mission 20:to the direction of blue abyss ~兄と弟~
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フォースエッジが回転しながら落ちていき、流れる水のさなかに刺さった。
ディーヴァを抱えたダンテとバージルも、より深い魔界へと落ちる。
無事に着地した二人は、フォースエッジに手を伸ばしたが、その取り合いはバージルに軍配が上がった。
フォースエッジを手にしたバージルは、さらにダンテに手を差し出しアミュレットをよこすよう示す。
「そのアミュレットとディーヴァを渡せ」
ダンテは手に絡みつくようにして持ったアミュレットをちらと見、そのあと傍らのディーヴァに目を向けた。
「イヤだね、自分のがあるだろ?
それにディーヴァはオレの物。アンタにゃ絶対渡さない」
「あのさ。あたしは物じゃないんだけど」
ぎゅうぎゅう腕の中に閉じ込めてくるダンテに、ぼそりとつぶやくディーヴァだが、今では自分の物扱いしてくるダンテが少し嬉しくなってきていた。
ずいぶんダンテに感化されつつあるらしい。
そんなダンテの言い分を無視して、バージルは手に入れたフォースエッジを構えた。
「アミュレットは二つ揃わなくては意味がない。それに…」
愛しい者を見る目付きでディーヴァをダンテと同じアクアマリンの双眸に映すバージル。
「ディーヴァは貴様のような頭も力も弱い奴に預けておけん。……渡せ」
そう言われて素直に渡すダンテではない。
ディーヴァをさらに強く抱きしめて、所有物アピールしだした。
「ハンッ!!ここは魔界なんだぜ?
魔界に住居をかまえるご予定のオニイサマがディーヴァをどうしようって言うんだ?」
「俺はいずれ魔界を制する。スパーダのような強い存在になるのだ。
さすればディーヴァもそこが魔界だとしても暮らしやすかろう……共に来い。」
テメンニグルで最初に相対した時のバージルは、自分の手もダンテの手も、悪魔と名のつく者全ての手が届かぬ安全な場所に送り届けるなどと言っていた。
なのに、今は真逆。
魔界に連れていくなどとのたまう。
「最初と言ってることが違うぜ?そんなに力が欲しいのか?力を手に入れても父さんにはなれない」
「貴様は黙ってろ!」
ダンテに怒り心頭で向かうバージル。
ダンテはディーヴァをその背に回すと、リベリオンで迎え撃った。
剣と剣がぶつかり合い、ダンテはバージルの振るうフォースエッジの刃を、バージルはダンテの振るうリベリオンの刃を素手で掴んだ。
血が滲んで滴り落ちるが、それすら気にせず互いの闘志に満ちた目を見る。
「オレ達がスパーダの息子なら……受け継ぐべきなのは力なんかじゃない!もっと大切な……誇り高き魂だ!」
ダンテは叫ぶと、斬り払って両端に別れた。
「その魂が叫んでる。あんたを止めろってな!」
笑い飛ばしながら、大気中からも力を得るようにその手を握りしめるバージル。
「フハハハハハ!!悪いが俺の魂はこう言ってる。…………もっと力を!」
少し悲しげにダンテは呟く。
「双子だってのにな」
「ああ……そうだな」
実を言うと、バージルは自分が間違っているのではないか、そう思い始めてはいた。
ダンテと刃を交える内に。
……ディーヴァを守り守られ過ごす弟を見ている内に。
しかし、もはや後戻りはできない。
止められないのだ。
憎き片割れを討ちたい。討って自分が強いと実感したい。より強くなるための力がほしい。
「ディーヴァは攻撃が届かない場所にいろよ」
「ああ、これはダンテと俺の戦い、決して邪魔はしてくれるなよ、ディーヴァ……」
ディーヴァはコクリと頷き、鍾乳洞の奥へ下がった。
避けられぬ戦いが今、また始まる。
ディーヴァは目を伏せ、心の中で十字を切った。
ディーヴァを抱えたダンテとバージルも、より深い魔界へと落ちる。
無事に着地した二人は、フォースエッジに手を伸ばしたが、その取り合いはバージルに軍配が上がった。
フォースエッジを手にしたバージルは、さらにダンテに手を差し出しアミュレットをよこすよう示す。
「そのアミュレットとディーヴァを渡せ」
ダンテは手に絡みつくようにして持ったアミュレットをちらと見、そのあと傍らのディーヴァに目を向けた。
「イヤだね、自分のがあるだろ?
それにディーヴァはオレの物。アンタにゃ絶対渡さない」
「あのさ。あたしは物じゃないんだけど」
ぎゅうぎゅう腕の中に閉じ込めてくるダンテに、ぼそりとつぶやくディーヴァだが、今では自分の物扱いしてくるダンテが少し嬉しくなってきていた。
ずいぶんダンテに感化されつつあるらしい。
そんなダンテの言い分を無視して、バージルは手に入れたフォースエッジを構えた。
「アミュレットは二つ揃わなくては意味がない。それに…」
愛しい者を見る目付きでディーヴァをダンテと同じアクアマリンの双眸に映すバージル。
「ディーヴァは貴様のような頭も力も弱い奴に預けておけん。……渡せ」
そう言われて素直に渡すダンテではない。
ディーヴァをさらに強く抱きしめて、所有物アピールしだした。
「ハンッ!!ここは魔界なんだぜ?
魔界に住居をかまえるご予定のオニイサマがディーヴァをどうしようって言うんだ?」
「俺はいずれ魔界を制する。スパーダのような強い存在になるのだ。
さすればディーヴァもそこが魔界だとしても暮らしやすかろう……共に来い。」
テメンニグルで最初に相対した時のバージルは、自分の手もダンテの手も、悪魔と名のつく者全ての手が届かぬ安全な場所に送り届けるなどと言っていた。
なのに、今は真逆。
魔界に連れていくなどとのたまう。
「最初と言ってることが違うぜ?そんなに力が欲しいのか?力を手に入れても父さんにはなれない」
「貴様は黙ってろ!」
ダンテに怒り心頭で向かうバージル。
ダンテはディーヴァをその背に回すと、リベリオンで迎え撃った。
剣と剣がぶつかり合い、ダンテはバージルの振るうフォースエッジの刃を、バージルはダンテの振るうリベリオンの刃を素手で掴んだ。
血が滲んで滴り落ちるが、それすら気にせず互いの闘志に満ちた目を見る。
「オレ達がスパーダの息子なら……受け継ぐべきなのは力なんかじゃない!もっと大切な……誇り高き魂だ!」
ダンテは叫ぶと、斬り払って両端に別れた。
「その魂が叫んでる。あんたを止めろってな!」
笑い飛ばしながら、大気中からも力を得るようにその手を握りしめるバージル。
「フハハハハハ!!悪いが俺の魂はこう言ってる。…………もっと力を!」
少し悲しげにダンテは呟く。
「双子だってのにな」
「ああ……そうだな」
実を言うと、バージルは自分が間違っているのではないか、そう思い始めてはいた。
ダンテと刃を交える内に。
……ディーヴァを守り守られ過ごす弟を見ている内に。
しかし、もはや後戻りはできない。
止められないのだ。
憎き片割れを討ちたい。討って自分が強いと実感したい。より強くなるための力がほしい。
「ディーヴァは攻撃が届かない場所にいろよ」
「ああ、これはダンテと俺の戦い、決して邪魔はしてくれるなよ、ディーヴァ……」
ディーヴァはコクリと頷き、鍾乳洞の奥へ下がった。
避けられぬ戦いが今、また始まる。
ディーヴァは目を伏せ、心の中で十字を切った。