mission 7:reunion and duel ~VSバージル1~
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何度目かの激しい攻防の後だ。
その激しさゆえか雨のせいか、バージルの髪の毛はダンテそっくりに下りてしまった。
石畳の地面で剣を研ぎ澄ましながら、ダンテはリベリオンをバージルに向ける。
激しい鍔迫り合いがあり、お互いの得物には火花が散った。
ダンテは持ち手を回転させ、スティンガーを繰り出すが、その鋭い刀身で弾いたバージルは、ダンテの鳩尾にその柄を叩き込んだ。
さすがは半分悪魔といったところ。
ただ柄を叩き込んだだけというになんたる怪力か。
吹き飛ばされたダンテは柱に体をしたたかに打ち付ける。
そこはディーヴァのいるすぐ近く。
ディーヴァは心配そうにダンテを覗き込んだ。
「ダンテッ!」
「いい!ディーヴァは来るなって!」
ふらついたダンテは体勢を立て直し、高速で銃を撃つ。
だが、バージルは閻魔刀を高速で回転させるとその弾丸のすべてを止めて、地面に落とした。
綺麗に並べる様子たるや、ダンテと違いその几帳面さを投影している気がする。
その一直線に並べた弾丸を、バージルはダンテに向かって閻魔刀で打ち返した。
刀で弾いているだけなのに銃で撃った時と変わらない速度だ。
このままではディーヴァに当たるかもしれない。
「くっ」
そう思ったダンテは、一太刀でそれを真っ二つに斬りふせると、遥か彼方へと飛ばした。
「バカ野郎!ディーヴァに当たったらどうする!!」
「当てるわけがなかろう。
だが守りきれないのは貴様が弱いからだ。守りたいなら尚のこと、力は必要不可欠。
何故さらなる力を求めない?父の……スパーダの力を!」
そのバージルの言葉に剣を杖代わりに立ち上がるダンテ。
「親父?そんなのは関係ない。どうでもいい。ちいせぇ頃のこともそう、穴蔵での事もそう、今回のこともそう、そしてディーヴァのこともそう。
ただあんたが気に入らない、あんたの全てが気に入らない!それだけさ」
ダンテはリベリオンを手に、バージルは閻魔刀を手に。
再び太刀を合わせる。
どちらも武器ををひかない。
やがてそれはその力強さゆえに熱を持ち始め、刀身が赤く光った。
そしてとうとう軍配がバージルに上がる。
押し負けたダンテはリベリオンを弾き飛ばしてしまった。
ダンテの手を離れたリベリオンは、離れた場所に突き刺さる。
無論、バージルはその隙を決してのがさない。
バージルは勢いよく、閻魔刀をダンテの腹に突き刺した。
ダンテの体がくの字に曲がり、苦しそうな呻き声がディーヴァの元に届く。
刃がダンテの体を貫く瞬間も、しっかりと見えていた。
「ダ、ダンテーーー!!」
刀身を伝い落ちるダンテの鮮血。
「愚かだな、ダンテ」
ダンテはそれ以上突き刺さらないように刀身を握り押さえるも、バージルはさらに深くグリグリと突き立てた。
「愚かだ」
「やめてぇっ」
居ても立ってもいられず、ディーヴァは渦中に飛び込んだ。
だがダンテに伸ばしたその両手を、バージルに一まとめに上へと押さえつけられてしまった。
「やっ!放してっ」
加減しているのか痛くはないが、腕をくねらせても外れない。
それでも、ダンテから見ればバージルがディーヴァに触れている、ただそれだけが嫌な事実だった。
「ディーヴァに……触るな……!」
その時、ディーヴァの持っていたケルベロスが光り、黒い大型の犬へと変わる。
ケルベロスは、バージルの足にディーヴァを放せ!という意味を込めて噛み付いた。
「ガウッ!!」
「邪魔を……するなっ!」
「ギャン!!」
だが、バージルの渾身の蹴りの前に、ケルベロスは吹っ飛ばされ、像に体を打ち付けると、武器の姿へと一瞬で戻ってしまった。
「ケルッ!!」
「……ふん。力こそが全てを制する。力なくては何も守れやしない。自分の身はもちろん、」
ちらとディーヴァを見てから続けるバージル。
「……大切な者もな」
閻魔刀を引き抜いたバージルは、素早く刀を鞘に戻すと、倒れ行くダンテの胸元……そこに揺れるアミュレットに手をかけた。
鎖を引きちぎり、手中におさめる。
奪ったアミュレットをしばし見つめ、目を閉じて母を思い浮かべる。
力さえあれば……。
バージルは、深い悲しみと自分に向けて湧いてきた憤りをごまかすように髪をかき上げた。
雨がワックスがわりとなり、ダンテそっくりだった髪型がいつものオールバックに戻る。
ダンテは倒れたまま動かない。
ディーヴァは嗚咽をあげながら、その元へ行こうと尚も抵抗を続けるが、それをバージルが許すはずもなく。
「お前は俺と来い」
グイと引寄せられ、ダンテが遠退いてゆく。
ディーヴァは流れる涙をそのままに、腕を持ち上げられたままバージルに食って掛かった。
「どうして兄弟で傷つけ合うの!たった一人の家族じゃないっ!?そんなの……そんなの絶対におかしい!」
「……」
そんなディーヴァを冷たい目で見つめるバージル。
こわい。
そんな目で見つめないで。
ディーヴァはバージルを優しい人と勘違いしていたに過ぎない。
今はとても怖く見える。
けれどきっと優しい部分もどこかにはある。そう思う。
希望を捨てきれないディーヴァは、今は目の前の恐怖、そして絶望に震えて何も言えず、押し黙ることしか出来なかった。
その激しさゆえか雨のせいか、バージルの髪の毛はダンテそっくりに下りてしまった。
石畳の地面で剣を研ぎ澄ましながら、ダンテはリベリオンをバージルに向ける。
激しい鍔迫り合いがあり、お互いの得物には火花が散った。
ダンテは持ち手を回転させ、スティンガーを繰り出すが、その鋭い刀身で弾いたバージルは、ダンテの鳩尾にその柄を叩き込んだ。
さすがは半分悪魔といったところ。
ただ柄を叩き込んだだけというになんたる怪力か。
吹き飛ばされたダンテは柱に体をしたたかに打ち付ける。
そこはディーヴァのいるすぐ近く。
ディーヴァは心配そうにダンテを覗き込んだ。
「ダンテッ!」
「いい!ディーヴァは来るなって!」
ふらついたダンテは体勢を立て直し、高速で銃を撃つ。
だが、バージルは閻魔刀を高速で回転させるとその弾丸のすべてを止めて、地面に落とした。
綺麗に並べる様子たるや、ダンテと違いその几帳面さを投影している気がする。
その一直線に並べた弾丸を、バージルはダンテに向かって閻魔刀で打ち返した。
刀で弾いているだけなのに銃で撃った時と変わらない速度だ。
このままではディーヴァに当たるかもしれない。
「くっ」
そう思ったダンテは、一太刀でそれを真っ二つに斬りふせると、遥か彼方へと飛ばした。
「バカ野郎!ディーヴァに当たったらどうする!!」
「当てるわけがなかろう。
だが守りきれないのは貴様が弱いからだ。守りたいなら尚のこと、力は必要不可欠。
何故さらなる力を求めない?父の……スパーダの力を!」
そのバージルの言葉に剣を杖代わりに立ち上がるダンテ。
「親父?そんなのは関係ない。どうでもいい。ちいせぇ頃のこともそう、穴蔵での事もそう、今回のこともそう、そしてディーヴァのこともそう。
ただあんたが気に入らない、あんたの全てが気に入らない!それだけさ」
ダンテはリベリオンを手に、バージルは閻魔刀を手に。
再び太刀を合わせる。
どちらも武器ををひかない。
やがてそれはその力強さゆえに熱を持ち始め、刀身が赤く光った。
そしてとうとう軍配がバージルに上がる。
押し負けたダンテはリベリオンを弾き飛ばしてしまった。
ダンテの手を離れたリベリオンは、離れた場所に突き刺さる。
無論、バージルはその隙を決してのがさない。
バージルは勢いよく、閻魔刀をダンテの腹に突き刺した。
ダンテの体がくの字に曲がり、苦しそうな呻き声がディーヴァの元に届く。
刃がダンテの体を貫く瞬間も、しっかりと見えていた。
「ダ、ダンテーーー!!」
刀身を伝い落ちるダンテの鮮血。
「愚かだな、ダンテ」
ダンテはそれ以上突き刺さらないように刀身を握り押さえるも、バージルはさらに深くグリグリと突き立てた。
「愚かだ」
「やめてぇっ」
居ても立ってもいられず、ディーヴァは渦中に飛び込んだ。
だがダンテに伸ばしたその両手を、バージルに一まとめに上へと押さえつけられてしまった。
「やっ!放してっ」
加減しているのか痛くはないが、腕をくねらせても外れない。
それでも、ダンテから見ればバージルがディーヴァに触れている、ただそれだけが嫌な事実だった。
「ディーヴァに……触るな……!」
その時、ディーヴァの持っていたケルベロスが光り、黒い大型の犬へと変わる。
ケルベロスは、バージルの足にディーヴァを放せ!という意味を込めて噛み付いた。
「ガウッ!!」
「邪魔を……するなっ!」
「ギャン!!」
だが、バージルの渾身の蹴りの前に、ケルベロスは吹っ飛ばされ、像に体を打ち付けると、武器の姿へと一瞬で戻ってしまった。
「ケルッ!!」
「……ふん。力こそが全てを制する。力なくては何も守れやしない。自分の身はもちろん、」
ちらとディーヴァを見てから続けるバージル。
「……大切な者もな」
閻魔刀を引き抜いたバージルは、素早く刀を鞘に戻すと、倒れ行くダンテの胸元……そこに揺れるアミュレットに手をかけた。
鎖を引きちぎり、手中におさめる。
奪ったアミュレットをしばし見つめ、目を閉じて母を思い浮かべる。
力さえあれば……。
バージルは、深い悲しみと自分に向けて湧いてきた憤りをごまかすように髪をかき上げた。
雨がワックスがわりとなり、ダンテそっくりだった髪型がいつものオールバックに戻る。
ダンテは倒れたまま動かない。
ディーヴァは嗚咽をあげながら、その元へ行こうと尚も抵抗を続けるが、それをバージルが許すはずもなく。
「お前は俺と来い」
グイと引寄せられ、ダンテが遠退いてゆく。
ディーヴァは流れる涙をそのままに、腕を持ち上げられたままバージルに食って掛かった。
「どうして兄弟で傷つけ合うの!たった一人の家族じゃないっ!?そんなの……そんなの絶対におかしい!」
「……」
そんなディーヴァを冷たい目で見つめるバージル。
こわい。
そんな目で見つめないで。
ディーヴァはバージルを優しい人と勘違いしていたに過ぎない。
今はとても怖く見える。
けれどきっと優しい部分もどこかにはある。そう思う。
希望を捨てきれないディーヴァは、今は目の前の恐怖、そして絶望に震えて何も言えず、押し黙ることしか出来なかった。