディーヴァの物ではない涙声が上から聞こえる。
ポタリ、ディーヴァの肩口に水滴が落ちた。
見上げるとダンテもポロポロと涙をこぼし泣いていた。
あのダンテが、泣いている。
それだけで、ディーヴァは泣くのを止めた。
「ダ、ンテ…?」
「本当に…すまない」
その涙を掬いとり、ディーヴァはぎゅ…とその背に腕をまわし、抱き締め返した。
「…ん、もういい。もういいよ、ダンテ…」
その場に似つかわしくない涼やかな音が響いた。
ダンテはハッとして発生源をみる。
ディーヴァの胸元で、自分がプレゼントしたネックレスが揺れていた。
あの時の気持ちがよみがえってくる。
二年前のクリスマス…。
ディーヴァにクリスマスプレゼントを渡したくて、片っ端から依頼をこなしていった。
それがどんなにつまらない依頼だろうと、めんどくさがりの自分が嫌な顔ひとつせずによくやったものだ。
何度も通ったアクセサリーショップ。
ディーヴァを想い、どれが似合うか、気に入ってくれるだろうかと一生懸命考え抜いて選んだあの時を思い出す。
白い真珠が、純白の天使…ディーヴァ。
赤いガーネットが、自分のトレードマーク。
寄り添う様が自分達のようだ。
いつまでもこうあれたらと、そう思っていたあの時。
『ダンテとおそろい』と嬉しそうに笑ったディーヴァの顔。
初めてのキスは出会いの時に必然的にだったが、このネックレスを渡した時が本当の意味での心が結ばれた証のキスだった。
幸せだった。
大切な思い出、これからも幸せな思い出を2人でたくさん重ねていくとそう誓った。
あの時の幸せが今、自分を正常な考えへと引き戻す。
赤と白のネックレスが自分を責めるように、戒めるようにキラリと光った。
胸元から上へと視線を上げていくと、泣き顔のディーヴァが目に映る。
体に纏う衣服もほとんどない状態で、下着が露になっている。
そして、ディーヴァの細腕を強く掴む、自分の手…。
幸せの思いは過去形になりつつある。
他でもない、バカバカしい自分の醜い嫉妬のせいで。
「オレは……なにを、した………?」
我に返ったダンテは目を見開き、自分の顔を手で覆い、その場に膝をつく。
解放されたことでディーヴァもその場に座り込み、嗚咽をあげていた。
これ以上ないというほどディーヴァは泣いている。
このままでは涙が枯れてしまうのではなかろうか、そう思うほど止めどなくあふれる涙。
ダンテはどうしていいかわからず、絶望にうちひしがれながら壁際に座り込む。
自分が何をしたのかは覚えている。
いくら怒りに身を任せていたとはいえ、まさに悪魔の所業といえる行動をとってしまったのは事実だ。
先程までは本気でディーヴァを閉じ込めてしまおうかと考えたし、もっとひどいこともたくさん考えた。
しかし…。
本当にこれがオレの望んだことだったのだろか?
…違う。
ディーヴァは自分の恋人だが、ディーヴァにも自由があるし、ディーヴァは『物』じゃない。
泣かせていいはずがないし、泣かせたくなんてなかった。
「悪魔の技を使ってディーヴァに怖い思いさせるなんて最低じゃねぇか、オレ…」
その辺の悪魔よりもっと質が悪い。
目をギュッとつぶり、ダンテは自分の失態にうち震えて拳を握った。
そして、ディーヴァに近づいて腰を折ると、謝った。
「…っ!ごめん…」
どんな罵倒も責め句も受ける覚悟だ。
謝ってすむとも思えないがそれしか自分に出来ることなんて思い付かなかった。
ディーヴァは怯えた目でダンテを見ている。
無理もない、それだけのことをしてしまったのだから。
まだ下着同然の姿のディーヴァを労るように、ダンテはそばにあった自分のコートをかけて抱き締めた。
「ゃ…放して!」
ダンテの腕から逃れようともがき、暴れるディーヴァ。
「大丈夫、大丈夫だ…もう、何もしない」
ひっかかれようが、叩かれようが、ダンテは撫でながら、ディーヴァを抱き締めて離さなかった。
「すまなかった、ディーヴァ」
ディーヴァの物ではない涙声が上から聞こえる。
ポタリ、ディーヴァの肩口に水滴が落ちた。
見上げるとダンテもポロポロと涙をこぼし泣いていた。
あのダンテが、泣いている。
それだけで、ディーヴァは泣くのを止めた。
「ダ、ンテ…?」
「本当に…すまない」
その涙を掬いとり、ディーヴァはぎゅ…とその背に腕をまわし、抱き締め返した。
「…ん、もういい。もういいよ、ダンテ…」