mission 20:to the direction of blue abyss ~兄と弟~
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「俺が……負けるのか」
倒れこんだバージルをダンテが見下ろす。
「どうした?それで終わりか?立てよ、あんたの力はそんなもんじゃない」
まだまだダンテは力が有り余っているようだ。
その安い挑発に乗ったか、バージルは足に力を込めて立ち上がった。
やはり、双子だ。
バージルが立ち上がった瞬間、ゴゴゴゴゴと場が揺れ始めた。
「きゃあ!じ……地震!?」
鍾乳洞の柱にしがみつきながらやり過ごすディーヴァ。
ダンテもバージルも、何事かとそれを耐えた。
「人界への道が閉ざされようとしている……?アミュレットが別れてしまったせいか……」
魔剣と二つのアミュレット。
魔界と人間界をつなぐ鍵がわかたれたことによって、かけ橋となっていたゲートが急速に閉じて言っているようだ。
このままここにいれば人間界には戻れなくなってしまうかもしれない。
「終わりにしよう、バージル。オレはアンタを止めなきゃならない。……アンタを殺す事になるとしても」
ダンテがバージルに向かって駆ける。
そのダンテの声に答えるようにフォースエッジを構え、バージルも走った。
逆にダンテの命を狩り取る……そのために。
「うおおおおお!」
「ああああああ!」
最後の斬り合いは、ダンテに軍配が上がった。
思いの強い方が勝つ。
ダンテの思いは、僅差でバージルの思いよりも強かった。
フォースエッジを場に突き立てたまま離し、そして自分のアミュレットを取り落すバージル。
苦しそうにしながらも、バージルはアミュレットを拾って大事そうに抱えた。
バージルはもう戦えまい。
ダンテはリベリオンを背中に戻してバージルに向き直った。
「これは誰にも渡さない。これは俺の物だ。スパーダの真の後継者が持つべき物……」
後退していくバージル。
このままでは滝壺へ……その下の魔界の真の深淵へと落ちてしまう。
ダンテは慌てて駆け寄り、ディーヴァも柱の影から飛び出し、ダンテと同じ行動に走った。
だが、それを遮るかのようにバージルは閻魔刀をダンテの首に突きつける。
前進を遮られなかったディーヴァだけがそのままバージルに辿り着いた。
「待って!」
その腕を放さないとばかりにだきよせ、潤ませた瞳で見上げるディーヴァ。
バージルは視線を軽くさ迷わせ、ディーヴァのエメラルドを、まるで記憶の中に永遠に閉じ込めるかのようにじっと見つめた。
「魔界なんかに残らないで、バージル……。ね、帰ろ?まだ間に合うよ、行こう?」
「……俺はもう、あと戻りはできないところまできた」
「そんなことな……」
ダンテの目の前ではあったが、片手で軽くディーヴァを引き寄せ、バージルは耳元に唇をよせた。
「……ダンテをたのむぞ、ディーヴァ…」
そう小さく呟いた瞬間、バージルの表情はダンテを思う兄の顔をしていた。
ディーヴァはその表情を視界に入れ、驚いて腕を放してしまった。
その隙に不意打ちにと、ディーヴァの唇に小さな触れるだけのキスを送り、踵を反す。
ディーヴァは固まって何も言えなかった。
「お前達は行け。魔界に飲み込まれたくはあるまい?……俺はここでいい。親父の故郷の、この場所が……」
身を投げると、その体はふわりと傾き重力に従い落ちていく。
ダンテはディーヴァを押しのけ、手を伸ばす。
ディーヴァもハッとして叫んだ。
「「ッバージル!!!」」
伸ばされた手をバージルは閻魔刀の切っ先で斬り払い、更に深く落ちていった。
最後まで兄が弟の手をとることはなく、深淵の彼方へと、己を貫いた蒼い悪魔は消えてしまった…。
ディーヴァだけが、バージルの隠された思いをわずかに理解しているのだった。
ダンテは斬られた手のひらをしばし見つめ、拳をぎゅっと握る。
傷は一瞬にして消えてしまったが、グローブには斬られた裂痕が残った。
「ダンテ…」
嫉妬深いダンテが、キスされたことについて何も言ってこない。
よほどのショックを受けているようでディーヴァも何も言えなかった。
背後に刺さるフォースエッジを引き抜き担ぐどこまでも静かなダンテに、ディーヴァは自分も静かに付き従い魔界から人間界へと戻るのだった。
倒れこんだバージルをダンテが見下ろす。
「どうした?それで終わりか?立てよ、あんたの力はそんなもんじゃない」
まだまだダンテは力が有り余っているようだ。
その安い挑発に乗ったか、バージルは足に力を込めて立ち上がった。
やはり、双子だ。
バージルが立ち上がった瞬間、ゴゴゴゴゴと場が揺れ始めた。
「きゃあ!じ……地震!?」
鍾乳洞の柱にしがみつきながらやり過ごすディーヴァ。
ダンテもバージルも、何事かとそれを耐えた。
「人界への道が閉ざされようとしている……?アミュレットが別れてしまったせいか……」
魔剣と二つのアミュレット。
魔界と人間界をつなぐ鍵がわかたれたことによって、かけ橋となっていたゲートが急速に閉じて言っているようだ。
このままここにいれば人間界には戻れなくなってしまうかもしれない。
「終わりにしよう、バージル。オレはアンタを止めなきゃならない。……アンタを殺す事になるとしても」
ダンテがバージルに向かって駆ける。
そのダンテの声に答えるようにフォースエッジを構え、バージルも走った。
逆にダンテの命を狩り取る……そのために。
「うおおおおお!」
「ああああああ!」
最後の斬り合いは、ダンテに軍配が上がった。
思いの強い方が勝つ。
ダンテの思いは、僅差でバージルの思いよりも強かった。
フォースエッジを場に突き立てたまま離し、そして自分のアミュレットを取り落すバージル。
苦しそうにしながらも、バージルはアミュレットを拾って大事そうに抱えた。
バージルはもう戦えまい。
ダンテはリベリオンを背中に戻してバージルに向き直った。
「これは誰にも渡さない。これは俺の物だ。スパーダの真の後継者が持つべき物……」
後退していくバージル。
このままでは滝壺へ……その下の魔界の真の深淵へと落ちてしまう。
ダンテは慌てて駆け寄り、ディーヴァも柱の影から飛び出し、ダンテと同じ行動に走った。
だが、それを遮るかのようにバージルは閻魔刀をダンテの首に突きつける。
前進を遮られなかったディーヴァだけがそのままバージルに辿り着いた。
「待って!」
その腕を放さないとばかりにだきよせ、潤ませた瞳で見上げるディーヴァ。
バージルは視線を軽くさ迷わせ、ディーヴァのエメラルドを、まるで記憶の中に永遠に閉じ込めるかのようにじっと見つめた。
「魔界なんかに残らないで、バージル……。ね、帰ろ?まだ間に合うよ、行こう?」
「……俺はもう、あと戻りはできないところまできた」
「そんなことな……」
ダンテの目の前ではあったが、片手で軽くディーヴァを引き寄せ、バージルは耳元に唇をよせた。
「……ダンテをたのむぞ、ディーヴァ…」
そう小さく呟いた瞬間、バージルの表情はダンテを思う兄の顔をしていた。
ディーヴァはその表情を視界に入れ、驚いて腕を放してしまった。
その隙に不意打ちにと、ディーヴァの唇に小さな触れるだけのキスを送り、踵を反す。
ディーヴァは固まって何も言えなかった。
「お前達は行け。魔界に飲み込まれたくはあるまい?……俺はここでいい。親父の故郷の、この場所が……」
身を投げると、その体はふわりと傾き重力に従い落ちていく。
ダンテはディーヴァを押しのけ、手を伸ばす。
ディーヴァもハッとして叫んだ。
「「ッバージル!!!」」
伸ばされた手をバージルは閻魔刀の切っ先で斬り払い、更に深く落ちていった。
最後まで兄が弟の手をとることはなく、深淵の彼方へと、己を貫いた蒼い悪魔は消えてしまった…。
ディーヴァだけが、バージルの隠された思いをわずかに理解しているのだった。
ダンテは斬られた手のひらをしばし見つめ、拳をぎゅっと握る。
傷は一瞬にして消えてしまったが、グローブには斬られた裂痕が残った。
「ダンテ…」
嫉妬深いダンテが、キスされたことについて何も言ってこない。
よほどのショックを受けているようでディーヴァも何も言えなかった。
背後に刺さるフォースエッジを引き抜き担ぐどこまでも静かなダンテに、ディーヴァは自分も静かに付き従い魔界から人間界へと戻るのだった。