次に辿り着いたのは、再び貨車乗車場だった。
この周辺には塔起動の余波はないようで、どこも変わりないようだ。

「なんだか長くなりそうだな」

ダンテは深くため息を吐き出すと、貨車に乗り込んだ。

滑るように進む貨車だが、まさか悪魔の塔にいてただ進むだけなはずがない。
例によって悪魔は大量にわいて出た。

「まったく……飽きさせないね！」

狭い貨車内には悪魔がところ狭しと召喚され、また、隣の車両からも移動してくる。
その全てがヘルシリーズの悪魔……つまりは雑魚だ、楽勝といえよう。

しかしどう考えても定員オーバーであり、数が多すぎではないか？。
そう思いながらもリベリオンを振るう内、統率者たるヘル＝バンガードまでも出てきた。

ちょっと迷ったダンテは、リベリオンを背中にしまうと、今度はネヴァンを手に取る。

自分中心を広範囲にわたり一気に潰すなら、リベリオンよりはネヴァンのほうがいい。
加えて、先ほどのフォールン戦でネヴァンにも多大なストレスを与えてしまったのだ、お詫びの意味もこもっている。

滑るように相手に近づくと、強力な電撃をお見舞いし、そこから上に打ち上げるようなスイングをぶちかます。
そのすべてには追撃とばかりに、大量の電撃蝙蝠がついてまわる。
リバーブショックにバッドリフト。

その場にいる雑魚共はこれだけで無に帰った。
さらに上の車両から追加の悪魔が投入されるがお構いなし。

ネヴァンをめちゃくちゃに見える動きで振り回し、刃の部分で深く斬りつけていく。
そのままジャムセッション……大量の蝙蝠と電撃をまとって演奏は終了と相成った。

「へっこりゃイイ！」

ヘル＝バンガードにも時折当たるのでそろそろ堕ちるだろう、トドメの一発をぶちかましてやる。
ダンテは素早くネヴァンを背中にしまうと、アグニとルドラに持ち変えた。

さらにアグニとルドラを頭上でつなげ振り回す。
振り回すことで生まれた竜巻に引っ張られ、ダンテはそのまま宙へ浮く。
まるでヘリコプターではないか。

『灰は灰に！』
『塵は塵に！』
「ああもう、お前らは黙っとけ！」

竜巻は高温の炎をまとってその場にいる敵を灰、そして塵へと変えた。
敵がすべて消え、静寂が貨車上を包む。
そろそろ乗車場が近いだろう、それを証拠に流れる溶岩の熱気がここまで届いている。