mission 2:buried memory ~崩壊~
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辺りが静寂に包まれた。
ダンテの戦いを邪魔しないよう、途中から再び物陰に隠れていたディーヴァが出てくる。
「なんとか……撃退、出来たのかな……?」
「多分な」
恐る恐るダンテに確認するディーヴァ。
ダンテはリベリオンを担いでディーヴァをその胸に招き入れた。
「ダンテ……怪我はだいじょぶ?」
「ああ、かすり傷だ」
「さっきはゴメン」
さっきとは、ディーヴァが言いたいのは攻撃を受けてぶっ飛んだダンテに来ないよう発言したことらしい。
ダンテは空気を明るいものに変えるため、からかいを交えて答えた。
「ホントだよな~、あの瞬間、体だけでなく心が傷ついたぜ」
「ゴメン……おわびにダンテが傷ついてるなら例えそれが心だとしても、あたしの血をいくらだってあげるよ……」
からかい交じりは逆効果だったようだ。
余計ディーヴァが落ち込んでしまった。
ダンテはあわあわ焦って、ディーヴァの顔を見つめた。
「あ、いや……血を出す時に痛いだろ。血の安売りはすんな。さっきのバイタルスターがあるからそれはいい」
そう言って、ディーヴァからバイタルスターを受けとり、空にかざす。
魔力を放ち続けるそれは落ち始めた夕日にキラリと光った。
それをみながらダンテはボソリと呟いた。
「まだそんなに重症じゃねぇが……いいか」
「?」
「まあ、見とけ」
そう言ってダンテは、力いっぱいバイタルスターを握り潰した。
見た目は痛そうである。
それはシュウシュウと蒸発しながら、ダンテの手のひらへ吸い込まれていった。
その瞬間、ダンテの体に残っていた傷がたちどころに消えていく。
ディーヴァの血の力よりは劣るが、傷を治すには十分な効力である。
「うわ……回復剤だったんだ。気色悪いけど便利だね」
気色悪い、を強調しながら言う。
よくもまあ、そんな変な顔のついた物体Xを使えたものだ。
「でも、大量生産して売ったら借金もなくなっていいかも!」
考えるのはお金のこと。
がめつく見えるが、そうならざるを得ないほどに、ダンテの借金は多いということだ。
「多分悪魔族にしかきかないぞ」
「……なんだがっかり」
ふと、瓦礫の山と化した事務所をみやる。
ダンテのその答えに落胆したディーヴァは更に落ち込むこととなった。
「……あ!!」
忘れていたが、崩れた事務所には家族の写真やアルバムが埋もれている。
「ひええええぇぇぇぇえ!パパとママとお兄ちゃんがああああ!!」
「それがどうかしたか」
「写真!アルバム!!大事な思い出が埋まっちゃってるの!」
「ああ、そういえばそうだな……」
ムンクの叫びと同じポーズになったディーヴァが真っ青な顔をした。
ダンテはそんな重要だと思っていないのか、のんびりと間延びした答え方だった。
「ダンテの写真立てだって埋もれてるんだからね、どうしてそんなに落ち着いていられるのよ!」
「後で発掘すりゃいいだろ?」
「後でなんて言ってられない、ダンテからもらった花束も埋まってるし……」
そうである。
クリスマスにダンテから貰った大事な花束……大事にとっておきたくて、ディーヴァがドライフラワーにした物だ。
それも瓦礫のどこかに埋まっているであろう。
ドライフラワーなのでもしかしたら衝撃で散らばっているかもしれない。
ディーヴァはそれを想像してさめざめと泣いた。
「またプレゼントしてやるって」
「そーいう問題じゃなぁーい!」
また貰ったとしても、その時の思い出はもう戻らないのだ。
ディーヴァは瓦礫に手と足をかけて登り始めた。
「うんしょ。えっと、あたしの部屋の位置は確かこの辺に……」
少し登って掘り起こそうと手を伸ばす。
ガラガラガラ……。
余計に崩れて口の中に砂が入った。
「ぺっぺっぺ!埃まみれだわ、ダンテ手伝って!」
下でディーヴァを見守るダンテを振り返る。
ダンテは腕を組み、顔をニヤニヤさせながらこちらを見上げていた。
「多分、あとでな」
ダンテの『多分』や『あとで』ほど信用できないものはないと思う。
それよりも、手伝うこともせずにニヤニヤしているのが気になる。
「何ニヤニヤしてるの」
「いや、イイ眺めだなと……」
ダンテの視線の先を辿ると、ディーヴァの尻のあたりにぶつかっている。
格好と今の体勢を考えると、スカートの中だろう。
ディーヴァは両手でスカートを押さえた。
「ちょっと、見ないで……きゃっ」
瓦礫から手を離したおかげで体が傾く。
ダンテはディーヴァが落ちる前に抱きとめて下に降ろした。
「おっと、あぶねぇぞ。んなモンあとででいいじゃねぇか」
「おうちをこんな瓦礫にしたダンテゆるすまじ……やっぱりピザしばらく禁止」
ディーヴァは恨みがましくダンテをにらんだ。
こうなったらストロベリーサンデーだけでなくピザも作らない。キスは……ちょっと悩んだが、禁止にしないでおこう。
でも食事はストライキを起こしてしまえ。
「ちょ、何でだよ。オレじゃなくて悪魔を恨んでくれ」
ダンテは頬を膨らまして怒るディーヴァのご機嫌とりにいそしんだ。
その姿たるや、先程まで鬼気迫る戦いを繰り広げていたものとは思えないくらいだ。
女性一人にこれとは、情けないデビルハンターだ。
ダンテの戦いを邪魔しないよう、途中から再び物陰に隠れていたディーヴァが出てくる。
「なんとか……撃退、出来たのかな……?」
「多分な」
恐る恐るダンテに確認するディーヴァ。
ダンテはリベリオンを担いでディーヴァをその胸に招き入れた。
「ダンテ……怪我はだいじょぶ?」
「ああ、かすり傷だ」
「さっきはゴメン」
さっきとは、ディーヴァが言いたいのは攻撃を受けてぶっ飛んだダンテに来ないよう発言したことらしい。
ダンテは空気を明るいものに変えるため、からかいを交えて答えた。
「ホントだよな~、あの瞬間、体だけでなく心が傷ついたぜ」
「ゴメン……おわびにダンテが傷ついてるなら例えそれが心だとしても、あたしの血をいくらだってあげるよ……」
からかい交じりは逆効果だったようだ。
余計ディーヴァが落ち込んでしまった。
ダンテはあわあわ焦って、ディーヴァの顔を見つめた。
「あ、いや……血を出す時に痛いだろ。血の安売りはすんな。さっきのバイタルスターがあるからそれはいい」
そう言って、ディーヴァからバイタルスターを受けとり、空にかざす。
魔力を放ち続けるそれは落ち始めた夕日にキラリと光った。
それをみながらダンテはボソリと呟いた。
「まだそんなに重症じゃねぇが……いいか」
「?」
「まあ、見とけ」
そう言ってダンテは、力いっぱいバイタルスターを握り潰した。
見た目は痛そうである。
それはシュウシュウと蒸発しながら、ダンテの手のひらへ吸い込まれていった。
その瞬間、ダンテの体に残っていた傷がたちどころに消えていく。
ディーヴァの血の力よりは劣るが、傷を治すには十分な効力である。
「うわ……回復剤だったんだ。気色悪いけど便利だね」
気色悪い、を強調しながら言う。
よくもまあ、そんな変な顔のついた物体Xを使えたものだ。
「でも、大量生産して売ったら借金もなくなっていいかも!」
考えるのはお金のこと。
がめつく見えるが、そうならざるを得ないほどに、ダンテの借金は多いということだ。
「多分悪魔族にしかきかないぞ」
「……なんだがっかり」
ふと、瓦礫の山と化した事務所をみやる。
ダンテのその答えに落胆したディーヴァは更に落ち込むこととなった。
「……あ!!」
忘れていたが、崩れた事務所には家族の写真やアルバムが埋もれている。
「ひええええぇぇぇぇえ!パパとママとお兄ちゃんがああああ!!」
「それがどうかしたか」
「写真!アルバム!!大事な思い出が埋まっちゃってるの!」
「ああ、そういえばそうだな……」
ムンクの叫びと同じポーズになったディーヴァが真っ青な顔をした。
ダンテはそんな重要だと思っていないのか、のんびりと間延びした答え方だった。
「ダンテの写真立てだって埋もれてるんだからね、どうしてそんなに落ち着いていられるのよ!」
「後で発掘すりゃいいだろ?」
「後でなんて言ってられない、ダンテからもらった花束も埋まってるし……」
そうである。
クリスマスにダンテから貰った大事な花束……大事にとっておきたくて、ディーヴァがドライフラワーにした物だ。
それも瓦礫のどこかに埋まっているであろう。
ドライフラワーなのでもしかしたら衝撃で散らばっているかもしれない。
ディーヴァはそれを想像してさめざめと泣いた。
「またプレゼントしてやるって」
「そーいう問題じゃなぁーい!」
また貰ったとしても、その時の思い出はもう戻らないのだ。
ディーヴァは瓦礫に手と足をかけて登り始めた。
「うんしょ。えっと、あたしの部屋の位置は確かこの辺に……」
少し登って掘り起こそうと手を伸ばす。
ガラガラガラ……。
余計に崩れて口の中に砂が入った。
「ぺっぺっぺ!埃まみれだわ、ダンテ手伝って!」
下でディーヴァを見守るダンテを振り返る。
ダンテは腕を組み、顔をニヤニヤさせながらこちらを見上げていた。
「多分、あとでな」
ダンテの『多分』や『あとで』ほど信用できないものはないと思う。
それよりも、手伝うこともせずにニヤニヤしているのが気になる。
「何ニヤニヤしてるの」
「いや、イイ眺めだなと……」
ダンテの視線の先を辿ると、ディーヴァの尻のあたりにぶつかっている。
格好と今の体勢を考えると、スカートの中だろう。
ディーヴァは両手でスカートを押さえた。
「ちょっと、見ないで……きゃっ」
瓦礫から手を離したおかげで体が傾く。
ダンテはディーヴァが落ちる前に抱きとめて下に降ろした。
「おっと、あぶねぇぞ。んなモンあとででいいじゃねぇか」
「おうちをこんな瓦礫にしたダンテゆるすまじ……やっぱりピザしばらく禁止」
ディーヴァは恨みがましくダンテをにらんだ。
こうなったらストロベリーサンデーだけでなくピザも作らない。キスは……ちょっと悩んだが、禁止にしないでおこう。
でも食事はストライキを起こしてしまえ。
「ちょ、何でだよ。オレじゃなくて悪魔を恨んでくれ」
ダンテは頬を膨らまして怒るディーヴァのご機嫌とりにいそしんだ。
その姿たるや、先程まで鬼気迫る戦いを繰り広げていたものとは思えないくらいだ。
女性一人にこれとは、情けないデビルハンターだ。