mission 17:mirroring myself ~欲望、願望~
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「何だよ、ここ。どっか飛ばされちまったみてぇだな、ディーヴァ」
光が明滅を繰り返す、ドーム状の場所に来てしまったようだ。
ダンテは傍らに目を向ける。
だが、そこには誰もいなかった。
「おい、ディーヴァ??」
手を繋いでいたはず。
なのにあいつ、どこ行った?
ダンテは再度一人になってしまったようだ。
***
そして肝心のディーヴァはというと。
「ここどこだろ……暗くて先が見えないね」
暗い霧がかかっている中をダンテと立っていた。
ダンテはただ、手を強く握り返し反応を返してくる。
そして時おり優しく撫でるだけだった。
「ダンテ?」
不思議そうにダンテを見つめると、珍しくふわり……そんな感じで笑いかけてくる。
わけがわからないまま、ディーヴァも同じように笑顔を返した。
どこまでも優しい表情のダンテは、今は亡き兄を彷彿とさせる。
その指が髪をすいていくのを受け入れながら、ディーヴァは呟いた。
「あたし達、夢の中にいるのかな……」
きょとり、とダンテが首を傾げた。
まさか眠気がひどくなってきているとはいえ、いきなり眠りに落ちたわけがない。
悪魔の塔真っ只中で眠ってしまうほど、神経は図太くない。
ディーヴァは自分の頬をつまみあげた。
痛みは感じる。
夢ではないので、ホッとするようなしないような……なんとも不思議な気分だ。
夢でも現実でもダンテといられるのなら安心だし、安全だ。
しかし……。
「ねえ、ダンテ……?」
夢と現実、どちらでも構わないのだが、ディーヴァは違和感を感じずにはいられなかった。
あのおしゃべりなダンテが先程から一言も話さないのだ。
「……なんでしゃべらないの?」
ディーヴァが疑問を問いかけると、ダンテは困ったように笑う。
やはり、おかしい。
と、そこでディーヴァは気がついた。
ダンテが利き腕で自分と手を繋いでいることに。
普段ダンテは何かない限り、利き腕とは逆の腕で自分と手を繋ぐ。
なぜなら悪魔が襲ってきた時に利き腕で素早く倒すためだ。
双銃を扱うくらいだ、利き腕など関係なくどちらも素早いが、やはり利き腕の方が圧倒的に有利。
だから、利き腕を塞ぐ手のつなぎ方などしないのだ。
途端にあやしく感じたディーヴァはその手を振り払うと、ダンテから離れた。
傷ついたような顔をする目の前のダンテは手を差し出し、再び手を取るように目で訴える。
ディーヴァは首を振った。
「貴方……ダンテに見えるけどダンテじゃないでしょ。
あたしをダンテの元に帰して」
差し出された手をはたき落とすと、ダンテは自分の手を見つめてうつむいてしまった。
その瞬間、ずっと向こうから本物のダンテだろう、自分を呼ぶ声がかすかに聞こえた。
ホッとして笑顔になるディーヴァは、そちらへ駆け出そうと足を一歩踏み出した。
ダンテにしか見えない、だけどダンテではないダンテが、ディーヴァの手を掴んだ。
ぎゅっとその手をつかんで放さない。
それどころか、手を絡めとられて腰まで引き寄せてきた。
「っ!ダンテが呼んでるの。行かなきゃ……放して」
強い口調で言ってのけるディーヴァの目の前の男は、先程までの優しい表情が嘘のように変わっていた。
その目を赤くギラギラと光らせてダンテが悪魔の顔をさらした時以上の、冷たくぞっとするような笑みを浮かべている。
その口元が弧を描く。
声は出ていなくとも何を言っているか唇の動きで読み取れた。
『本物ヲ殺シタラズット一緒ニイヨウ』
本物……ダンテのことだ。
目を見開き固まるディーヴァを、ダンテではないダンテが強く抱き締めた。
光が明滅を繰り返す、ドーム状の場所に来てしまったようだ。
ダンテは傍らに目を向ける。
だが、そこには誰もいなかった。
「おい、ディーヴァ??」
手を繋いでいたはず。
なのにあいつ、どこ行った?
ダンテは再度一人になってしまったようだ。
***
そして肝心のディーヴァはというと。
「ここどこだろ……暗くて先が見えないね」
暗い霧がかかっている中をダンテと立っていた。
ダンテはただ、手を強く握り返し反応を返してくる。
そして時おり優しく撫でるだけだった。
「ダンテ?」
不思議そうにダンテを見つめると、珍しくふわり……そんな感じで笑いかけてくる。
わけがわからないまま、ディーヴァも同じように笑顔を返した。
どこまでも優しい表情のダンテは、今は亡き兄を彷彿とさせる。
その指が髪をすいていくのを受け入れながら、ディーヴァは呟いた。
「あたし達、夢の中にいるのかな……」
きょとり、とダンテが首を傾げた。
まさか眠気がひどくなってきているとはいえ、いきなり眠りに落ちたわけがない。
悪魔の塔真っ只中で眠ってしまうほど、神経は図太くない。
ディーヴァは自分の頬をつまみあげた。
痛みは感じる。
夢ではないので、ホッとするようなしないような……なんとも不思議な気分だ。
夢でも現実でもダンテといられるのなら安心だし、安全だ。
しかし……。
「ねえ、ダンテ……?」
夢と現実、どちらでも構わないのだが、ディーヴァは違和感を感じずにはいられなかった。
あのおしゃべりなダンテが先程から一言も話さないのだ。
「……なんでしゃべらないの?」
ディーヴァが疑問を問いかけると、ダンテは困ったように笑う。
やはり、おかしい。
と、そこでディーヴァは気がついた。
ダンテが利き腕で自分と手を繋いでいることに。
普段ダンテは何かない限り、利き腕とは逆の腕で自分と手を繋ぐ。
なぜなら悪魔が襲ってきた時に利き腕で素早く倒すためだ。
双銃を扱うくらいだ、利き腕など関係なくどちらも素早いが、やはり利き腕の方が圧倒的に有利。
だから、利き腕を塞ぐ手のつなぎ方などしないのだ。
途端にあやしく感じたディーヴァはその手を振り払うと、ダンテから離れた。
傷ついたような顔をする目の前のダンテは手を差し出し、再び手を取るように目で訴える。
ディーヴァは首を振った。
「貴方……ダンテに見えるけどダンテじゃないでしょ。
あたしをダンテの元に帰して」
差し出された手をはたき落とすと、ダンテは自分の手を見つめてうつむいてしまった。
その瞬間、ずっと向こうから本物のダンテだろう、自分を呼ぶ声がかすかに聞こえた。
ホッとして笑顔になるディーヴァは、そちらへ駆け出そうと足を一歩踏み出した。
ダンテにしか見えない、だけどダンテではないダンテが、ディーヴァの手を掴んだ。
ぎゅっとその手をつかんで放さない。
それどころか、手を絡めとられて腰まで引き寄せてきた。
「っ!ダンテが呼んでるの。行かなきゃ……放して」
強い口調で言ってのけるディーヴァの目の前の男は、先程までの優しい表情が嘘のように変わっていた。
その目を赤くギラギラと光らせてダンテが悪魔の顔をさらした時以上の、冷たくぞっとするような笑みを浮かべている。
その口元が弧を描く。
声は出ていなくとも何を言っているか唇の動きで読み取れた。
『本物ヲ殺シタラズット一緒ニイヨウ』
本物……ダンテのことだ。
目を見開き固まるディーヴァを、ダンテではないダンテが強く抱き締めた。