mission 12:angelic wings ~特訓と成果~
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2月も終わり、3月に入った。
通りにはまだまだ冬の風が吹き、コートやマフラーを身に纏う者ばかりが行き交う。
淡い色合いのモヘアのセーターに身を包んだディーヴァは、外を歩く人々を窓から眺めては自分のことのように体を縮こませ、手元のカップを傾けた。
「寒いのか?」
後ろから暖かな熱が、ディーヴァをぎゅうと包みこむ。
もともと室内で暖かいが、背中から移された熱で、更に暖かさを増す。
熱源は言わずもがな、ダンテ。
半魔ゆえの少々高い体温がディーヴァをぬくぬくと暖めた。
「ん、大丈夫だよ」
部屋は暖かいが、外は寒い。
今ごろは友人が冷たい風に肌を突き刺されながら、ランナーの格好をしてどこかの公園をひたすら走っているだろう。
…マラソン大会のために。
これ以上暖まっているのは走っている友人や外を歩く人々に悪い気がした。
そうだ、マラソン大会だ。
ダンテに言っておかなくてはいけない。
ディーヴァはダンテに次の休みの予定を話した。
「来週の休みなんだけど、ニューヨークに用事があるんだ」
「…唐突だな」
ニューヨーク。
遠くはないが、近くもない。
飛行機や車、列車を使えばいけなくもない距離だ。
「何しに行くんだ?」
不思議そうに聞いてくるダンテ。
ディーヴァは、次の休みにニューヨーク・シティ・ハーフマラソンという世界規模のマラソン大会がある話をした。
スタート地点はセントラルパーク。
タイムズスクエアやブロードウェイ、マンハッタン島を南下するという観光客にも見応えのあるコースで、自由の女神のロウアーマンハッタンにゴールが位置されている。
しかし、景観を楽しむ暇など走者には皆無。
時間制限があり、途中途中ではアップダウンの激しいコースが待ち構えているからだ。
反対に観客側としてなら、コース上で催されている様々なエンターテイメントを楽しめるだろう。
ちなみに走者の参加資格は抽選。
毎年かなりの倍率であり、とても人気のマラソン大会である。
世界規模と銘打つだけあり結構有名ではあるが、興味なき者が知るはずもなく、例に漏れずダンテも知らなかった。
「これに行くんだけどさ…ダンテはどうする?」
「行くに決まってる」
ディーヴァの問いに即答。
どーん!と効果音がつきそうな、腰に手を当てての答え方だ。
「ディーヴァが行くところオレあり。オレが行くところディーヴァあり。許されるならトイレにだって着いて行くぜ?」
「うわぁ。ストーカーだよ、それ」
「金魚の糞と言ってくれ」
ディーヴァも金魚の糞もどちらも嫌だと思う。
ドヤ顔をさらすダンテに、微妙な面持ちで聞いてみた。
「それって嬉しい?」
「あんまり…」
「だと思った」
2人はケラケラ笑いあって、ソファーに腰を落ち着けた。
通りにはまだまだ冬の風が吹き、コートやマフラーを身に纏う者ばかりが行き交う。
淡い色合いのモヘアのセーターに身を包んだディーヴァは、外を歩く人々を窓から眺めては自分のことのように体を縮こませ、手元のカップを傾けた。
「寒いのか?」
後ろから暖かな熱が、ディーヴァをぎゅうと包みこむ。
もともと室内で暖かいが、背中から移された熱で、更に暖かさを増す。
熱源は言わずもがな、ダンテ。
半魔ゆえの少々高い体温がディーヴァをぬくぬくと暖めた。
「ん、大丈夫だよ」
部屋は暖かいが、外は寒い。
今ごろは友人が冷たい風に肌を突き刺されながら、ランナーの格好をしてどこかの公園をひたすら走っているだろう。
…マラソン大会のために。
これ以上暖まっているのは走っている友人や外を歩く人々に悪い気がした。
そうだ、マラソン大会だ。
ダンテに言っておかなくてはいけない。
ディーヴァはダンテに次の休みの予定を話した。
「来週の休みなんだけど、ニューヨークに用事があるんだ」
「…唐突だな」
ニューヨーク。
遠くはないが、近くもない。
飛行機や車、列車を使えばいけなくもない距離だ。
「何しに行くんだ?」
不思議そうに聞いてくるダンテ。
ディーヴァは、次の休みにニューヨーク・シティ・ハーフマラソンという世界規模のマラソン大会がある話をした。
スタート地点はセントラルパーク。
タイムズスクエアやブロードウェイ、マンハッタン島を南下するという観光客にも見応えのあるコースで、自由の女神のロウアーマンハッタンにゴールが位置されている。
しかし、景観を楽しむ暇など走者には皆無。
時間制限があり、途中途中ではアップダウンの激しいコースが待ち構えているからだ。
反対に観客側としてなら、コース上で催されている様々なエンターテイメントを楽しめるだろう。
ちなみに走者の参加資格は抽選。
毎年かなりの倍率であり、とても人気のマラソン大会である。
世界規模と銘打つだけあり結構有名ではあるが、興味なき者が知るはずもなく、例に漏れずダンテも知らなかった。
「これに行くんだけどさ…ダンテはどうする?」
「行くに決まってる」
ディーヴァの問いに即答。
どーん!と効果音がつきそうな、腰に手を当てての答え方だ。
「ディーヴァが行くところオレあり。オレが行くところディーヴァあり。許されるならトイレにだって着いて行くぜ?」
「うわぁ。ストーカーだよ、それ」
「金魚の糞と言ってくれ」
ディーヴァも金魚の糞もどちらも嫌だと思う。
ドヤ顔をさらすダンテに、微妙な面持ちで聞いてみた。
「それって嬉しい?」
「あんまり…」
「だと思った」
2人はケラケラ笑いあって、ソファーに腰を落ち着けた。