mission 13:jealousy ~黒い澱みとお茶の味~
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テメンニグルでリバイアサンの腹の中に落とされた時を思い出した。
リバイアサンの腹の中すなわち、嫉妬の地獄である。
あそこにいた時もこの『嫉妬』という感情で気が狂いそうになった。
ドロドロと黒い、コールタールのような感覚がダンテの内側を満たしていく。
去年ディーヴァが参加した先輩とのプロムナードなんか比ではない。
今しがた見た光景はそれほどの衝撃と憎しみと、荒れ狂う嫉妬を引き起こして渦を巻く。
ダンテは唇をギリギリと噛んだ。
強く強く、血が滲むほどに。
***
「ただいま、ダンテ」
もう少しで日が落ちる頃になってようやく帰ったディーヴァは、ダンテが無言なことを不思議に思った。
いつもなら両手を広げて出迎えてくるし、それがなくとも「おかえり」の一言は必ずといっていいほどあるのだから。
「ダンテ…?」
「……」
「ま、いいか。着替えてきちゃうね」
だが、ダンテの無言劇を無視してディーヴァは、着替えるべく二階に上がった。
汗をかいて張り付いたブラウスが気持ち悪いし、早く脱ぎたい。
夏服の短いパフスリーブ袖をゆらしながら、部屋へ飛び込む。
まずはニーソックスを脱ぎ終え綺麗に畳んだ。
次にネクタイリボンをしゅるしゅるとほどき、ブラウスのボタンに手をかける。
バタン。
その時背後でドアが閉まる音がした。
「あれ、ダンテ?…もうっ!いつもノックしてって言ってるでしょ」
ドアを後ろ手でしめるダンテ。
その表情は下を向いたままな上、夕暮れの太陽が照らしていてうかがい知ることが出来なかった。
「お前…今日何してた?」
「何って、勉強会だって言ったじゃない?」
「ふーん。男女がたくさんいるんじゃなかったのか?」
「えっと、確かにみんなでだった…けど…」
「へぇ……」
ダンテはゆっくりと、だが確実に歩みその距離を詰めてくる。
今まで感じたことのない威圧感をダンテから感じた。
後退するも、そこはベッドである。
ベッドに倒れ込む寸前、ダンテはがしりとディーヴァの肩をつかみ、覆いかぶさってきた。
「やっ…ダ、ダンテ…?」
とても怖い顔。
まるで憎い悪魔を目の前にしている時と同じ…。
「他の奴がいたなんて嘘…なんでつくんだ?お前、男と2人っきりだったよな」
「それはみんな帰っちゃったからで…って、ダンテ、見てたの!?そういうのやめてって言ってるじゃん!」
ダンテの顔を見ぬよう、目をそらしながら咎める。
気にするそぶりもなく、ダンテはディーヴァを問い詰めていった。
「偶然だ。それよりディーヴァ…あいつにキス、されてたよな」
ぎくり。
一番見られたくないあの瞬間を見られてしまったようだ。
「ほっぺに、だよ…」
「嬉しそうにしてたな」
「そんなことない!」
鋭く声をあげるディーヴァ。
呆気にとられダンテも一瞬止まるが、それは本当に一瞬のこと。
「ほぉ…」
「だって…だって友愛のキスだもん……それに、あのほっぺちゅーにはさすがにびっくりしちゃったけど、ダンテのおかげで学校の男の子にも慣れてきたんだよ?」
ディーヴァは今でも男子が少し苦手だ。
けれどダンテのおかげもあってか、少しずつ男子生徒とのふれあいも増え、今では友人が近くにいずとも会話できるようになっていた。
さすがに知らない者とはなかなか打ち解けられないが…。
「アレを見せられるくらいなら、男に慣れないままでよかったかもな…。あいつ…いや、あいつだけじゃない。全員殺してやろうかと思った」
目にしたとたん、怒りからくる殺意ゆえ全身に毛が逆立ったのを覚えている。
ギラギラと鋭い刃のような鋭さで、ダンテの瞳は燃えていた。
リバイアサンの腹の中すなわち、嫉妬の地獄である。
あそこにいた時もこの『嫉妬』という感情で気が狂いそうになった。
ドロドロと黒い、コールタールのような感覚がダンテの内側を満たしていく。
去年ディーヴァが参加した先輩とのプロムナードなんか比ではない。
今しがた見た光景はそれほどの衝撃と憎しみと、荒れ狂う嫉妬を引き起こして渦を巻く。
ダンテは唇をギリギリと噛んだ。
強く強く、血が滲むほどに。
***
「ただいま、ダンテ」
もう少しで日が落ちる頃になってようやく帰ったディーヴァは、ダンテが無言なことを不思議に思った。
いつもなら両手を広げて出迎えてくるし、それがなくとも「おかえり」の一言は必ずといっていいほどあるのだから。
「ダンテ…?」
「……」
「ま、いいか。着替えてきちゃうね」
だが、ダンテの無言劇を無視してディーヴァは、着替えるべく二階に上がった。
汗をかいて張り付いたブラウスが気持ち悪いし、早く脱ぎたい。
夏服の短いパフスリーブ袖をゆらしながら、部屋へ飛び込む。
まずはニーソックスを脱ぎ終え綺麗に畳んだ。
次にネクタイリボンをしゅるしゅるとほどき、ブラウスのボタンに手をかける。
バタン。
その時背後でドアが閉まる音がした。
「あれ、ダンテ?…もうっ!いつもノックしてって言ってるでしょ」
ドアを後ろ手でしめるダンテ。
その表情は下を向いたままな上、夕暮れの太陽が照らしていてうかがい知ることが出来なかった。
「お前…今日何してた?」
「何って、勉強会だって言ったじゃない?」
「ふーん。男女がたくさんいるんじゃなかったのか?」
「えっと、確かにみんなでだった…けど…」
「へぇ……」
ダンテはゆっくりと、だが確実に歩みその距離を詰めてくる。
今まで感じたことのない威圧感をダンテから感じた。
後退するも、そこはベッドである。
ベッドに倒れ込む寸前、ダンテはがしりとディーヴァの肩をつかみ、覆いかぶさってきた。
「やっ…ダ、ダンテ…?」
とても怖い顔。
まるで憎い悪魔を目の前にしている時と同じ…。
「他の奴がいたなんて嘘…なんでつくんだ?お前、男と2人っきりだったよな」
「それはみんな帰っちゃったからで…って、ダンテ、見てたの!?そういうのやめてって言ってるじゃん!」
ダンテの顔を見ぬよう、目をそらしながら咎める。
気にするそぶりもなく、ダンテはディーヴァを問い詰めていった。
「偶然だ。それよりディーヴァ…あいつにキス、されてたよな」
ぎくり。
一番見られたくないあの瞬間を見られてしまったようだ。
「ほっぺに、だよ…」
「嬉しそうにしてたな」
「そんなことない!」
鋭く声をあげるディーヴァ。
呆気にとられダンテも一瞬止まるが、それは本当に一瞬のこと。
「ほぉ…」
「だって…だって友愛のキスだもん……それに、あのほっぺちゅーにはさすがにびっくりしちゃったけど、ダンテのおかげで学校の男の子にも慣れてきたんだよ?」
ディーヴァは今でも男子が少し苦手だ。
けれどダンテのおかげもあってか、少しずつ男子生徒とのふれあいも増え、今では友人が近くにいずとも会話できるようになっていた。
さすがに知らない者とはなかなか打ち解けられないが…。
「アレを見せられるくらいなら、男に慣れないままでよかったかもな…。あいつ…いや、あいつだけじゃない。全員殺してやろうかと思った」
目にしたとたん、怒りからくる殺意ゆえ全身に毛が逆立ったのを覚えている。
ギラギラと鋭い刃のような鋭さで、ダンテの瞳は燃えていた。