ギガピートは飛びながら穴から穴へと移動を続けている。
それを追って、ダンテはエボニーとアイボリーを連射した。

外甲を攻撃され怒ったギガピートは、ダンテに紫色の電撃球を発射する。

それを弾き返したダンテは、下からギガピートの腹目掛けてリベリオンを突き刺した。
弾き返された球はギガピートの頭にあたり、爆風を巻き起こしている。

「お返しだぜ」

ダンテは呟くとそのままぶら下がり、魔力を最大までためたショットガンを至近距離でぶっ放す。

叫び声をあげてのたうち回るギガピートがダンテに電撃糸を放電してきた。
追尾してくる電撃糸の先についた、青色の電撃球を難なくサイドロールで避けると、ミリオンスタッブを繰り出す。

「くらいやがれ！」

ギガピートは体液を飛び散らせながら、さらに電撃球を追加した。
ダンテだけではなく、壁の陰に隠れるディーヴァにも球が飛んでくる。

何もしていないと言うのに、敵と認識されてしまったようだ。

「ひゃああああ！」

ディーヴァもダンテ同様、避けることに成功した。
意外に動きが軽やかだった。

「なんであたしまでっ……」

避けつつディーヴァの元までやってくるダンテ。

「避けるの上手くなったじゃねぇか」
「冗談言ってないで、早く倒す！」
「ハイハイ」

最後に飛んできた球をリベリオンを振って弾いたダンテは、再度戦いに身を投じた。
球はギガピートの頭に当たりそうだったが間一髪でよけられ、胴体部分にあたった。

先ほども思ったが、頭を最優先に守ってはいないだろうか？
ディーヴァは、頭を守ろうと体をくねらせるその様子に、弱点を見抜いた。

「この悪魔も頭が弱点みたい！」
「ＯＫ、わかった」

高い場所より飛び下りて、乗り移るダンテ。
ダンテが上にいるのに気がついたギガピートは、振り落とそうと胴体を回転させた。

ダンテはそれを、垂直にジャンプすることで防いだ。

「おっと。大人しくしやがれ！」

暴れ馬を乗りこなすように、ギガピートの脇腹に何回にもわたりケルベロスを叩きつける。

「ギャギャギャギャギィィィイイッッ！！」

今までにないようなひどい雄叫びだった。
頭だけではなく、ケルベロス……つまりは寒さが弱点なようだ。

「よく効いてるみたいだな！」

頭まで駆けたダンテは力の続く限り、ケルベロスでの攻撃を加え続けた。

断末魔をあげて倒れたギガピートは、その節ごとに千切れて崩れた。
黄色く虫独特の臭気を放つ、体液を撒き散らして……。
そこらじゅう一帯が体液で汚なくなってしまった。

「終わったぜ、ちょっとエネルギー充填に抱きしめさせてくれ……」
「お帰りダンテ……って！」

腕を広げかけていたのをあわててひっこめる。

「ダンテ近寄らないで！ひいいいい！」
「何でだよ！」
「汁っ虫の汁ついてる！汚い！落としてからにして！」

そこらじゅうが体液まみれ、ということはダンテも体液で濡れているということ。
戻ってきたダンテはコートのいたるところを体液でテラテラと光らせていた。

「どうやって落とすんだよ……」
「ううう、せめて乾いてから！それまでおさわり禁止ーーーッ」
「そりゃないぜ……」

ダンテはがっくりと項垂れるしかなかった。