mission 16:succeeded to pride, belief ~VSレディ~
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力も万策も尽き、弾の余裕もなくなってきたレディは壁に手をつくとダンテに最後の銃弾を撃ち込む。
ダンテは当たるのも気にせず、ゆったりとした動きでレディに近づいた。
ついに弾薬はなくなり空砲の音がし始めたが、それでもレディは撃ち続ける。
レディの目の前に辿り着いたダンテがその顔を覗きこみながら呟いた。
「奴はオレがやる」
ダンテはすぐ離れた。
あまりに近い位置……レディのパーソナルスペースに踏み入れたままでいると今度こそ殺されかねない。
更に悪ければディーヴァが嫉妬に狂うことだろう。
自意識過剰にも感じるがその実、その通りだったりする。
「どうしてそこまで―――」
レディが不思議そうに聞く。
そこからダンテの話が始まった。
「親父が魔界を封じたのがそもそもの始まり。
そして兄貴が魔界を甦らせようとした……オレにとっても家族の問題ってわけだ」
レディも、そしてディーヴァも静かに聞いている。
もう戦闘にはならないだろう、そう思ったか、ディーヴァもゆっくりとダンテとレディの場所へと歩んできた。
「最初はムカついてただけだったけどな、お前のおかげで何が大事かが分かった気がする。……何をしなくちゃいけないのかも。
それに魔界が開かれちまって一番困るのはオレのディーヴァだからな。オレは誰よりもディーヴァを守りたいんだ」
ゆっくりと寄ってきたディーヴァをその腕に閉じ込めてぐりぐりと可愛がりながら、幸せそうにダンテは言う。
ディーヴァもされるがまま、嬉しそうにその行為を受け入れていた。
その様子は相思相愛の恋人同士そのもの。
自分の両親も昔は一時とはいえ、こうだったのに。
それがどうしてこうなったか、どこで間違えてしまったか。
……今となってはわからないし、知りようもないだろう。
レディは悲しそうに、しかしそれを隠して皮肉に笑いながら言った。
「悪魔のくせに……」
「おっと!オレは悪魔だが、愛をちゃんと理解してるぞ。
ディーヴァもオレが天使を狙う悪魔でもいいって言ってくれてるし……だろ、ディーヴァ」
ディーヴァは肩をすくめてダンテの腕の中から答えた。
「たまに危険な悪魔になっちゃう時もあるけどね」
「食べたくなるくらい可愛いお前が悪い」
ダンテはレディに自分の身の上、魔界を封じた父、魔界を開いた兄、そしてディーヴァへの思い……様々なことを語って聞かせた。
そして、ディーヴァの手に自分の手を絡ませるとゆったりとした動きで扉へと進んだ。
その背に、レディは思い付いたように声をかける。
「待って」
「信じろよ、悪いようにはしない。オレの魂がそう言ってる」
いつものおどけた様子で言うが、その瞳には強い意志が燃えていた。
「……使って」
その強い瞳を見たレディは、大切そうに持っていたミサイルランチャーをダンテに差し出す。
ディーヴァは目を丸くして、レディとミサイルランチャーを交互に見た。
「え……大切な物なんでしょ?」
「そうね。カリーナ=アン……これには母親の名前をつけてるわ」
「何でそんな大切な物をダンテに?」
「さあ?何でかしらね……」
クスリと笑うレディ。
受け取ろうと、手を出すダンテはふざけ混じりに言った。
「お値段は?」
渡そうとしたの一度をひっこめ、レディは思案する。
「名前を教えて」
「知ってるだろ?ディーヴァがいつもハートマーク振りまいて呼んでる」
ディーヴァが、即座に否定のつっこみを入れた。
「誰もハートマークつけて呼んでないよ。ダンテ耳おかしい」
「えっ!?……」
ダンテはちょっぴり悲しそうに落ち込んだ。
「アンタの口から聞きたいわ」
「……ダンテだ」
満足そうな顔をして、レディはダンテにミサイルランチャーを差し出す。
ダンテは肩にカリーナ=アンをしっかり担ぐと今度こそ扉に向かって歩き出した。
「ダンテ」
「ん?」
「父を……お願い」
「分かってる……レディ」
その言葉を信じたレディ。
母の名を名付けた愛用のミサイルランチャーとともにダンテに父を託す。
ダンテは誇り、信念、様々な思いを胸に、その場をあとにした。
扉をくぐればそこにあるのは飛翔盤。
ダンテは右肩にカリーナ=アンを、左手でディーヴァの腰を引き寄せた。
「さぁて、そろそろ魔界の入り口じゃね?飛ぶ準備はできてますか、お姫様」
「いいけど、ダンテ……その前にひとつ聞くよ?」
腰に置かれたその手をつまみ上げてどかしながら、ディーヴァが問いかける。
その行動を不服そうにしながらも、ダンテはその先を促した。
「あたしも残った方がいいんじゃないかなあ……って思って、さ。
人間は足手まとい。なら天使は?戦う術を持たないあたしはどうなるの?」
「……お前はいいの!!」
「え、でも「いいったらいいんだよ!」えぇ~……」
ぴしゃり、言い放つダンテ。
本当はここに残りたい、魔界になんてついて行きたくない。
足手まといになりたくないだけではなく、恐ろしいことに巻き込まれたくない。
こわい。
ディーヴァは自分の望みをそれ以上言うことが出来なかった。
再び抱き寄せられたディーヴァは、ダンテと共に飛翔盤に飛び乗り、上へ、上へと向かうしかなかった。
●あとがき
うみの親としては、レディのとこに残ってほしかったなぁ、安全圏だし。
でもそれじゃツマラナイ。ダンテと共に逝くがいい。違う、行くがいい。
ダンテは当たるのも気にせず、ゆったりとした動きでレディに近づいた。
ついに弾薬はなくなり空砲の音がし始めたが、それでもレディは撃ち続ける。
レディの目の前に辿り着いたダンテがその顔を覗きこみながら呟いた。
「奴はオレがやる」
ダンテはすぐ離れた。
あまりに近い位置……レディのパーソナルスペースに踏み入れたままでいると今度こそ殺されかねない。
更に悪ければディーヴァが嫉妬に狂うことだろう。
自意識過剰にも感じるがその実、その通りだったりする。
「どうしてそこまで―――」
レディが不思議そうに聞く。
そこからダンテの話が始まった。
「親父が魔界を封じたのがそもそもの始まり。
そして兄貴が魔界を甦らせようとした……オレにとっても家族の問題ってわけだ」
レディも、そしてディーヴァも静かに聞いている。
もう戦闘にはならないだろう、そう思ったか、ディーヴァもゆっくりとダンテとレディの場所へと歩んできた。
「最初はムカついてただけだったけどな、お前のおかげで何が大事かが分かった気がする。……何をしなくちゃいけないのかも。
それに魔界が開かれちまって一番困るのはオレのディーヴァだからな。オレは誰よりもディーヴァを守りたいんだ」
ゆっくりと寄ってきたディーヴァをその腕に閉じ込めてぐりぐりと可愛がりながら、幸せそうにダンテは言う。
ディーヴァもされるがまま、嬉しそうにその行為を受け入れていた。
その様子は相思相愛の恋人同士そのもの。
自分の両親も昔は一時とはいえ、こうだったのに。
それがどうしてこうなったか、どこで間違えてしまったか。
……今となってはわからないし、知りようもないだろう。
レディは悲しそうに、しかしそれを隠して皮肉に笑いながら言った。
「悪魔のくせに……」
「おっと!オレは悪魔だが、愛をちゃんと理解してるぞ。
ディーヴァもオレが天使を狙う悪魔でもいいって言ってくれてるし……だろ、ディーヴァ」
ディーヴァは肩をすくめてダンテの腕の中から答えた。
「たまに危険な悪魔になっちゃう時もあるけどね」
「食べたくなるくらい可愛いお前が悪い」
ダンテはレディに自分の身の上、魔界を封じた父、魔界を開いた兄、そしてディーヴァへの思い……様々なことを語って聞かせた。
そして、ディーヴァの手に自分の手を絡ませるとゆったりとした動きで扉へと進んだ。
その背に、レディは思い付いたように声をかける。
「待って」
「信じろよ、悪いようにはしない。オレの魂がそう言ってる」
いつものおどけた様子で言うが、その瞳には強い意志が燃えていた。
「……使って」
その強い瞳を見たレディは、大切そうに持っていたミサイルランチャーをダンテに差し出す。
ディーヴァは目を丸くして、レディとミサイルランチャーを交互に見た。
「え……大切な物なんでしょ?」
「そうね。カリーナ=アン……これには母親の名前をつけてるわ」
「何でそんな大切な物をダンテに?」
「さあ?何でかしらね……」
クスリと笑うレディ。
受け取ろうと、手を出すダンテはふざけ混じりに言った。
「お値段は?」
渡そうとしたの一度をひっこめ、レディは思案する。
「名前を教えて」
「知ってるだろ?ディーヴァがいつもハートマーク振りまいて呼んでる」
ディーヴァが、即座に否定のつっこみを入れた。
「誰もハートマークつけて呼んでないよ。ダンテ耳おかしい」
「えっ!?……」
ダンテはちょっぴり悲しそうに落ち込んだ。
「アンタの口から聞きたいわ」
「……ダンテだ」
満足そうな顔をして、レディはダンテにミサイルランチャーを差し出す。
ダンテは肩にカリーナ=アンをしっかり担ぐと今度こそ扉に向かって歩き出した。
「ダンテ」
「ん?」
「父を……お願い」
「分かってる……レディ」
その言葉を信じたレディ。
母の名を名付けた愛用のミサイルランチャーとともにダンテに父を託す。
ダンテは誇り、信念、様々な思いを胸に、その場をあとにした。
扉をくぐればそこにあるのは飛翔盤。
ダンテは右肩にカリーナ=アンを、左手でディーヴァの腰を引き寄せた。
「さぁて、そろそろ魔界の入り口じゃね?飛ぶ準備はできてますか、お姫様」
「いいけど、ダンテ……その前にひとつ聞くよ?」
腰に置かれたその手をつまみ上げてどかしながら、ディーヴァが問いかける。
その行動を不服そうにしながらも、ダンテはその先を促した。
「あたしも残った方がいいんじゃないかなあ……って思って、さ。
人間は足手まとい。なら天使は?戦う術を持たないあたしはどうなるの?」
「……お前はいいの!!」
「え、でも「いいったらいいんだよ!」えぇ~……」
ぴしゃり、言い放つダンテ。
本当はここに残りたい、魔界になんてついて行きたくない。
足手まといになりたくないだけではなく、恐ろしいことに巻き込まれたくない。
こわい。
ディーヴァは自分の望みをそれ以上言うことが出来なかった。
再び抱き寄せられたディーヴァは、ダンテと共に飛翔盤に飛び乗り、上へ、上へと向かうしかなかった。
●あとがき
うみの親としては、レディのとこに残ってほしかったなぁ、安全圏だし。
でもそれじゃツマラナイ。ダンテと共に逝くがいい。違う、行くがいい。