mission 20:to the direction of blue abyss ~兄と弟~
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テメンニグルの最上階へと足を向けたレディは魔界とつながっているであろう、暗い空を見上げた。
その時だった。
ダンテとバージルに負けたのであろう、アーカムがレディの前に落ちてきた。
勢いよく叩きつけられてもなお、まだ息がある。
それは悪魔となったからに相違ない、普通の人間ならぺしゃんこに潰れていたであろう高度。
「何故、私が……私は神になる男だ。誰にも屈するはずがない」
ゆっくりと起き上り床を這うその体は、流れる血でべっとりと濡れていた。
そんなアーカムの進む先に待ち構えていたのはレディ。
自らの父親である彼を、汚らわしい物を見るように見下ろしている。
「驚いた。まさかとは思ったけど、そっちから近づいてきてくれるとはね」
その手に握られた銃は、ぶれることなくアーカムの脳天を狙っていた。
「……メアリ」
「その名前を口にしないで。そう呼んでいいのは母さんだけよ」
「待ってくれ。私を撃つのか?実の父親を撃てるのか?」
命乞いをするアーカム。
悪魔と成り果てたとはいえども、今銃弾を受けたら助からない。
「私のどこに非がある!スパーダの伝説も犠牲の上に成立している。私は神になりたかったのだ!
そのために愚かな人間を犠牲にした!それだけのことだ。それのどこが悪い……」
命乞いのようだがその実、違ったようだ。
今やレディの指一つで生きるか死ぬかが決まっているというのに、どこまでも自分が正しいかのような言い方をする。
「私にはまだやるべき事がある。助けてくれ、メアリ」
レディの母親であり、一度は愛したはずのアーカムの妻でもあるカリーナでさえも、『愚かな人間』扱いをした男を許すレディではない。
「メアリなんて女はもういない。私は……レディ」
メアリ。
本名であるそれを捨てることで、父親との縁、そして今までの人生において父親と過ごしたすべての思い出を葬り去る。
そして、新しくダンテが戯れにつけた名を名乗った。
そして両手でしっかりと銃を支え、アーカムに照準を合わせる。
「さよなら、父さん」
最後くらいはせめてもの情けで父親と呼ぶ。
弾は四つ入っていた。
弾がなくなっても、レディは撃ち続け、それから後退して座り込んだ。
動かなくなったアーカムを前に、レディは笑い声をあげる。
その瞳から落ちる物に気が付いた。
涙だった。
「涙なんか出ないと思ってた……」
レディは遥かなる天を見上げ、仰いだ。
その時だった。
ダンテとバージルに負けたのであろう、アーカムがレディの前に落ちてきた。
勢いよく叩きつけられてもなお、まだ息がある。
それは悪魔となったからに相違ない、普通の人間ならぺしゃんこに潰れていたであろう高度。
「何故、私が……私は神になる男だ。誰にも屈するはずがない」
ゆっくりと起き上り床を這うその体は、流れる血でべっとりと濡れていた。
そんなアーカムの進む先に待ち構えていたのはレディ。
自らの父親である彼を、汚らわしい物を見るように見下ろしている。
「驚いた。まさかとは思ったけど、そっちから近づいてきてくれるとはね」
その手に握られた銃は、ぶれることなくアーカムの脳天を狙っていた。
「……メアリ」
「その名前を口にしないで。そう呼んでいいのは母さんだけよ」
「待ってくれ。私を撃つのか?実の父親を撃てるのか?」
命乞いをするアーカム。
悪魔と成り果てたとはいえども、今銃弾を受けたら助からない。
「私のどこに非がある!スパーダの伝説も犠牲の上に成立している。私は神になりたかったのだ!
そのために愚かな人間を犠牲にした!それだけのことだ。それのどこが悪い……」
命乞いのようだがその実、違ったようだ。
今やレディの指一つで生きるか死ぬかが決まっているというのに、どこまでも自分が正しいかのような言い方をする。
「私にはまだやるべき事がある。助けてくれ、メアリ」
レディの母親であり、一度は愛したはずのアーカムの妻でもあるカリーナでさえも、『愚かな人間』扱いをした男を許すレディではない。
「メアリなんて女はもういない。私は……レディ」
メアリ。
本名であるそれを捨てることで、父親との縁、そして今までの人生において父親と過ごしたすべての思い出を葬り去る。
そして、新しくダンテが戯れにつけた名を名乗った。
そして両手でしっかりと銃を支え、アーカムに照準を合わせる。
「さよなら、父さん」
最後くらいはせめてもの情けで父親と呼ぶ。
弾は四つ入っていた。
弾がなくなっても、レディは撃ち続け、それから後退して座り込んだ。
動かなくなったアーカムを前に、レディは笑い声をあげる。
その瞳から落ちる物に気が付いた。
涙だった。
「涙なんか出ないと思ってた……」
レディは遥かなる天を見上げ、仰いだ。