mission 3:fierce ice dog ~ケルベロス~
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塔の最上部に立ったバージルは真下に広がる下界を見据えている。
視線の先はダンテとディーヴァがいるであろう、スラムの中心だ。
その後ろから黒衣の男が近づいて来た。
「アーカムか」
先ほどまでダンテの店にいた男……アーカムである。
彼はバージルに歩み寄りながら、興奮冷めやらぬ口調で『塔』について熱っぽく語りだした。
「どうかね?興奮しないか?ようやく復活を果たしたのだ。かつて魔界と人界を結びつけていた、この古の塔……テメンニグルがな」
アーカムはバージルの隣に並び、同じく下界を見下ろした。
「素晴らしい眺めだろう。神に逆らい悪魔の力を求めた異端の徒……その叡智の結晶の上に我々は立っている。今こそ我々は彼らの思いを受け継ぎ、二千年という時を経てこの地上を再び……」
どんどん饒舌になり熱がこもってきているアーカムに、うんざりと返す。
「そんな事はどうでもいい。奴は持っていたのか?」
「もちろん……さぞかし大事そうにね。君達の母上の形見とあれば当然の話か」
バージルは自分の胸に揺れる母の形見……アミュレットを手にとって見つめた。
思い浮かぶは母との思い出。そして……。
バージルは脳裏によぎったその想いを一瞬にして振り払うと、前を向いた。
「だが奴は真の使い道を知らん。……女は?」
「同じくらい大事そうに連れていた」
「フン……」
残念だ。
まだダンテの傍にディーヴァはいる。
自分の忠告も利かなかったようだ。
ダンテと一緒にくるか……。
ディーヴァ、お前を傷つけることになるとはな。
だが、力得るためには多少の犠牲もいたしかたないと思うしかなかろう。
ダンテを恨め。
これから巻き込まれるであろうディーヴァを思い、バージルは空を睨んだ。
直後、地獄の統率者たるヘル=バンガードが、バージル達の前に現れた。
ダンテに敗れた悪魔だ。
ダンテに敵わなかったというのに次はバージルに挑もうというのか。
しかも、得物も持たず、素手で。
バンガードはバージルににじり寄る。
だが彼は、まるでハエを振り払うかのように閻魔刀を一太刀浴びせた。
バージルが鞘に戻した瞬間、バンガードは胴体をバラバラに崩れさせ、体を砂へと変えながら下へと落ちていった。
そしてそれを赤いバイクに乗りながら見上げる者が一人……。
「見つけた」
明らかに人間、しかも女性である。
街の住民は逃げ人は全くいないというのに、一体こんなところで何をしているのだろうか。
そしてそこに悪魔が三匹、非常にゆっくりとした動きで近づいてきていた。
女はエンジンを最大までふかせると、マフラーから炎を排出させる。
かくして、炎によって真後ろにいた悪魔達は火ダルマとなり、最後には折り重なって倒れた。
そのまま女はバイクを発進させ塔の方面へと向かった。
自らの因縁を断ちきる、そのために……。、
視線の先はダンテとディーヴァがいるであろう、スラムの中心だ。
その後ろから黒衣の男が近づいて来た。
「アーカムか」
先ほどまでダンテの店にいた男……アーカムである。
彼はバージルに歩み寄りながら、興奮冷めやらぬ口調で『塔』について熱っぽく語りだした。
「どうかね?興奮しないか?ようやく復活を果たしたのだ。かつて魔界と人界を結びつけていた、この古の塔……テメンニグルがな」
アーカムはバージルの隣に並び、同じく下界を見下ろした。
「素晴らしい眺めだろう。神に逆らい悪魔の力を求めた異端の徒……その叡智の結晶の上に我々は立っている。今こそ我々は彼らの思いを受け継ぎ、二千年という時を経てこの地上を再び……」
どんどん饒舌になり熱がこもってきているアーカムに、うんざりと返す。
「そんな事はどうでもいい。奴は持っていたのか?」
「もちろん……さぞかし大事そうにね。君達の母上の形見とあれば当然の話か」
バージルは自分の胸に揺れる母の形見……アミュレットを手にとって見つめた。
思い浮かぶは母との思い出。そして……。
バージルは脳裏によぎったその想いを一瞬にして振り払うと、前を向いた。
「だが奴は真の使い道を知らん。……女は?」
「同じくらい大事そうに連れていた」
「フン……」
残念だ。
まだダンテの傍にディーヴァはいる。
自分の忠告も利かなかったようだ。
ダンテと一緒にくるか……。
ディーヴァ、お前を傷つけることになるとはな。
だが、力得るためには多少の犠牲もいたしかたないと思うしかなかろう。
ダンテを恨め。
これから巻き込まれるであろうディーヴァを思い、バージルは空を睨んだ。
直後、地獄の統率者たるヘル=バンガードが、バージル達の前に現れた。
ダンテに敗れた悪魔だ。
ダンテに敵わなかったというのに次はバージルに挑もうというのか。
しかも、得物も持たず、素手で。
バンガードはバージルににじり寄る。
だが彼は、まるでハエを振り払うかのように閻魔刀を一太刀浴びせた。
バージルが鞘に戻した瞬間、バンガードは胴体をバラバラに崩れさせ、体を砂へと変えながら下へと落ちていった。
そしてそれを赤いバイクに乗りながら見上げる者が一人……。
「見つけた」
明らかに人間、しかも女性である。
街の住民は逃げ人は全くいないというのに、一体こんなところで何をしているのだろうか。
そしてそこに悪魔が三匹、非常にゆっくりとした動きで近づいてきていた。
女はエンジンを最大までふかせると、マフラーから炎を排出させる。
かくして、炎によって真後ろにいた悪魔達は火ダルマとなり、最後には折り重なって倒れた。
そのまま女はバイクを発進させ塔の方面へと向かった。
自らの因縁を断ちきる、そのために……。、