mission 6:dog and artemis ~知・技・闘の試練~
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でも、やはりお互い不安ではある。
ダンテは、軽々しく言ってしまったが果たしてディーヴァを一人で行かせて本当に問題ないだろうか、と。
ディーヴァはディーヴァで、正しい道とやらを選び間違えて悪魔が出やしないか、と。
ダンテの心配をするどころではないのは明らか。
どうしたらいいだろう。一人で行くのが不安なら、他に誰かいればいい。
そう、他に……。
ダンテは思い付いた。
ディーヴァに両手を出すよう言い、それを渡す。
「これ、持って行けよ」
「え、これって……」
チャキ……。
手の上に置かれたのは、ひんやりと冷たく重い三氷棍だった。
「ケルベロスだ。こいつがあれば、大丈夫だろ。……決して放すなよ?」
「うん……」
触れているだけで凍りつきそうなそれを、ディーヴァはまるで失えば命すらないとでもいうように、大事そうに抱えた。
「ありがと。でもさ、あたしは武器を持たされたって自分じゃ使えないんだよ?」
「わかってるって。……ケルベロス」
ダンテが呼ぶと、武器から声がした。
ケルベロスの声である。
『なんだ。今、我を持っているのはダンテではないな。力を示さぬ者に我を扱うことは出来んぞ』
「ほら、ケルベロスさんもこう言ってる!無理だよ!」
「別にディーヴァは使わなくていいし、ケルベロスもディーヴァに使われなくたっていいんだよ。ケルベロス、武器以外の姿になれるか?」
『元の姿、ということか』
元の姿、つまりは大きな三頭犬のこと。
あの姿にここでなられたら、床は抜け落ちるかもしれないし部屋がケルベロスだけでいっぱい……自分たちが押しつぶされるかもしれない。
避けたほうがよさそうだ。
ダンテは違うものになるよう、指示した。
「あー……人間が連れて歩けるサイズでよろしく」
『よかろう』
グルルルァ!
武器に変わったあの時と同じ、恐ろしい唸り声が響き渡る。
光が溢れて収まった時にいたのは、その恐ろしい唸り声とはうって代わり、真っ黒な毛色のゴールデンレトリバー……犬だった。
「これでよいか?」
毛足の長い黒い体毛から覗く、つぶらな瞳がたまらない。
ディーヴァはそのかわいさに胸がキュンとした。
だが、いくらかわいくても、元は悪魔である。
ダンテが苦汁を飲んだほどの、だ。
ぐっと、抱きつきたい衝動を抑えるディーヴァ。
「ヨシ!ケルベロス、ディーヴァを頼んだぜ。オレの大事にしてる女の子なんだから傷ひとつ負わせるなよ?」
「主の頼みならしかたあるまい。承知した、全力で守ろうぞ」
ケルベロスはわふ!と最後に一声、了承の意味を込めて吠えた。
「じゃあ、オレはこっちを片付けてくるからな」
ちゅ。
ダンテはディーヴァの額を掻き分けると、口づけを落とした。
行ってきます、の意のキスだ。
そうして、中央の道へと入っていった。
「……ダンテ」
名残惜しくダンテの名をつぶやく。その服の端をケルベロスが引いた。
「さあ行くぞ。天使……いや、ディーヴァだったか?」
「うん。よろしく……」
ディーヴァとケルベロスも左端の部屋へと、吸い込まれるように入っていった。
ダンテは、軽々しく言ってしまったが果たしてディーヴァを一人で行かせて本当に問題ないだろうか、と。
ディーヴァはディーヴァで、正しい道とやらを選び間違えて悪魔が出やしないか、と。
ダンテの心配をするどころではないのは明らか。
どうしたらいいだろう。一人で行くのが不安なら、他に誰かいればいい。
そう、他に……。
ダンテは思い付いた。
ディーヴァに両手を出すよう言い、それを渡す。
「これ、持って行けよ」
「え、これって……」
チャキ……。
手の上に置かれたのは、ひんやりと冷たく重い三氷棍だった。
「ケルベロスだ。こいつがあれば、大丈夫だろ。……決して放すなよ?」
「うん……」
触れているだけで凍りつきそうなそれを、ディーヴァはまるで失えば命すらないとでもいうように、大事そうに抱えた。
「ありがと。でもさ、あたしは武器を持たされたって自分じゃ使えないんだよ?」
「わかってるって。……ケルベロス」
ダンテが呼ぶと、武器から声がした。
ケルベロスの声である。
『なんだ。今、我を持っているのはダンテではないな。力を示さぬ者に我を扱うことは出来んぞ』
「ほら、ケルベロスさんもこう言ってる!無理だよ!」
「別にディーヴァは使わなくていいし、ケルベロスもディーヴァに使われなくたっていいんだよ。ケルベロス、武器以外の姿になれるか?」
『元の姿、ということか』
元の姿、つまりは大きな三頭犬のこと。
あの姿にここでなられたら、床は抜け落ちるかもしれないし部屋がケルベロスだけでいっぱい……自分たちが押しつぶされるかもしれない。
避けたほうがよさそうだ。
ダンテは違うものになるよう、指示した。
「あー……人間が連れて歩けるサイズでよろしく」
『よかろう』
グルルルァ!
武器に変わったあの時と同じ、恐ろしい唸り声が響き渡る。
光が溢れて収まった時にいたのは、その恐ろしい唸り声とはうって代わり、真っ黒な毛色のゴールデンレトリバー……犬だった。
「これでよいか?」
毛足の長い黒い体毛から覗く、つぶらな瞳がたまらない。
ディーヴァはそのかわいさに胸がキュンとした。
だが、いくらかわいくても、元は悪魔である。
ダンテが苦汁を飲んだほどの、だ。
ぐっと、抱きつきたい衝動を抑えるディーヴァ。
「ヨシ!ケルベロス、ディーヴァを頼んだぜ。オレの大事にしてる女の子なんだから傷ひとつ負わせるなよ?」
「主の頼みならしかたあるまい。承知した、全力で守ろうぞ」
ケルベロスはわふ!と最後に一声、了承の意味を込めて吠えた。
「じゃあ、オレはこっちを片付けてくるからな」
ちゅ。
ダンテはディーヴァの額を掻き分けると、口づけを落とした。
行ってきます、の意のキスだ。
そうして、中央の道へと入っていった。
「……ダンテ」
名残惜しくダンテの名をつぶやく。その服の端をケルベロスが引いた。
「さあ行くぞ。天使……いや、ディーヴァだったか?」
「うん。よろしく……」
ディーヴァとケルベロスも左端の部屋へと、吸い込まれるように入っていった。