mission 10:beowolf and doppelganger ~再戦者、逃亡者~
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次の日。
ダンテのまだ眠っている早朝にディーヴァは、ベオウルフの元を訪れた。
そして、昨日どうなったか事のあらまし、ダンテの考えを話した。
初めの内は大人しく聞いていたベオウルフだが、最後の頃にはその魔具からは怒りのオーラがゆらゆらと立ち上っていた。
「あやつ…やはり自分が出よう。…本気にさせてやる。ディーヴァ、悪いが頼むぞ」
「えっ!い、今?」
「ああ、今すぐにだぞ」
「えーと…まだ対戦相手たる肝心のダンテは寝てるし、あたしは起きたばっかりで朝ごはんも食べてないし……今はちょっとやめてほしいかなあ~」
渋るディーヴァ。
「いつでもいいという約束だろう、よもや忘れたとでもいうのか?」
その怒りの矛先がわずかながらもこちらにそれつつある。
ギクリとしつつも、ディーヴァは拒否したい理由を話した。
「ゔっ!だって、ダンテを結局殺そうとするんでしょ。
あたし、大好きなダンテがいなくなったら困るもん。ダンテのこと、殺したいくらい嫌いなんだって聞いたよ」
「…寸止めするように努力しよう」
「ホント、だよね?」
基本的に悪魔は信用しないディーヴァだが、なぜか魔具達の言うことは信用できる気がする。
時にはダンテよりも、信用にたる発言も多い。
「ああ。悪魔とて一度した約束は守るのだ。
それに、奴の怠惰な性根が治るかもしれないぞ」
「性根が…怠惰じゃなくなるってこと?」
「ああ、そうだ」
「ダンテ、もっとしっかりしてくれる?」
「ああ」
「じゃあ、頼んだこと言われなくてもやってくれるようになるかな!?」
「もちろんだ」
「オッケー!ならいいよ!」
上手く口車にのせられ、言いくるめられ、ディーヴァは承諾。
さすがは悪魔、言葉巧みである。
「ささっ!痛いのはちょっと嫌だけど、どうしよう、何で血を出したらいいかな?」
「指定しない。自分の好きなものでやれ」
「う~ん、なら針でいい?刃物で切るのは抵抗あるし」
「ああ」
「じゃ、ちょっと待っててね」
立ち上がったディーヴァが針を取りにその場を後にした。
仲間とはいえ悪魔に血を与えるのに、ディーヴァはいつになく乗り気である。
嘘はまったく言っていないが、とりあえず上手くいった。
その後ろ姿に、心中でにやりと笑うベオウルフだった。
そして針を手にしたディーヴァ。
「い、いくよ…
ゴクリとつばを飲み込んで針を刺す。
―ぷつ、しかしやはり自分でやるとなると躊躇ってしまうものだ。
指先から血は出るのだが、それは流れ落ちることがないほど…微々たる物しか出なかった。
「ううぅ…痛い~」
一滴あるかないか、それくらいでも痛いものは痛い。
「……下手だな」
「だってだって~うぅぅ~…」
「はあ、俺に触れてみろ」
「?…ベオウルフに?」
ディーヴァがそっと触れた瞬間、ベオウルフは強い光を放つ。
そして魔具全体が鋭く尖り…。
「痛ぁっ!?」
ザクッ!
いともたやすく皮膚が切れた。
傷の面積の割りに深いそれからは血があふれ、重力に従って流れる。
そして、床にぽたぽたと染みを作っていった。
ダンテのまだ眠っている早朝にディーヴァは、ベオウルフの元を訪れた。
そして、昨日どうなったか事のあらまし、ダンテの考えを話した。
初めの内は大人しく聞いていたベオウルフだが、最後の頃にはその魔具からは怒りのオーラがゆらゆらと立ち上っていた。
「あやつ…やはり自分が出よう。…本気にさせてやる。ディーヴァ、悪いが頼むぞ」
「えっ!い、今?」
「ああ、今すぐにだぞ」
「えーと…まだ対戦相手たる肝心のダンテは寝てるし、あたしは起きたばっかりで朝ごはんも食べてないし……今はちょっとやめてほしいかなあ~」
渋るディーヴァ。
「いつでもいいという約束だろう、よもや忘れたとでもいうのか?」
その怒りの矛先がわずかながらもこちらにそれつつある。
ギクリとしつつも、ディーヴァは拒否したい理由を話した。
「ゔっ!だって、ダンテを結局殺そうとするんでしょ。
あたし、大好きなダンテがいなくなったら困るもん。ダンテのこと、殺したいくらい嫌いなんだって聞いたよ」
「…寸止めするように努力しよう」
「ホント、だよね?」
基本的に悪魔は信用しないディーヴァだが、なぜか魔具達の言うことは信用できる気がする。
時にはダンテよりも、信用にたる発言も多い。
「ああ。悪魔とて一度した約束は守るのだ。
それに、奴の怠惰な性根が治るかもしれないぞ」
「性根が…怠惰じゃなくなるってこと?」
「ああ、そうだ」
「ダンテ、もっとしっかりしてくれる?」
「ああ」
「じゃあ、頼んだこと言われなくてもやってくれるようになるかな!?」
「もちろんだ」
「オッケー!ならいいよ!」
上手く口車にのせられ、言いくるめられ、ディーヴァは承諾。
さすがは悪魔、言葉巧みである。
「ささっ!痛いのはちょっと嫌だけど、どうしよう、何で血を出したらいいかな?」
「指定しない。自分の好きなものでやれ」
「う~ん、なら針でいい?刃物で切るのは抵抗あるし」
「ああ」
「じゃ、ちょっと待っててね」
立ち上がったディーヴァが針を取りにその場を後にした。
仲間とはいえ悪魔に血を与えるのに、ディーヴァはいつになく乗り気である。
嘘はまったく言っていないが、とりあえず上手くいった。
その後ろ姿に、心中でにやりと笑うベオウルフだった。
そして針を手にしたディーヴァ。
「い、いくよ…
ゴクリとつばを飲み込んで針を刺す。
―ぷつ、しかしやはり自分でやるとなると躊躇ってしまうものだ。
指先から血は出るのだが、それは流れ落ちることがないほど…微々たる物しか出なかった。
「ううぅ…痛い~」
一滴あるかないか、それくらいでも痛いものは痛い。
「……下手だな」
「だってだって~うぅぅ~…」
「はあ、俺に触れてみろ」
「?…ベオウルフに?」
ディーヴァがそっと触れた瞬間、ベオウルフは強い光を放つ。
そして魔具全体が鋭く尖り…。
「痛ぁっ!?」
ザクッ!
いともたやすく皮膚が切れた。
傷の面積の割りに深いそれからは血があふれ、重力に従って流れる。
そして、床にぽたぽたと染みを作っていった。