mission 10:beowolf and doppelganger ~再戦者、逃亡者~
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途端、放たれる天使の血の芳香。
ここは密閉された収納するためのウォークインクローゼットのような場所であり、他の魔具も眠っている。
その香りに刺激されたようだ。
ディーヴァがベオウルフに血を与えていると、他の魔具達が起きて騒ぎだした。
「あっ!ずるいわ!」
「「我らも魔力を回復して傀儡の体を得たいぞ!」」
ギターから美しい美女に身を転じさせたネヴァンに、壁に立て掛けられた剣の体をグラグラ動かすアグニとルドラ。
ケルはディーヴァの周りをグルグル駆け回りながら、唾を口中にためていた。
そして最初からずっと佇んでいたクロ。
クロの本体は影である。
彼は騒ぎにまぎれ、いまだ床に染みを作り続けるその血を、自分の体―影を伸ばして残らず吸収していった。
誰にも知られぬよう、密かに、静かに。
ゴクリ、ゴクリと飲み下すように、クロの魔力へ変換されていく天使の血。
…ドクン。
クロの中に、はっきりとした自我と感情が目覚めてきた。
より強く、激しく…求め、得ようとするその感情が。
クロはうつむいて動かない。
その表情はうかがい知ることができなかった。
ぎゃあぎゃあと騒ぐ魔具達。
ここでは天使の血の力争奪戦が繰り広げられつつある。
「も~!収集つかないからみんなおとなしくしてよ!静かなままのクロを少しは見習って!!」
ディーヴァが落ち着くように言っても、止まることはない。
そして、魔具達が気がついた芳香。
二階で眠っていようと、常人より鼻のいいダンテが気がつかないわけがない。
ドタドタと慌てて階段を駆け下りる音が聞こえたかと思うと、息を切らせたダンテが勢いよく飛び込んできた。
「ディーヴァッ!どうした!!なんの騒…ぎ、だ……はぁ!?」
「あ、おはようダンテ」
「おは…じゃないだろ!何だこの騒ぎは!?」
ダンテの目の前では、ネヴァンがぎゃぎゃー、双剣兄弟がガチャガチャと自身を揺らし、魔具であるベオウルフの体がピカピカ光っている。
そしていつもは大人しいケルベロスすら、ディーヴァの周りを高速でぐるぐる回ってなんだか騒がしかった。
静かなのはドッペルゲンガーのクロくらいか。
その中心にいるディーヴァは、腕から血を流したまま少し困ったように笑っている。
上手く状況が掴めない。
ダンテは頭の上にクエスチョンマークを浮かばせ、いまだに血を流しているディーヴァの止血をしようとその腕を取った。
「ディーヴァは怪我してるし…誰だこんなことしたやつは!」
「えっと、自分でやったようなもの、かな?」
「は?」
ネヴァンや双剣兄弟達に喝を入れて黙らせることに成功する。
が、ダンテはディーヴァの返答に驚きを隠せず、固まってしまった。
ここは密閉された収納するためのウォークインクローゼットのような場所であり、他の魔具も眠っている。
その香りに刺激されたようだ。
ディーヴァがベオウルフに血を与えていると、他の魔具達が起きて騒ぎだした。
「あっ!ずるいわ!」
「「我らも魔力を回復して傀儡の体を得たいぞ!」」
ギターから美しい美女に身を転じさせたネヴァンに、壁に立て掛けられた剣の体をグラグラ動かすアグニとルドラ。
ケルはディーヴァの周りをグルグル駆け回りながら、唾を口中にためていた。
そして最初からずっと佇んでいたクロ。
クロの本体は影である。
彼は騒ぎにまぎれ、いまだ床に染みを作り続けるその血を、自分の体―影を伸ばして残らず吸収していった。
誰にも知られぬよう、密かに、静かに。
ゴクリ、ゴクリと飲み下すように、クロの魔力へ変換されていく天使の血。
…ドクン。
クロの中に、はっきりとした自我と感情が目覚めてきた。
より強く、激しく…求め、得ようとするその感情が。
クロはうつむいて動かない。
その表情はうかがい知ることができなかった。
ぎゃあぎゃあと騒ぐ魔具達。
ここでは天使の血の力争奪戦が繰り広げられつつある。
「も~!収集つかないからみんなおとなしくしてよ!静かなままのクロを少しは見習って!!」
ディーヴァが落ち着くように言っても、止まることはない。
そして、魔具達が気がついた芳香。
二階で眠っていようと、常人より鼻のいいダンテが気がつかないわけがない。
ドタドタと慌てて階段を駆け下りる音が聞こえたかと思うと、息を切らせたダンテが勢いよく飛び込んできた。
「ディーヴァッ!どうした!!なんの騒…ぎ、だ……はぁ!?」
「あ、おはようダンテ」
「おは…じゃないだろ!何だこの騒ぎは!?」
ダンテの目の前では、ネヴァンがぎゃぎゃー、双剣兄弟がガチャガチャと自身を揺らし、魔具であるベオウルフの体がピカピカ光っている。
そしていつもは大人しいケルベロスすら、ディーヴァの周りを高速でぐるぐる回ってなんだか騒がしかった。
静かなのはドッペルゲンガーのクロくらいか。
その中心にいるディーヴァは、腕から血を流したまま少し困ったように笑っている。
上手く状況が掴めない。
ダンテは頭の上にクエスチョンマークを浮かばせ、いまだに血を流しているディーヴァの止血をしようとその腕を取った。
「ディーヴァは怪我してるし…誰だこんなことしたやつは!」
「えっと、自分でやったようなもの、かな?」
「は?」
ネヴァンや双剣兄弟達に喝を入れて黙らせることに成功する。
が、ダンテはディーヴァの返答に驚きを隠せず、固まってしまった。