mission 19:Jack pod ~兄弟共闘~
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レディが休息を取る蔵書室を、静かに通りすぎる者があった。
よく確認は出来なかったが、青いコートの端がちらりと見えたことから、ダンテの兄であるバージルだろう。
バージルはダンテと同じく、魔界へ進むべく上を目指していた。
ダンテに遅れをとってしまったが、真打ちは遅く登場するもの。
バージルはしっかりとした足取りで、魔界へと近づいていった。
***
一方、魔界真っ只中のダンテとディーヴァ。
魔界という不浄な場所の中ではあるが、たっぷりと甘い時間を過ごした二人は鏡をくぐり抜け、血の池地獄のような墓場だらけの場所に来ていた。
ゾンビすら避けて通りそうなほど足元が血で濡れていて、まさに魔界。
おどろおどろしい空気が渦を巻いている。
そこにはアビス達の、気分が悪くなるような唸り声が時々響き渡るのだった。
「うわぁ…気持ち悪い……」
「大丈夫か?」
唸り声も気持ち悪いが、この場の空気自体が天使の血族たるディーヴァに悪影響を及ぼしているのだろう。
ダンテは目に見えて具合が悪そうになってきているディーヴァの背をさすった。
「ごめんな、ディーヴァ……」
「ん?……何が?」
やはり魔界に連れてきたのは間違いだったかもしれない……。
そう思い始めた時だった。
足元の血溜まりが大きく波打ち揺らめく。
そこから魚が跳び跳ねるようにして姿を表したのは、ここの主たるアビスだった。
「ちっ、悪魔か。ちょっと待ってろ」
ここは魔界であり、アビスにとっては本拠地……。
力が溢れるのか、テメンニグルで相手をした時よりも強そうに見えた。
それでも、こちらとて半分とは言え悪魔である。
魔界にいることで魔力は増大しているのだから、落ち着いて倒せばダンテにとって敵ではないだろう。
「イヤッフー!!」
ダンテはケルベロスを構えると、アビスに向けてリボルバーからのウィンドミルを繰り出した。
手数の多い攻撃に、アビスはすぐ後退していく。
そして距離を離すと一斉に死角から鎌を投げつけてきた。
「あっぶね!」
ディーヴァを抱え素早くダッシュで避けたダンテ。
そしてふと気が付いた時には、アビスが消えていた。
「は?どこ行った!?」
『下だ、下に潜ったぞ!』
ケルベロスの言葉に慌てて下……血で出来た水中に目を向けるダンテ。
現れた時と同様、下へ身を隠すとは、悪魔も考えた物だ。
『ここは魔界だ。
やつらは魔界の間を自在に移動できる悪魔。気を付けろ』
鋭いケルベロスの叫びも何のその。
ダンテは唇をペロリと舐め上げて笑った。
「だいじょうぶだ、多分な」
「ダンテ後ろ!」
「ほ~らな」
背後から飛び上がってきたアビスをバックジャンプで軽やかにかわすと、一旦ディーヴァをおろして攻撃した。
『ディーヴァはなぜ、アビスが出てくる場所がわかったのだ』
「簡単だ、天使だからな」
『なるほど。この禍々しさは天使には隠し切れぬということだな』
「掃き溜めくせえしな」
下へと潜り別の場所から鎌を投げつけてくるというトリッキーな動きをしてみせる悪魔、アビスだが、その作戦はディーヴァには利かない。
天使の力によって、どこからやって来るのか丸わかりなのである。
とは言ってもその動きはとてつもなく素早い。
少しでもタイミングがずれれば死、あるのみであろう。
ダンテは振るわれたアビスの鎌にリベリオンを当てると、弾き合い合戦し出した。
アビスと鍔迫り合うダンテにディーヴァの鋭い叫びが届く。
「ひゃああ!」
「げ、ディーヴァ!?」
見れば、ディーヴァがアビスに襲われ逃げ惑っていた。
逃げ足だけは早く運のいいディーヴァ。
アビスの素早い攻撃も全て紙一重で避けているが、急がねば危ないのはわかっている。
「くそ!もうちょっとだけ耐えろ、ディーヴァ!」
「うわーん!早くしてダンテー!」
ディーヴァはべそをかきつつ逃げ続けた。
よく確認は出来なかったが、青いコートの端がちらりと見えたことから、ダンテの兄であるバージルだろう。
バージルはダンテと同じく、魔界へ進むべく上を目指していた。
ダンテに遅れをとってしまったが、真打ちは遅く登場するもの。
バージルはしっかりとした足取りで、魔界へと近づいていった。
***
一方、魔界真っ只中のダンテとディーヴァ。
魔界という不浄な場所の中ではあるが、たっぷりと甘い時間を過ごした二人は鏡をくぐり抜け、血の池地獄のような墓場だらけの場所に来ていた。
ゾンビすら避けて通りそうなほど足元が血で濡れていて、まさに魔界。
おどろおどろしい空気が渦を巻いている。
そこにはアビス達の、気分が悪くなるような唸り声が時々響き渡るのだった。
「うわぁ…気持ち悪い……」
「大丈夫か?」
唸り声も気持ち悪いが、この場の空気自体が天使の血族たるディーヴァに悪影響を及ぼしているのだろう。
ダンテは目に見えて具合が悪そうになってきているディーヴァの背をさすった。
「ごめんな、ディーヴァ……」
「ん?……何が?」
やはり魔界に連れてきたのは間違いだったかもしれない……。
そう思い始めた時だった。
足元の血溜まりが大きく波打ち揺らめく。
そこから魚が跳び跳ねるようにして姿を表したのは、ここの主たるアビスだった。
「ちっ、悪魔か。ちょっと待ってろ」
ここは魔界であり、アビスにとっては本拠地……。
力が溢れるのか、テメンニグルで相手をした時よりも強そうに見えた。
それでも、こちらとて半分とは言え悪魔である。
魔界にいることで魔力は増大しているのだから、落ち着いて倒せばダンテにとって敵ではないだろう。
「イヤッフー!!」
ダンテはケルベロスを構えると、アビスに向けてリボルバーからのウィンドミルを繰り出した。
手数の多い攻撃に、アビスはすぐ後退していく。
そして距離を離すと一斉に死角から鎌を投げつけてきた。
「あっぶね!」
ディーヴァを抱え素早くダッシュで避けたダンテ。
そしてふと気が付いた時には、アビスが消えていた。
「は?どこ行った!?」
『下だ、下に潜ったぞ!』
ケルベロスの言葉に慌てて下……血で出来た水中に目を向けるダンテ。
現れた時と同様、下へ身を隠すとは、悪魔も考えた物だ。
『ここは魔界だ。
やつらは魔界の間を自在に移動できる悪魔。気を付けろ』
鋭いケルベロスの叫びも何のその。
ダンテは唇をペロリと舐め上げて笑った。
「だいじょうぶだ、多分な」
「ダンテ後ろ!」
「ほ~らな」
背後から飛び上がってきたアビスをバックジャンプで軽やかにかわすと、一旦ディーヴァをおろして攻撃した。
『ディーヴァはなぜ、アビスが出てくる場所がわかったのだ』
「簡単だ、天使だからな」
『なるほど。この禍々しさは天使には隠し切れぬということだな』
「掃き溜めくせえしな」
下へと潜り別の場所から鎌を投げつけてくるというトリッキーな動きをしてみせる悪魔、アビスだが、その作戦はディーヴァには利かない。
天使の力によって、どこからやって来るのか丸わかりなのである。
とは言ってもその動きはとてつもなく素早い。
少しでもタイミングがずれれば死、あるのみであろう。
ダンテは振るわれたアビスの鎌にリベリオンを当てると、弾き合い合戦し出した。
アビスと鍔迫り合うダンテにディーヴァの鋭い叫びが届く。
「ひゃああ!」
「げ、ディーヴァ!?」
見れば、ディーヴァがアビスに襲われ逃げ惑っていた。
逃げ足だけは早く運のいいディーヴァ。
アビスの素早い攻撃も全て紙一重で避けているが、急がねば危ないのはわかっている。
「くそ!もうちょっとだけ耐えろ、ディーヴァ!」
「うわーん!早くしてダンテー!」
ディーヴァはべそをかきつつ逃げ続けた。