mission 13:duel again ~VSバージル2~
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バージルは封印が解除される時をずっと待ち続けた。
だが、解除に必要だという品々……アミュレットも血も捧げたというのに何かが起こるという気配は全くなかった。
「何故作動しない!」
非常にイライラとした声音で叫ぶ。
「何かが足りないのか……もっと血を捧げろとでも?」
アーカムが言っていた事を思い出す。
奴は言っていた。
天使の血もあればさらにより強い力を得られると。
「まさか天使の……ディーヴァの血も捧げろと言うのではなかろうな」
だが、より強い力が得られるというだけで、封印解除に天使の血が必要不可欠という話は出ていない。
封印解除装置を睨みつけながら、バージルは周りをぐるぐると練り歩いた。
そこに声をかけるは、部屋に侵入したダンテ。
「ご機嫌ナナメみたいだな」
「……ダンテ。それにディーヴァか」
ダンテの後ろからはディーヴァもついてきていた。
「あ……あの、さっきは勝手に逃げてごめんなさい」
控えめにバージルに謝るディーヴァ。
ダンテの影に隠れ、ビクビクしているようだった。
カチャリ。
バージルは無言で愛刀の柄に手をかける。
「ひっ、お願いだから斬らないで!!」
怒ったバージルに斬られるとでも思ったのか、ディーヴァは悲鳴をあげて怖がった。
ディーヴァを更に背中に隠しながら、ダンテはバージルに向き合う。
「別にディーヴァを斬るわけじゃないんだろ、バージル」
「……少しはそれも考えたと言ったらどうする?」
「ええー!?やだよそんなの!痛いのはいやっ!!」
ディーヴァは首をぶんぶん振ってイヤイヤした。
その必死さがおかしかったのか、バージルは微かに笑う。
「冗談だ。そのようなことは考えてない、安心しろ」
「だそうだ、よかったなディーヴァ」
「ううっ。素直に喜べない……」
ダンテもそうだが、バージルもディーヴァをからかう事がなかなか好きなよう。
二人が珍しく普通の会話をしているようになっていて嬉しいのに、その実、話のネタにされているのは自分なので嬉しくはない、複雑な気分だ。
「それにしても、母さんのアミュレットが封印の鍵とはね。ハハハ、悪趣味な親父だ」
「正確に言えば……元々は鍵だった物を人間に預けたんだ」
「どっちだっていいさ、そんな事は。……大事なのはオレがここまで来たって事だ」
ダンテはディーヴァに壁際に行くよう指示し、背中のリベリオンをバージルに向ける。
ディーヴァはゆっくりと後退してケルベロスを握りしめながらダンテを心配そうに見つめた。
「オレのディーヴァを勝手に連れていった礼をしてやる。あとついでにアミュレットも返してもらわないとな」
ダンテにとってはディーヴァの方が大事で、アミュレットはついでになってしまったようだ。
それほどバージルに対し怒っているとは、ケツの穴の小さい男である。
「ふん、貴様と共にあるよりは俺といたほうが安全だろう。
見ろ、ディーヴァの服、前に見たときよりも更に酷いことになっているではないか」
ブラウスとジャケットはヨレヨレのシワシワ、切り裂かれ放題。
スカートやニーソックスには穴が空いてボロボロ。
極めつけに所々血だの泥だのがそこかしこに付着している状態。
「けっこうそそるだろ?」
「まあな。特にスカートに空いている穴から見えそうで見えない下着……イイものだ」
「やっぱお前もそう思うよな!」
とんでもない会話まで繰り広げるダンテとバージルに、ディーヴァがケルベロスをぶんぶんしながら叫ぶ。
「二人ともそんな話しないで!?そういう空気じゃないでしょ!!」
ダンテは肩をすくめてみせると、バージルに切っ先を差し出し臨戦体勢に入る。
「おっと!我らが姫がお怒りだ。……さあ、もう一ゲームといこうぜ」
そしてバージルは閻魔刀を抜こうとして……やめにした。
ダンテを実験台に先ほど入手した武器を使ってやろう……そう思ったのだ。
「いいだろう、お前もスパーダの血族。
貴様を殺してその血を捧げるとしようか」
閻魔刀の代わりにと構えたのは、先ほど入手したばかりのベオウルフ。
光の粒子が集まると共に、手足には硬そうな籠手のような物がぴったりと装着される。
バージルはそれを確認するとニヤリと笑って身構えた。
「どうやらオレの命が望みらしい。ディーヴァとイイことするその日までは死んでやる気はないけどな!」
「言っていろクズが。……貴様にやるくらいなら、俺が先にいただいてやる」
「うわぁ……もういい加減にしてよ」
ディーヴァは顔をひきつりながら更に下がり、壁に体を預けた。
ゴトン。
足に何か当たる。
そこで初めて、ディーヴァは転がっている物に気がついた。
大きな悪魔の亡骸だ。
それはカッと目を見開いて、こちらを血走った眼で見つめていた。
「ヒッ!」
この悪魔だらけの塔に来た事で、少しは恐ろしいものに慣れたのか、ディーヴァは小さく悲鳴をあげるのみだ。
恐ろしい形相だが、どこかかわいそうにもみえるそれを見てから、ディーヴァは再びダンテとバージルに向き直る。
「ダンテ……バージルさん……」
また始まる。
兄弟喧嘩という名の最悪な戦いが。
だが、解除に必要だという品々……アミュレットも血も捧げたというのに何かが起こるという気配は全くなかった。
「何故作動しない!」
非常にイライラとした声音で叫ぶ。
「何かが足りないのか……もっと血を捧げろとでも?」
アーカムが言っていた事を思い出す。
奴は言っていた。
天使の血もあればさらにより強い力を得られると。
「まさか天使の……ディーヴァの血も捧げろと言うのではなかろうな」
だが、より強い力が得られるというだけで、封印解除に天使の血が必要不可欠という話は出ていない。
封印解除装置を睨みつけながら、バージルは周りをぐるぐると練り歩いた。
そこに声をかけるは、部屋に侵入したダンテ。
「ご機嫌ナナメみたいだな」
「……ダンテ。それにディーヴァか」
ダンテの後ろからはディーヴァもついてきていた。
「あ……あの、さっきは勝手に逃げてごめんなさい」
控えめにバージルに謝るディーヴァ。
ダンテの影に隠れ、ビクビクしているようだった。
カチャリ。
バージルは無言で愛刀の柄に手をかける。
「ひっ、お願いだから斬らないで!!」
怒ったバージルに斬られるとでも思ったのか、ディーヴァは悲鳴をあげて怖がった。
ディーヴァを更に背中に隠しながら、ダンテはバージルに向き合う。
「別にディーヴァを斬るわけじゃないんだろ、バージル」
「……少しはそれも考えたと言ったらどうする?」
「ええー!?やだよそんなの!痛いのはいやっ!!」
ディーヴァは首をぶんぶん振ってイヤイヤした。
その必死さがおかしかったのか、バージルは微かに笑う。
「冗談だ。そのようなことは考えてない、安心しろ」
「だそうだ、よかったなディーヴァ」
「ううっ。素直に喜べない……」
ダンテもそうだが、バージルもディーヴァをからかう事がなかなか好きなよう。
二人が珍しく普通の会話をしているようになっていて嬉しいのに、その実、話のネタにされているのは自分なので嬉しくはない、複雑な気分だ。
「それにしても、母さんのアミュレットが封印の鍵とはね。ハハハ、悪趣味な親父だ」
「正確に言えば……元々は鍵だった物を人間に預けたんだ」
「どっちだっていいさ、そんな事は。……大事なのはオレがここまで来たって事だ」
ダンテはディーヴァに壁際に行くよう指示し、背中のリベリオンをバージルに向ける。
ディーヴァはゆっくりと後退してケルベロスを握りしめながらダンテを心配そうに見つめた。
「オレのディーヴァを勝手に連れていった礼をしてやる。あとついでにアミュレットも返してもらわないとな」
ダンテにとってはディーヴァの方が大事で、アミュレットはついでになってしまったようだ。
それほどバージルに対し怒っているとは、ケツの穴の小さい男である。
「ふん、貴様と共にあるよりは俺といたほうが安全だろう。
見ろ、ディーヴァの服、前に見たときよりも更に酷いことになっているではないか」
ブラウスとジャケットはヨレヨレのシワシワ、切り裂かれ放題。
スカートやニーソックスには穴が空いてボロボロ。
極めつけに所々血だの泥だのがそこかしこに付着している状態。
「けっこうそそるだろ?」
「まあな。特にスカートに空いている穴から見えそうで見えない下着……イイものだ」
「やっぱお前もそう思うよな!」
とんでもない会話まで繰り広げるダンテとバージルに、ディーヴァがケルベロスをぶんぶんしながら叫ぶ。
「二人ともそんな話しないで!?そういう空気じゃないでしょ!!」
ダンテは肩をすくめてみせると、バージルに切っ先を差し出し臨戦体勢に入る。
「おっと!我らが姫がお怒りだ。……さあ、もう一ゲームといこうぜ」
そしてバージルは閻魔刀を抜こうとして……やめにした。
ダンテを実験台に先ほど入手した武器を使ってやろう……そう思ったのだ。
「いいだろう、お前もスパーダの血族。
貴様を殺してその血を捧げるとしようか」
閻魔刀の代わりにと構えたのは、先ほど入手したばかりのベオウルフ。
光の粒子が集まると共に、手足には硬そうな籠手のような物がぴったりと装着される。
バージルはそれを確認するとニヤリと笑って身構えた。
「どうやらオレの命が望みらしい。ディーヴァとイイことするその日までは死んでやる気はないけどな!」
「言っていろクズが。……貴様にやるくらいなら、俺が先にいただいてやる」
「うわぁ……もういい加減にしてよ」
ディーヴァは顔をひきつりながら更に下がり、壁に体を預けた。
ゴトン。
足に何か当たる。
そこで初めて、ディーヴァは転がっている物に気がついた。
大きな悪魔の亡骸だ。
それはカッと目を見開いて、こちらを血走った眼で見つめていた。
「ヒッ!」
この悪魔だらけの塔に来た事で、少しは恐ろしいものに慣れたのか、ディーヴァは小さく悲鳴をあげるのみだ。
恐ろしい形相だが、どこかかわいそうにもみえるそれを見てから、ディーヴァは再びダンテとバージルに向き直る。
「ダンテ……バージルさん……」
また始まる。
兄弟喧嘩という名の最悪な戦いが。