mission 0:lost mankind heart ~双子の片割れ~
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「あの、何かお礼をしたいのでお名前を……」
その時、街灯のつく時間に達したようで、明滅を繰り返しながら街の灯りがついた。
その灯りに照らされ、ようやく男の顔があらわになる。
男を見たディーヴァは驚きに目を見開いて固まってしまった。
髪の色はダンテと同じ銀糸で、その髪をオールバックのように後ろにかきあげている。
服装はやはり見た通り青だったが、白い刺繍で荊模様がつけられていてデザインがまるで中世の貴族のそれだ。
そしてその顔はダンテと瓜ふたつ……同じ造形をしていた。
ただ、少しダンテよりは神経質そうで、機嫌が悪いとでも言いたげにしかめっ面をしているといったところか。
この男はダンテから聞いた彼の『兄』に当てはまる。
しかめ面をさらにしかめ、男が問い掛ける。
「なんだ。俺の顔になにかついているか?」
「いえ、そうじゃなくて。一緒に暮らしている人に似てたもので……」
「ほう……?」
そんなディーヴァの言葉に男が急に歩み寄ってきた。
近い近い近い!
パーソナルスペースにいとも簡単にふみこんでくる。
ディーヴァはその表情がまったく読めず、威圧的に感じて少し恐かった。
「フ、お前に食指は動かん。安心しろ、とって喰ったりはせん」
そのディーヴァの気持ちを読み取ったのか、男は鼻で笑った。
ただ単に、ディーヴァの周りにかすかに残る、半魔の魔力をかぎ取っていたのだ。
……ダンテの女か。
一人の女にこの扱いとは、ずいぶん粘着質な男になったものだ。
だが、詰めが甘いな、そこまで大事ならば鎖にでもつないで閉じ込めておけばよいものを……。
男は守るかのようにディーヴァにはりついたダンテの魔力を、邪魔くさそうに自らの魔力で振り払った。
「お前の言っている男とはダンテのことだな」
「じゃあやっぱり貴方……」
この男こそが、冷酷無慈悲(とダンテが言っていた)ダンテの兄なのだ。
「バージルだ。女、興味がわいた。少し話を聞かせてもらうぞ」
男―――バージルはディーヴァの顎をつかみ、くいと上を向かせた。
ディーヴァはその時に初めてバージルの首元に揺れるものがあるのに気がついた。
本当は目をそらしたかったが、それが見えたことでディーヴァの目は釘付けになる。
金色の鎖の先にあるのはダンテもよくつけている物と同じもの……アミュレットだ。
それまでは半信半疑だった部分もあった。
だがディーヴァは、そのアミュレットを目にしたことで確信した。
やはり、この人はバージルで間違いない。
「名は?」
「ディーヴァ、です……」
バージルの様子をうかがいながらディーヴァはおっかなびっくりといった様子だった。下手な回答をすれば、冷酷だという彼のことだ。殺されてしまうかもしれない。
対してバージルは、短く「そうか」と返事しただけだった。
「奴は今どうしている?」
奴。
一瞬誰のことだかわからなかったが、話の流れから察するにダンテのことだろう。
もしかしてダンテの心配をしているんではなかろうか。
恐い人だと聞いていたけれど、そうでもなさそうだ。
ダンテとバージルは、本当に殺し合いなんかした仲なのかと疑問にさえ思う。
「えと……遠方へ悪魔退治の依頼に行ってまして……でも、明日帰ってきます」
ディーヴァは不思議そうに思いながら質問に答えた。
しかし、実際は違った。
バージルはダンテを心配なんか一ミリたりともしていなかった。
ただ、あるものを奪うためにダンテが今何をしているのかが知りたかったに過ぎない。
そして、現れたのがダンテが大切にしているであろう、このディーヴァという少女だ。
この女はダンテを誘き寄せるための道具になりえるだろうか。
もうすぐ塔の復活も近い。
一度あの男に、どうしたものか聞いてみるのがよさそうである。
バージルは無表情のままに、そう思った。
いつものバージルならば、他人の指示を聞くことなどをせず、女ひとり攫うなら攫う殺すなら殺す……迷わずそうしていただろう。
少なくとも、一年前にダンテと戦った時はそうだった。
今回そうしなかったのは、ただ何となくである。
ディーヴァを見ていたらそうしたくなったのだ。
いわゆる気紛れ、というものだろうとバージルは思う。
「ディーヴァ。明日のこの時間にもう一度ここへ来い。だがいいか?ダンテには俺に会ったことを話すな」
もしかしたらダンテに謝るつもりで来たはいいが、恥ずかしがり屋なために素直にダンテに会うのが怖い、とかなのかもしれない。
そう思ったディーヴァは、ニコリと笑みを浮かべた。
「わかりました、明日のこの時間にここで」
バージルは頷くと、ディーヴァがまばたきをする間にいなくなった。
「消えちゃった……あ。いけない、買い物に行かなきゃ」
ディーヴァは大事なショッピングという用事を思い出すと、エコバッグを抱え直し、怪我を押さえてマーケットへ急いだ。
ついでだから、包帯も買おう。
その時、街灯のつく時間に達したようで、明滅を繰り返しながら街の灯りがついた。
その灯りに照らされ、ようやく男の顔があらわになる。
男を見たディーヴァは驚きに目を見開いて固まってしまった。
髪の色はダンテと同じ銀糸で、その髪をオールバックのように後ろにかきあげている。
服装はやはり見た通り青だったが、白い刺繍で荊模様がつけられていてデザインがまるで中世の貴族のそれだ。
そしてその顔はダンテと瓜ふたつ……同じ造形をしていた。
ただ、少しダンテよりは神経質そうで、機嫌が悪いとでも言いたげにしかめっ面をしているといったところか。
この男はダンテから聞いた彼の『兄』に当てはまる。
しかめ面をさらにしかめ、男が問い掛ける。
「なんだ。俺の顔になにかついているか?」
「いえ、そうじゃなくて。一緒に暮らしている人に似てたもので……」
「ほう……?」
そんなディーヴァの言葉に男が急に歩み寄ってきた。
近い近い近い!
パーソナルスペースにいとも簡単にふみこんでくる。
ディーヴァはその表情がまったく読めず、威圧的に感じて少し恐かった。
「フ、お前に食指は動かん。安心しろ、とって喰ったりはせん」
そのディーヴァの気持ちを読み取ったのか、男は鼻で笑った。
ただ単に、ディーヴァの周りにかすかに残る、半魔の魔力をかぎ取っていたのだ。
……ダンテの女か。
一人の女にこの扱いとは、ずいぶん粘着質な男になったものだ。
だが、詰めが甘いな、そこまで大事ならば鎖にでもつないで閉じ込めておけばよいものを……。
男は守るかのようにディーヴァにはりついたダンテの魔力を、邪魔くさそうに自らの魔力で振り払った。
「お前の言っている男とはダンテのことだな」
「じゃあやっぱり貴方……」
この男こそが、冷酷無慈悲(とダンテが言っていた)ダンテの兄なのだ。
「バージルだ。女、興味がわいた。少し話を聞かせてもらうぞ」
男―――バージルはディーヴァの顎をつかみ、くいと上を向かせた。
ディーヴァはその時に初めてバージルの首元に揺れるものがあるのに気がついた。
本当は目をそらしたかったが、それが見えたことでディーヴァの目は釘付けになる。
金色の鎖の先にあるのはダンテもよくつけている物と同じもの……アミュレットだ。
それまでは半信半疑だった部分もあった。
だがディーヴァは、そのアミュレットを目にしたことで確信した。
やはり、この人はバージルで間違いない。
「名は?」
「ディーヴァ、です……」
バージルの様子をうかがいながらディーヴァはおっかなびっくりといった様子だった。下手な回答をすれば、冷酷だという彼のことだ。殺されてしまうかもしれない。
対してバージルは、短く「そうか」と返事しただけだった。
「奴は今どうしている?」
奴。
一瞬誰のことだかわからなかったが、話の流れから察するにダンテのことだろう。
もしかしてダンテの心配をしているんではなかろうか。
恐い人だと聞いていたけれど、そうでもなさそうだ。
ダンテとバージルは、本当に殺し合いなんかした仲なのかと疑問にさえ思う。
「えと……遠方へ悪魔退治の依頼に行ってまして……でも、明日帰ってきます」
ディーヴァは不思議そうに思いながら質問に答えた。
しかし、実際は違った。
バージルはダンテを心配なんか一ミリたりともしていなかった。
ただ、あるものを奪うためにダンテが今何をしているのかが知りたかったに過ぎない。
そして、現れたのがダンテが大切にしているであろう、このディーヴァという少女だ。
この女はダンテを誘き寄せるための道具になりえるだろうか。
もうすぐ塔の復活も近い。
一度あの男に、どうしたものか聞いてみるのがよさそうである。
バージルは無表情のままに、そう思った。
いつものバージルならば、他人の指示を聞くことなどをせず、女ひとり攫うなら攫う殺すなら殺す……迷わずそうしていただろう。
少なくとも、一年前にダンテと戦った時はそうだった。
今回そうしなかったのは、ただ何となくである。
ディーヴァを見ていたらそうしたくなったのだ。
いわゆる気紛れ、というものだろうとバージルは思う。
「ディーヴァ。明日のこの時間にもう一度ここへ来い。だがいいか?ダンテには俺に会ったことを話すな」
もしかしたらダンテに謝るつもりで来たはいいが、恥ずかしがり屋なために素直にダンテに会うのが怖い、とかなのかもしれない。
そう思ったディーヴァは、ニコリと笑みを浮かべた。
「わかりました、明日のこの時間にここで」
バージルは頷くと、ディーヴァがまばたきをする間にいなくなった。
「消えちゃった……あ。いけない、買い物に行かなきゃ」
ディーヴァは大事なショッピングという用事を思い出すと、エコバッグを抱え直し、怪我を押さえてマーケットへ急いだ。
ついでだから、包帯も買おう。
