mission 18:Rush! ~ズルとご褒美~
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
白黒の床はチェスの盤上だったようだ。
一列に並んだポーン、そしてその後ろに控えるのは、ルーク、ナイト、ビショップに…見た事のないコマだった。
形からして、クイーンにキングだろう。
ダンテとて、クイーンとキングがあるということくらいは知っている。
ルークは知らなかったが……。
逃げ場のない盤上で、チェスゲームという名のデスマッチをさせたいようだ。
ポーンがこちらに向かって一マス一マス近づいてきていた。
「どどどどうしよう」
「まあ、落ち着け。オレの家の家訓の1つに、『まず試せ!』ってのがあってだな……」
「家訓とか言ってる場合じゃな…って、家訓なんてあったの!?」
「今決めた」
「あ、そう……」
「そんなわけで入手したばっかのヤツ、使うぜ!ハァァァァ~……」
がっくりと肩を落とすディーヴァを横目に、ダンテは内なる魔力を高めた。
悪魔の色濃い、しかしダンテ独特の優しさを兼ね備えた魔力の気配が吐き出され、形作る。
それはダンテが魔人化した時の姿であり、先程相手にしたばかりのドッペルゲンガーとなった。
力を貸す、という話はどうやら嘘ではないようだ。
「ドッペルゲンガー……長いから『クロ』でいいや」
え。
という顔で固まるディーヴァとドッペルゲンガーこと、クロ。
固まる二人を無視してダンテは先を続けた。
「クロ、ディーヴァのことは頼んだぜ?オレはその間にチェスに興じるからな」
納得していないようでもあるがこくり、クロは頷く。
「クロって……どう考えても犬の名前じゃんか」
ディーヴァはクロに守られながら、かわいそうに思った。
「どりゃあああ!」
クロにディーヴァをまかせ、ダンテはチェスメンの中へと突っ込む。
だが、その剣技は弾かれてしまった。
この場限定のルールで石像として微動だにしない間は攻撃がきかない、そういうことらしい。
ダンテはどこから手をつけていいのかわからず、チェス盤の上を右往左往した。
「だああああ!てめっ!オレが攻撃するその時になって防御すんじゃねーよ!攻撃こそ最大の防御だろーが!」
「それってダンテだけだよね」
悪魔とて簡単にやられたくはないだろうに、なんて理不尽な物言いだろう。
ディーヴァはため息を吐き、クロはうんうんと頷いてそれに同意した。
「あれっ?」
何回かのその繰り返しのち、目の端でポーンが次々違うコマとなるのを目撃するディーヴァ。
ポーン達は我先にと、ぽこぽこ違うコマへと変貌していった。
「ダンテ、さっきからポーンが別のコマになってるよ!!早くポーンを片付けないと!」
「……へ?」
ダンテは思った通り、気がついてなかったようだが、ポーンは数歩進むと別のチェスのコマに昇格するらしい。
ポーンはダンテの目の前でナイトやルークになった。
「やったね!ポーン、進化だよぉ」
敵ながらあっぱれ!
ぱちぱちぱち、と拍手するディーヴァ。
「ディーヴァ、喜んでどうすんだ!」
「ごっめーん」
守られていて安全だからか、こっちは大変だというのにディーヴァはどこ吹く風だ。
そんなディーヴァをクロは、完全なる防御壁でただひたすら守っていた。
スタイルとしてはロイヤルガードを使っているのかもしれない。
何も言わず、ただ主のために尽くす勢いで静かに守る。
そのスタンスが、まるで執事のようでもありディーヴァはトキメキを覚えた。
……惚れちゃいそう。
ポーン達を蹴散らすダンテに怒ったか、クイーンのコマが体中の目を赤く光らせ、突進してくる。
名に恥じぬ機動力と攻撃力だが、ダンテはそれを飛んでかわす。
脅威とは程遠そうだ。
ただ一つ言うならば、奇声を発しながら突進してくるのがちょっと嫌である。
その「( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \」と突進する様子が気持ち悪い。
「まるで管理人じゃねえか!」
失礼な!
「うぜえ、倒れろ!」
ダンテは飛び蹴りをぶち当てて、クイーンを破壊した。
甲高い叫びと共に壊れて消えたクイーンは、最後までやはり管理人そっくりだった。
一列に並んだポーン、そしてその後ろに控えるのは、ルーク、ナイト、ビショップに…見た事のないコマだった。
形からして、クイーンにキングだろう。
ダンテとて、クイーンとキングがあるということくらいは知っている。
ルークは知らなかったが……。
逃げ場のない盤上で、チェスゲームという名のデスマッチをさせたいようだ。
ポーンがこちらに向かって一マス一マス近づいてきていた。
「どどどどうしよう」
「まあ、落ち着け。オレの家の家訓の1つに、『まず試せ!』ってのがあってだな……」
「家訓とか言ってる場合じゃな…って、家訓なんてあったの!?」
「今決めた」
「あ、そう……」
「そんなわけで入手したばっかのヤツ、使うぜ!ハァァァァ~……」
がっくりと肩を落とすディーヴァを横目に、ダンテは内なる魔力を高めた。
悪魔の色濃い、しかしダンテ独特の優しさを兼ね備えた魔力の気配が吐き出され、形作る。
それはダンテが魔人化した時の姿であり、先程相手にしたばかりのドッペルゲンガーとなった。
力を貸す、という話はどうやら嘘ではないようだ。
「ドッペルゲンガー……長いから『クロ』でいいや」
え。
という顔で固まるディーヴァとドッペルゲンガーこと、クロ。
固まる二人を無視してダンテは先を続けた。
「クロ、ディーヴァのことは頼んだぜ?オレはその間にチェスに興じるからな」
納得していないようでもあるがこくり、クロは頷く。
「クロって……どう考えても犬の名前じゃんか」
ディーヴァはクロに守られながら、かわいそうに思った。
「どりゃあああ!」
クロにディーヴァをまかせ、ダンテはチェスメンの中へと突っ込む。
だが、その剣技は弾かれてしまった。
この場限定のルールで石像として微動だにしない間は攻撃がきかない、そういうことらしい。
ダンテはどこから手をつけていいのかわからず、チェス盤の上を右往左往した。
「だああああ!てめっ!オレが攻撃するその時になって防御すんじゃねーよ!攻撃こそ最大の防御だろーが!」
「それってダンテだけだよね」
悪魔とて簡単にやられたくはないだろうに、なんて理不尽な物言いだろう。
ディーヴァはため息を吐き、クロはうんうんと頷いてそれに同意した。
「あれっ?」
何回かのその繰り返しのち、目の端でポーンが次々違うコマとなるのを目撃するディーヴァ。
ポーン達は我先にと、ぽこぽこ違うコマへと変貌していった。
「ダンテ、さっきからポーンが別のコマになってるよ!!早くポーンを片付けないと!」
「……へ?」
ダンテは思った通り、気がついてなかったようだが、ポーンは数歩進むと別のチェスのコマに昇格するらしい。
ポーンはダンテの目の前でナイトやルークになった。
「やったね!ポーン、進化だよぉ」
敵ながらあっぱれ!
ぱちぱちぱち、と拍手するディーヴァ。
「ディーヴァ、喜んでどうすんだ!」
「ごっめーん」
守られていて安全だからか、こっちは大変だというのにディーヴァはどこ吹く風だ。
そんなディーヴァをクロは、完全なる防御壁でただひたすら守っていた。
スタイルとしてはロイヤルガードを使っているのかもしれない。
何も言わず、ただ主のために尽くす勢いで静かに守る。
そのスタンスが、まるで執事のようでもありディーヴァはトキメキを覚えた。
……惚れちゃいそう。
ポーン達を蹴散らすダンテに怒ったか、クイーンのコマが体中の目を赤く光らせ、突進してくる。
名に恥じぬ機動力と攻撃力だが、ダンテはそれを飛んでかわす。
脅威とは程遠そうだ。
ただ一つ言うならば、奇声を発しながら突進してくるのがちょっと嫌である。
その「( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \」と突進する様子が気持ち悪い。
「まるで管理人じゃねえか!」
失礼な!
「うぜえ、倒れろ!」
ダンテは飛び蹴りをぶち当てて、クイーンを破壊した。
甲高い叫びと共に壊れて消えたクイーンは、最後までやはり管理人そっくりだった。