mission 0:lost mankind heart ~双子の片割れ~
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「グルル……」
その時、犬の唸り声が間近で聞こえた。
聞こえてきた方を見ると、狼くらい大きな犬がこちらを見ているのがわかった。
「なんか……恐い。野犬がなんでここに?」
「いや、悪魔のようだ」
「あっ悪魔!?」
バージルが日本刀(どうやら閻魔刀というらしい)に手をやりなが周りに目を向けた。
ディーヴァがその目線を追っていくと、いつのまにやら周りに等間隔で、犬型の悪魔に取り囲まれているのが確認できる。
「やだ、こんなに……」
「お前の血に集まってきているようだな」
ディーヴァは慌てて外していた包帯を巻き直した。
「今さらそんなことをしてもこいつらは帰ってはくれまい」
わかってはいるが、そうするしか考え付かなかった。
どうしよう……と、心臓をバクバクさせるディーヴァを見ながらバージルは刀の鯉口をきる。
「刀の錆にしてくれる」
バージルは向かってきた悪魔に斬撃を繰り出し斬りふせた。
悪魔達が、赤い血の結晶……レッドオーブを残して次々に砂と化した。
それを手をかざしただけで手中におさめながらなおも悪魔を斬る。
「キャーッ!やだっ!」
少し離れたところからディーヴァの声がした。
ディーヴァが悪魔に襲われている。
悪魔の牙をその分厚い包帯部分に噛みつかせて攻撃を防いでいるがいつまで持つことか。
この悪魔達はディーヴァを求めてきていたやつらなのだ、襲わないはずがない。
バージルは自ら逃げるなり隠れるなりするだろうと思い、まったく気にしていなかった。
バージルは次元を斬り裂くという離れ業をやってのけ、ディーヴァを悪魔から救った。
『空間斬り』だとか『次元斬』と呼ばれる攻撃である。
「邪魔だ、下がれ」
バージルが短く言うとディーヴァは彼に駆けより、後ろに下がった。
ダンテが傍にいない今、他に繕う相手はいない。
「まだ増えるか……犬畜生如きが」
バージルは数を増やし向ってくる悪魔全てに斬撃を叩きこむ。
その鬼のような猛攻にディーヴァは耳を塞ぎ目をつぶり、恐怖にうち震えて小さく呟いた。
「こわい……ダンテ……早く帰ってきて……」
しかしただやられるままの悪魔ではなかった。
何度も仲間をやられて頭を使ったのか、数匹ずつの攻撃パターンを変えた。
ボスがどこかにいるのか大きな咆哮が響いたかと思うと、その場にいた悪魔全てが一斉にバージルへ飛びかかった。
バージルは次元斬をしかけて悪魔をまとめて処理したが、その数にはとうてい追いつかなかった。
そしてついには悪魔の中に隠れて見えなくなってしまった。
大変だ、彼がやられてしまう!
「バ、バージルさぁんっ!!」
カッ!
ディーヴァは叫んで悪魔だらけのそこへ走ったかと思うと、無意識に天使の結界を展開させた。
暖かい光で満たされたその中は、悪魔は入れずディーヴァとバージルのみが存在している。
結界の中、満身創痍のバージルはディーヴァの背中に、五枚の翼が生えているのに気がついた。
ふわふわと揺れ動く翼は、半分悪魔である自分が浄化されそうなほどに神々しい。
「大丈夫?バージルさん……」
「……ありがとう、すまなかった」
天使に助けられたバージルは、自分でもびっくりするくらい素直に感謝の言葉が口に出た。
言った本人も、言われたディーヴァも目を丸くする。
視線を彷徨わせながら、バージルは薄く笑みをたたえた。
ディーヴァもゆっくりと頷いて笑い返した。
その彼女の顔を見て胸が高鳴りを伝えてくる。
……オレはあの時から悪魔として生きてきた。
母をなくしたあの時からだ。
だから人間の心、感情という物は捨てたはずだった。
力のみを欲し、悪魔となりきったと思う。
なのに何だ、この感情は……。
これが愛しいというものなのか?
俺がほだされた、とでも?
彼女の力でなく、彼女自身が欲しいとさえ思ってしまう。
守ろうと手を伸ばしても守れなかった母。
ディーヴァがあの母と重なって見えた。
利用したくない。
傷つけたくない。
……守りたい。
バージルは天使の結界に守られながらそんなことを考え、拳を握りしめた。
その時、犬の唸り声が間近で聞こえた。
聞こえてきた方を見ると、狼くらい大きな犬がこちらを見ているのがわかった。
「なんか……恐い。野犬がなんでここに?」
「いや、悪魔のようだ」
「あっ悪魔!?」
バージルが日本刀(どうやら閻魔刀というらしい)に手をやりなが周りに目を向けた。
ディーヴァがその目線を追っていくと、いつのまにやら周りに等間隔で、犬型の悪魔に取り囲まれているのが確認できる。
「やだ、こんなに……」
「お前の血に集まってきているようだな」
ディーヴァは慌てて外していた包帯を巻き直した。
「今さらそんなことをしてもこいつらは帰ってはくれまい」
わかってはいるが、そうするしか考え付かなかった。
どうしよう……と、心臓をバクバクさせるディーヴァを見ながらバージルは刀の鯉口をきる。
「刀の錆にしてくれる」
バージルは向かってきた悪魔に斬撃を繰り出し斬りふせた。
悪魔達が、赤い血の結晶……レッドオーブを残して次々に砂と化した。
それを手をかざしただけで手中におさめながらなおも悪魔を斬る。
「キャーッ!やだっ!」
少し離れたところからディーヴァの声がした。
ディーヴァが悪魔に襲われている。
悪魔の牙をその分厚い包帯部分に噛みつかせて攻撃を防いでいるがいつまで持つことか。
この悪魔達はディーヴァを求めてきていたやつらなのだ、襲わないはずがない。
バージルは自ら逃げるなり隠れるなりするだろうと思い、まったく気にしていなかった。
バージルは次元を斬り裂くという離れ業をやってのけ、ディーヴァを悪魔から救った。
『空間斬り』だとか『次元斬』と呼ばれる攻撃である。
「邪魔だ、下がれ」
バージルが短く言うとディーヴァは彼に駆けより、後ろに下がった。
ダンテが傍にいない今、他に繕う相手はいない。
「まだ増えるか……犬畜生如きが」
バージルは数を増やし向ってくる悪魔全てに斬撃を叩きこむ。
その鬼のような猛攻にディーヴァは耳を塞ぎ目をつぶり、恐怖にうち震えて小さく呟いた。
「こわい……ダンテ……早く帰ってきて……」
しかしただやられるままの悪魔ではなかった。
何度も仲間をやられて頭を使ったのか、数匹ずつの攻撃パターンを変えた。
ボスがどこかにいるのか大きな咆哮が響いたかと思うと、その場にいた悪魔全てが一斉にバージルへ飛びかかった。
バージルは次元斬をしかけて悪魔をまとめて処理したが、その数にはとうてい追いつかなかった。
そしてついには悪魔の中に隠れて見えなくなってしまった。
大変だ、彼がやられてしまう!
「バ、バージルさぁんっ!!」
カッ!
ディーヴァは叫んで悪魔だらけのそこへ走ったかと思うと、無意識に天使の結界を展開させた。
暖かい光で満たされたその中は、悪魔は入れずディーヴァとバージルのみが存在している。
結界の中、満身創痍のバージルはディーヴァの背中に、五枚の翼が生えているのに気がついた。
ふわふわと揺れ動く翼は、半分悪魔である自分が浄化されそうなほどに神々しい。
「大丈夫?バージルさん……」
「……ありがとう、すまなかった」
天使に助けられたバージルは、自分でもびっくりするくらい素直に感謝の言葉が口に出た。
言った本人も、言われたディーヴァも目を丸くする。
視線を彷徨わせながら、バージルは薄く笑みをたたえた。
ディーヴァもゆっくりと頷いて笑い返した。
その彼女の顔を見て胸が高鳴りを伝えてくる。
……オレはあの時から悪魔として生きてきた。
母をなくしたあの時からだ。
だから人間の心、感情という物は捨てたはずだった。
力のみを欲し、悪魔となりきったと思う。
なのに何だ、この感情は……。
これが愛しいというものなのか?
俺がほだされた、とでも?
彼女の力でなく、彼女自身が欲しいとさえ思ってしまう。
守ろうと手を伸ばしても守れなかった母。
ディーヴァがあの母と重なって見えた。
利用したくない。
傷つけたくない。
……守りたい。
バージルは天使の結界に守られながらそんなことを考え、拳を握りしめた。