mission 11:poverty, debt, penniless ~腐れ縁~
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その時ようやく戻ってきたディーヴァ。
手の上の盆には、湯気の上がったカップが3つと、ミルクやお茶請けのクッキーが乗っかっている。
「珈琲でよろしかったでしょうか?」
やわらかな笑顔で言われ、ついついこちらも同じような笑顔になってしまう。
「はーい、よろしかったでーす」
「……きめぇ」
いや、同じような…ではなかった。
ダンテの言う通りデレデレした笑みだった。
ダンテはそう呟きながらも、ディーヴァの笑顔にあてられて鼻の下が伸び切っているエンツォをどうしてやろうか模索していた。
こいつ…その伸びに伸びた鼻の下…本当に伸び『斬って』しまおうか。
カップがその怒りに割れてしまいそうだ。
ダンテの殺意に気づき、エンツォは慌てて気をそらすかのように目の前のコーヒーに口を付けた。
「あっつ!!」
淹れたてのコーヒーは熱く、舌が火傷する。
客用に買っているいい豆を挽いて淹れているというのに、火傷の材料になるとはもったいない。
ダンテはそう思いつつ、片目でエンツォに睨みをきかせ、コーヒーを飲んだ。
「だ、大丈夫ですか!?」
心配するのはディーヴァのみ。
彼女はわたわたしながらこちらに駆け寄ってきた。
だが、ダンテの手前あまりディーヴァに心配されたくない、というのが正直な気持ちだ。
ダンテさえいなければ別だが。
「ディーヴァちゃん大丈夫!大丈夫だから!!それ以上は嫉妬大魔王がおれを殺しにくるって!!」
「嫉妬大魔王…?え、どういうことですか…?」
「ディーヴァ、そっちはいいからオレんとこに来い。舌なんぞほっといてもすぐ治るし、ディーヴァがしてやれることは何もないだろ」
こっちに来い、と言っておきながらも、ダンテはディーヴァの脇の下に手を差し込むと、まるで人形か何かのように持ち上げ自分の隣へと降ろした。
そのままされるがまま頭を撫でられるディーヴァは、ダンテとエンツォを交互に見ることしか出来なかった。
「そ、そう…なのかな」
「もちろん。だよなー、エンツォ」
有無を言わさないような鋭い目が怖くて、コクコクと高速で頷くことしか出来ないエンツォ。
「なら、いいんですけどね」
ダンテに無理やり頷かされていることなど露知らず、ディーヴァは納得した。
「もちろん、オレの舌が火傷した時は…キスで治してくれるんだよな、ディーヴァ?」
「ダンテこそ治るでしょ。…今しないでよ」
客の前でも何のその。
キス、それも深い物をしてこようとするダンテの口元を押し返し、困ったように笑うディーヴァだった。
手の上の盆には、湯気の上がったカップが3つと、ミルクやお茶請けのクッキーが乗っかっている。
「珈琲でよろしかったでしょうか?」
やわらかな笑顔で言われ、ついついこちらも同じような笑顔になってしまう。
「はーい、よろしかったでーす」
「……きめぇ」
いや、同じような…ではなかった。
ダンテの言う通りデレデレした笑みだった。
ダンテはそう呟きながらも、ディーヴァの笑顔にあてられて鼻の下が伸び切っているエンツォをどうしてやろうか模索していた。
こいつ…その伸びに伸びた鼻の下…本当に伸び『斬って』しまおうか。
カップがその怒りに割れてしまいそうだ。
ダンテの殺意に気づき、エンツォは慌てて気をそらすかのように目の前のコーヒーに口を付けた。
「あっつ!!」
淹れたてのコーヒーは熱く、舌が火傷する。
客用に買っているいい豆を挽いて淹れているというのに、火傷の材料になるとはもったいない。
ダンテはそう思いつつ、片目でエンツォに睨みをきかせ、コーヒーを飲んだ。
「だ、大丈夫ですか!?」
心配するのはディーヴァのみ。
彼女はわたわたしながらこちらに駆け寄ってきた。
だが、ダンテの手前あまりディーヴァに心配されたくない、というのが正直な気持ちだ。
ダンテさえいなければ別だが。
「ディーヴァちゃん大丈夫!大丈夫だから!!それ以上は嫉妬大魔王がおれを殺しにくるって!!」
「嫉妬大魔王…?え、どういうことですか…?」
「ディーヴァ、そっちはいいからオレんとこに来い。舌なんぞほっといてもすぐ治るし、ディーヴァがしてやれることは何もないだろ」
こっちに来い、と言っておきながらも、ダンテはディーヴァの脇の下に手を差し込むと、まるで人形か何かのように持ち上げ自分の隣へと降ろした。
そのままされるがまま頭を撫でられるディーヴァは、ダンテとエンツォを交互に見ることしか出来なかった。
「そ、そう…なのかな」
「もちろん。だよなー、エンツォ」
有無を言わさないような鋭い目が怖くて、コクコクと高速で頷くことしか出来ないエンツォ。
「なら、いいんですけどね」
ダンテに無理やり頷かされていることなど露知らず、ディーヴァは納得した。
「もちろん、オレの舌が火傷した時は…キスで治してくれるんだよな、ディーヴァ?」
「ダンテこそ治るでしょ。…今しないでよ」
客の前でも何のその。
キス、それも深い物をしてこようとするダンテの口元を押し返し、困ったように笑うディーヴァだった。