mission 1:opening ~招待状と悪魔の歓迎~
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一方ディーヴァは、耳をそばだてて事務所の様子をうかがっていた。
主にダンテの笑い声と銃声、そして彼の好きなロックミュージックが聞こえる。
家全体がズシーン、ズシーン、と揺れて、振動で天井から埃がパラパラ落ちてきた。
「うわあ、激しいな……」
顔をひきつらせて呟く。
一体どんな戦いをしているのか非常に気になるところではあるが、ダンテから呼ばれるまでは出ない方がいいだろう。
早いところダンテが悪魔を外に誘きだしてそちらで戦って欲しい。
このままだとどう考えても事務所のあちこちは破壊されてしまうだろう。
ダンテのあの楽しげな声を聞く限りでは彼の心配よりも家の心配をした方が賢明である。
もちろん、ダンテ自身も怪我をしないかすごく不安だ。
それを考えると心配で心臓が持たない。
「大丈夫かな、ダンテ」
前みたいに、血だらけで倒れているダンテは見たくない。
血でもなんでもあげるから、ダンテが怪我をしないように、それだけを願う。
あんな経験はもう二度としたくない。
***
戦いの激しさゆえ、唯一残っていたシーリングファンがガシャンと落ちてきた。
我ながらよく暴れたものだと感心する。
悪魔を倒し終わったダンテは、いまだ傍に落ちているピザの箱に気がつく。
あの戦いの中でも踏み潰されずに残っているとは奇跡だ。
「お、ラッキー♪」
埃がついているかもしれないが、まあ埃も少しくらいならいいだろうと判断する。
ダンテは一切れを拾うため手を伸ばした。
だが、それは一匹残っていたらしい悪魔に踏まれてしまった。
踏むだけに秋足らず、悪魔はぐりぐりと足で潰す。
「ッ貴重なオレのピザ……」
最近ディーヴァが作ってくれないからせっかく金をだして頼んだんだぞ!
食べ物の恨みは恐ろしい。
下唇を噛みしめたダンテは、怒りにまかせてアイボリーを撃ち、悪魔を無に帰した。
「悪魔が招待状代わりってわけか?ふざけやがって……」
食べられなくなってしまったピザの残骸を悲しそうに見下ろしダンテは呟く。
さすがにもう悪魔の出てくる気配は皆無だ。
もうディーヴァを呼んでも大丈夫だろうと推測する。
「ディーヴァ、もう出てこいよ」
そう言って何時の間にやらドアをふさいでいたビリヤード台のなれの果てを退かした。
そっとドアから出て来たディーヴァは、その場所が事務所だったところだとすぐには信じられなかった。
思っていた以上にひどい有様だ。
ビリヤード台なんかは見たまま真っ二つだし、シーリングファンは二つとも落ちてしまっている。
埃もすごいし、床は悪魔の残骸……つまり砂まみれ。
ありとあらゆる物で散らかっていた。
おまけにジュークボックスはバチバチ言わせながら狂ったようにビートを刻んでいたのだ。
「音楽がうるさい……」
ディーヴァの不服そうな言葉に、ダンテはジュークボックスに今一度チョップする。
うるさい音楽はフェードアウトしながら消えていった。
耳障りな音源は消えたがディーヴァはダンテの行動が気になった。
ジュークボックスには、戦いの前にはなかったはずのヘコミが認められたのだ。
ダンテのチョップと同じ形にへこんでいた気がする。
音楽を鳴らすためにダンテがやったとしたらちょっと注意しなくてはならないだろう。
「同じ手の跡がついてたけど、まさかダンテがやったのかな~?」
「うわ目ざとい!
だってボタン押してもつかなかったんだし仕方ないだろ」
ディーヴァの読み通りだった。ダンテは早口で言い訳を述べた。
呆れ返りながらディーヴァが言う。
「物は大事にしなさいって教わらなかったの?そもそも、戦いの最中に音楽をかけるなんて相手をなめてるとしか考えられない」
「悪魔は憎む相手だが、悪魔との戦いはオレにとって遊んでるのと変わんねーよ」
ケラケラと笑いながら話すダンテに、ディーヴァは口を尖らせて周りを見た。
見れば見るほどひどい。
「だったら外でやってくれればいいのに…何よ、この有り様。まったく……ってダンテ怪我してるの!?」
部屋にばかり気をとられていたため、ダンテを見ていなかった。
そこで初めてダンテを確認したディーヴァは、ダンテが血塗れなのに気がついた。
治り始めてはいるようだが、胸、足、腕……たくさんの怪我をしているのが見て取れた。
胸に至っては見ているのも嫌になりそうな深い傷である。
「早く治さないと……あたしの血、欲しいんでしょ?」
ちゅ。
心配そうに繕うディーヴァに、ダンテは口付けを落とし、黙らせた。
「これでもう治るからいい」
「もう!うそおっしゃい!」
「ほんとだって」
行動を止めたディーヴァは赤くなって抗議するが、ダンテは気にせず頭を数回撫でてやった。
「よし、いくか。悪魔がオレ達を待ってるみたいだしな」
「オレ『達』って、あたしもいくの?」
「ここで『一人』で待ってられるのか?」
一人は嫌だし、この場所には悪魔が入ってこれるようになってしまっているらしい。
そんな場所に残されるのは勘弁。
「……一緒に行く」
小さく呟いたディーヴァをもう一度撫でると、壁にかけられたコートを肩にひっかけてリベリオン片手に担いだ。
ドアへ向かうダンテより一足早く外を覗いたディーヴァは、固まって後ずさりした。
「うわ、外にもいっぱいいるみたいなんだけど……」
「ふーん、なるほどね。楽しいパーティになりそうだ!」
ダンテは力任せにドアを蹴り破り、ディーヴァは恐ろしくもそれに続いた。
●あとがき
ハ……アーカムが登場。
DMC3沿いがとうとう始まる。
主にダンテの笑い声と銃声、そして彼の好きなロックミュージックが聞こえる。
家全体がズシーン、ズシーン、と揺れて、振動で天井から埃がパラパラ落ちてきた。
「うわあ、激しいな……」
顔をひきつらせて呟く。
一体どんな戦いをしているのか非常に気になるところではあるが、ダンテから呼ばれるまでは出ない方がいいだろう。
早いところダンテが悪魔を外に誘きだしてそちらで戦って欲しい。
このままだとどう考えても事務所のあちこちは破壊されてしまうだろう。
ダンテのあの楽しげな声を聞く限りでは彼の心配よりも家の心配をした方が賢明である。
もちろん、ダンテ自身も怪我をしないかすごく不安だ。
それを考えると心配で心臓が持たない。
「大丈夫かな、ダンテ」
前みたいに、血だらけで倒れているダンテは見たくない。
血でもなんでもあげるから、ダンテが怪我をしないように、それだけを願う。
あんな経験はもう二度としたくない。
***
戦いの激しさゆえ、唯一残っていたシーリングファンがガシャンと落ちてきた。
我ながらよく暴れたものだと感心する。
悪魔を倒し終わったダンテは、いまだ傍に落ちているピザの箱に気がつく。
あの戦いの中でも踏み潰されずに残っているとは奇跡だ。
「お、ラッキー♪」
埃がついているかもしれないが、まあ埃も少しくらいならいいだろうと判断する。
ダンテは一切れを拾うため手を伸ばした。
だが、それは一匹残っていたらしい悪魔に踏まれてしまった。
踏むだけに秋足らず、悪魔はぐりぐりと足で潰す。
「ッ貴重なオレのピザ……」
最近ディーヴァが作ってくれないからせっかく金をだして頼んだんだぞ!
食べ物の恨みは恐ろしい。
下唇を噛みしめたダンテは、怒りにまかせてアイボリーを撃ち、悪魔を無に帰した。
「悪魔が招待状代わりってわけか?ふざけやがって……」
食べられなくなってしまったピザの残骸を悲しそうに見下ろしダンテは呟く。
さすがにもう悪魔の出てくる気配は皆無だ。
もうディーヴァを呼んでも大丈夫だろうと推測する。
「ディーヴァ、もう出てこいよ」
そう言って何時の間にやらドアをふさいでいたビリヤード台のなれの果てを退かした。
そっとドアから出て来たディーヴァは、その場所が事務所だったところだとすぐには信じられなかった。
思っていた以上にひどい有様だ。
ビリヤード台なんかは見たまま真っ二つだし、シーリングファンは二つとも落ちてしまっている。
埃もすごいし、床は悪魔の残骸……つまり砂まみれ。
ありとあらゆる物で散らかっていた。
おまけにジュークボックスはバチバチ言わせながら狂ったようにビートを刻んでいたのだ。
「音楽がうるさい……」
ディーヴァの不服そうな言葉に、ダンテはジュークボックスに今一度チョップする。
うるさい音楽はフェードアウトしながら消えていった。
耳障りな音源は消えたがディーヴァはダンテの行動が気になった。
ジュークボックスには、戦いの前にはなかったはずのヘコミが認められたのだ。
ダンテのチョップと同じ形にへこんでいた気がする。
音楽を鳴らすためにダンテがやったとしたらちょっと注意しなくてはならないだろう。
「同じ手の跡がついてたけど、まさかダンテがやったのかな~?」
「うわ目ざとい!
だってボタン押してもつかなかったんだし仕方ないだろ」
ディーヴァの読み通りだった。ダンテは早口で言い訳を述べた。
呆れ返りながらディーヴァが言う。
「物は大事にしなさいって教わらなかったの?そもそも、戦いの最中に音楽をかけるなんて相手をなめてるとしか考えられない」
「悪魔は憎む相手だが、悪魔との戦いはオレにとって遊んでるのと変わんねーよ」
ケラケラと笑いながら話すダンテに、ディーヴァは口を尖らせて周りを見た。
見れば見るほどひどい。
「だったら外でやってくれればいいのに…何よ、この有り様。まったく……ってダンテ怪我してるの!?」
部屋にばかり気をとられていたため、ダンテを見ていなかった。
そこで初めてダンテを確認したディーヴァは、ダンテが血塗れなのに気がついた。
治り始めてはいるようだが、胸、足、腕……たくさんの怪我をしているのが見て取れた。
胸に至っては見ているのも嫌になりそうな深い傷である。
「早く治さないと……あたしの血、欲しいんでしょ?」
ちゅ。
心配そうに繕うディーヴァに、ダンテは口付けを落とし、黙らせた。
「これでもう治るからいい」
「もう!うそおっしゃい!」
「ほんとだって」
行動を止めたディーヴァは赤くなって抗議するが、ダンテは気にせず頭を数回撫でてやった。
「よし、いくか。悪魔がオレ達を待ってるみたいだしな」
「オレ『達』って、あたしもいくの?」
「ここで『一人』で待ってられるのか?」
一人は嫌だし、この場所には悪魔が入ってこれるようになってしまっているらしい。
そんな場所に残されるのは勘弁。
「……一緒に行く」
小さく呟いたディーヴァをもう一度撫でると、壁にかけられたコートを肩にひっかけてリベリオン片手に担いだ。
ドアへ向かうダンテより一足早く外を覗いたディーヴァは、固まって後ずさりした。
「うわ、外にもいっぱいいるみたいなんだけど……」
「ふーん、なるほどね。楽しいパーティになりそうだ!」
ダンテは力任せにドアを蹴り破り、ディーヴァは恐ろしくもそれに続いた。
●あとがき
ハ……アーカムが登場。
DMC3沿いがとうとう始まる。