mission 2:buried memory ~崩壊~
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ダンテが数十匹の悪魔を屠り終えると、紫色の光が近づいてくるのが見えた。
光はゲートとなって閉じては開きを繰り返している。
そこから死神の笑い声のような物が響く。
頭の中に直接響くような、おぞましい声にディーヴァの顔が青くなった。
「何!?なんなの?」
ゲートから出てきた悪魔は、建物の上に降り立った。
さっきまでと比べ物にならないくらい力も魔力も強大なようだ。
「へえ、少しは楽しめそうだ。さっきの奴らの親玉、ってとこか」
「何で笑っていられるのよ!」
笑うダンテと反対にディーヴァは、カタカタと膝を震わせている。
悪魔の出で立ちは先ほどの悪魔達と似ていたが、恐怖を感じる度合いはまったく違った。
統率する者……バンガードとでも呼ぼうか。
長く垂れ下がる黒い衣に、生気のない骸骨のような顔、魔力で出来ているのか所々から力を放出する大きな鎌。
あれぞ、イメージ通りの死神だ。
「ひいいいい!死神があたしを連れに来たぁ」
♪~おとうさん~そこに~みえないの~まおうがいる~こわいよ~♪
目の前のバンガードは魔王ではなく死神だが、何故かシューベルトの『魔王』が頭の中に流れ出す。
「んなバカなこと言ってねェで、あいつをぶっ飛ばすぞ!」
ダンテが相対し、リベリオンを降り下ろすがバンガードは魔力のゲートを自在に操り、姿を隠してしまう。
直後にダンテの足元からゲートを展開させ飛び出てきた。
「ダンテッ!」
「かすり傷だ、気にすんな」
なんとか無事ですんだが、避けきれずにダンテの頬に一筋の切り傷が出来た。
だが、小さな傷のためかすぐに治っていく。
バンガードはその間もダンテを翻弄しながら巧みにゲートを使い、攻撃と防御を繰り返した。
かすり傷とはいえ、ダンテはその間に幾度となく傷を受けた。
ようやくダンテのリベリオンの攻撃が届いても、バンガードは手にした鎌で弾いてくる。
「ちっ!やるな……」
ダンテが近接武器で押し負けていた。
弾かれてもなお、お互い得物を振り下ろすダンテ。
そのスピードもパワーも若干バンガードの方が上に見えた。
ダンテは、仕方なしに接近戦は諦め、遠距離戦に切り替えた。
ホルスターから双子銃を取り出してバンガードに向ける。
「こいつを喰らいな!」
連続で撃ち続け、高火力となった弾丸を放った。
速射撃……rapid shot、というやつである。
だがバンガードはそれすらもゲートを駆使してかわす。
そして、ダンテの真横から出現した。
「チョロチョロしやがって……グッ!!」
ザシュッ!!
リーチのある長い鎌がダンテの脇腹を切り裂く。
血しぶきが上がり、それを見たディーヴァは叫んだ。
「きゃああああ!ダンテ、大丈……って、こっちには連れてこないでよ!!」
心配しているが、そのままダンテがこちら方面へ飛ばされて来たため自分の心配が出てきた。
ダンテと違ってディーヴァはそうそう簡単に傷が治るわけでもないし、攻撃手段があるわけでもない。
このままではディーヴァも巻き込まれてしまう。
ディーヴァはダンテにこちらへ来ないよう、追い払った。
「ヒドッ!!しょうがねえだろ!!」
そんなダンテを追って、またもバンガードが真横から現れる。
だが、ダンテとて同じ轍は踏まないし、近くにはディーヴァがいる。
「ディーヴァ、伏せろ!!」
ディーヴァが反射的に頭を下げた瞬間、ダンテのリベリオンがすれすれを抜けた。
ちょっとでも遅れたら悪魔ではなくダンテによって命が絶たれていた。
「あ、あたしまで一緒に殺す気!?」
ぶわわっ。
鬼気迫るダンテの表情と、頭すれすれのリベリオンが恐い。
涙を流し怒る、ディーヴァだった。
「んなわけないっての!」
否定するダンテの横からだけでなく、バンガードは真下からも現れてきた。
ダンテはディーヴァを抱えて高くジャンプした。
これではたくさんの雑魚に囲まれていた方が楽だっただろうと思う。
「くっそー、どこから来るのかわかれば……」
何度も同じ手を使い、ひらりと攻撃をすり抜けるバンガードにイラつく。
ダンテはガシガシと頭を掻いて周囲に注意を払った。
「『どこから』……?」
ディーヴァは考えた。
悪魔は出てくる時、魔力のゲートを作っている。
だが、その直前に空間を歪ませて鐘の音に似ている音を出していた。
そして、それすら感じさせない少し前のことだ。
すでにその時には、ディーヴァはバンガードの居場所がわかっていた。
明確な理由はわからないが『魔』に反応して、ディーヴァの『天使』の力が感知しているに違いない。
一か八か。
ディーヴァはダンテに身を預けたまま、目を閉じて耳を澄ませた。
ピクッ。
「ダンテ、右!」
その言葉にダンテは、ディーヴァが教える方向に飛び退いた。
直後にバンガードが現れてその場を薙ぐ。
感情の全くわからない顔をしているのに、その表情はとても悔しそうに見えた。
「なんでわかったんだ?」
「……天使だから?」
ダンテが驚いて目を丸くする。
しばし考え込んで結局出たのはその答えだった。
『天使だから』とは、便利な言葉である。
理解したような理解してないような微妙な顔をして、ダンテは思い付いたことを話した。
「よし、お前は今からオレの耳だ。いいな?」
こくん。
ディーヴァは役に立てるなら本望だと静かに頷いた。
ディーヴァはバンガードの出てくる場所を察知し、ダンテに教えた。
ダンテは、その背後となる死角から一気に間合いを詰めたかと思うと、何べんも突きを見舞う。
剣筋は全く見えないほど、何本にも見えていて、何万回(million)も突き刺さって(stab)いるような錯覚を起こす。
「これでイッちまいな!」
そしてトドメとばかりに蜂のように刺す(stinger)、鋭い突きを急所へと叩き込んだ。
「ガァァァァア!!」
致命傷だったようだ。
バンガードは腹の底に響いてくるような絶叫をあげながら、ゲートの底へ、深淵へと帰っていった。
光はゲートとなって閉じては開きを繰り返している。
そこから死神の笑い声のような物が響く。
頭の中に直接響くような、おぞましい声にディーヴァの顔が青くなった。
「何!?なんなの?」
ゲートから出てきた悪魔は、建物の上に降り立った。
さっきまでと比べ物にならないくらい力も魔力も強大なようだ。
「へえ、少しは楽しめそうだ。さっきの奴らの親玉、ってとこか」
「何で笑っていられるのよ!」
笑うダンテと反対にディーヴァは、カタカタと膝を震わせている。
悪魔の出で立ちは先ほどの悪魔達と似ていたが、恐怖を感じる度合いはまったく違った。
統率する者……バンガードとでも呼ぼうか。
長く垂れ下がる黒い衣に、生気のない骸骨のような顔、魔力で出来ているのか所々から力を放出する大きな鎌。
あれぞ、イメージ通りの死神だ。
「ひいいいい!死神があたしを連れに来たぁ」
♪~おとうさん~そこに~みえないの~まおうがいる~こわいよ~♪
目の前のバンガードは魔王ではなく死神だが、何故かシューベルトの『魔王』が頭の中に流れ出す。
「んなバカなこと言ってねェで、あいつをぶっ飛ばすぞ!」
ダンテが相対し、リベリオンを降り下ろすがバンガードは魔力のゲートを自在に操り、姿を隠してしまう。
直後にダンテの足元からゲートを展開させ飛び出てきた。
「ダンテッ!」
「かすり傷だ、気にすんな」
なんとか無事ですんだが、避けきれずにダンテの頬に一筋の切り傷が出来た。
だが、小さな傷のためかすぐに治っていく。
バンガードはその間もダンテを翻弄しながら巧みにゲートを使い、攻撃と防御を繰り返した。
かすり傷とはいえ、ダンテはその間に幾度となく傷を受けた。
ようやくダンテのリベリオンの攻撃が届いても、バンガードは手にした鎌で弾いてくる。
「ちっ!やるな……」
ダンテが近接武器で押し負けていた。
弾かれてもなお、お互い得物を振り下ろすダンテ。
そのスピードもパワーも若干バンガードの方が上に見えた。
ダンテは、仕方なしに接近戦は諦め、遠距離戦に切り替えた。
ホルスターから双子銃を取り出してバンガードに向ける。
「こいつを喰らいな!」
連続で撃ち続け、高火力となった弾丸を放った。
速射撃……rapid shot、というやつである。
だがバンガードはそれすらもゲートを駆使してかわす。
そして、ダンテの真横から出現した。
「チョロチョロしやがって……グッ!!」
ザシュッ!!
リーチのある長い鎌がダンテの脇腹を切り裂く。
血しぶきが上がり、それを見たディーヴァは叫んだ。
「きゃああああ!ダンテ、大丈……って、こっちには連れてこないでよ!!」
心配しているが、そのままダンテがこちら方面へ飛ばされて来たため自分の心配が出てきた。
ダンテと違ってディーヴァはそうそう簡単に傷が治るわけでもないし、攻撃手段があるわけでもない。
このままではディーヴァも巻き込まれてしまう。
ディーヴァはダンテにこちらへ来ないよう、追い払った。
「ヒドッ!!しょうがねえだろ!!」
そんなダンテを追って、またもバンガードが真横から現れる。
だが、ダンテとて同じ轍は踏まないし、近くにはディーヴァがいる。
「ディーヴァ、伏せろ!!」
ディーヴァが反射的に頭を下げた瞬間、ダンテのリベリオンがすれすれを抜けた。
ちょっとでも遅れたら悪魔ではなくダンテによって命が絶たれていた。
「あ、あたしまで一緒に殺す気!?」
ぶわわっ。
鬼気迫るダンテの表情と、頭すれすれのリベリオンが恐い。
涙を流し怒る、ディーヴァだった。
「んなわけないっての!」
否定するダンテの横からだけでなく、バンガードは真下からも現れてきた。
ダンテはディーヴァを抱えて高くジャンプした。
これではたくさんの雑魚に囲まれていた方が楽だっただろうと思う。
「くっそー、どこから来るのかわかれば……」
何度も同じ手を使い、ひらりと攻撃をすり抜けるバンガードにイラつく。
ダンテはガシガシと頭を掻いて周囲に注意を払った。
「『どこから』……?」
ディーヴァは考えた。
悪魔は出てくる時、魔力のゲートを作っている。
だが、その直前に空間を歪ませて鐘の音に似ている音を出していた。
そして、それすら感じさせない少し前のことだ。
すでにその時には、ディーヴァはバンガードの居場所がわかっていた。
明確な理由はわからないが『魔』に反応して、ディーヴァの『天使』の力が感知しているに違いない。
一か八か。
ディーヴァはダンテに身を預けたまま、目を閉じて耳を澄ませた。
ピクッ。
「ダンテ、右!」
その言葉にダンテは、ディーヴァが教える方向に飛び退いた。
直後にバンガードが現れてその場を薙ぐ。
感情の全くわからない顔をしているのに、その表情はとても悔しそうに見えた。
「なんでわかったんだ?」
「……天使だから?」
ダンテが驚いて目を丸くする。
しばし考え込んで結局出たのはその答えだった。
『天使だから』とは、便利な言葉である。
理解したような理解してないような微妙な顔をして、ダンテは思い付いたことを話した。
「よし、お前は今からオレの耳だ。いいな?」
こくん。
ディーヴァは役に立てるなら本望だと静かに頷いた。
ディーヴァはバンガードの出てくる場所を察知し、ダンテに教えた。
ダンテは、その背後となる死角から一気に間合いを詰めたかと思うと、何べんも突きを見舞う。
剣筋は全く見えないほど、何本にも見えていて、何万回(million)も突き刺さって(stab)いるような錯覚を起こす。
「これでイッちまいな!」
そしてトドメとばかりに蜂のように刺す(stinger)、鋭い突きを急所へと叩き込んだ。
「ガァァァァア!!」
致命傷だったようだ。
バンガードは腹の底に響いてくるような絶叫をあげながら、ゲートの底へ、深淵へと帰っていった。